平和な道のり
盗賊を乗せた荷車を引いて町を目指す。
半分ほど来たところでダイアスが後ろの俺たちに声をかけた。
「みんな疲れてないか?」
「問題ないぞ。」
「大丈夫だ。」
「私も平気です。」
「余裕だぜ。」
「同じく。」
前から並んでいる順に返事をする。
「わかった。今は出来るだけ早く森を抜けてしまいたいけど無理はしなくていいからな。」
みんなの答えを聞いてまた進み始めた。
(なるほど、いつ襲われてもおかしくない森の中だし周囲の警戒も必要だけど仲間の体調管理も大事だよな。)
そう思いふと後ろを振り返りイオルを見る。
イオルはダイアスに返答した通りしっかりと歩き、後ろから荷車を押してくれている。
しかし何故か右目だけを瞑って歩いていた。
「イオル、目を痛めたの?大丈夫?」
「えっ、あ、平気よ。ちょっとだけ疲れたから休めてただけ。むしろ今は回復してるくらいだから。」
少し慌てたようにおかしなことを言う。
「そうなの?まあそれならいいけど。」
「うん、心配してくれてありがとう。」
お礼を言うイオルだが右目は閉じたままだ。
(片目を瞑って歩くのは危ないんじゃ…。いや今は荷車を押してるから歩きやすいのかな?それにちゃんと後ろから押してくれてるのも感じるし本人も平気って言ってるからいいか。)
気にはなるけど何かあったらイオルが自分で言うだろうと判断した。
(そういえば盗賊は全部倒したはずだけど金庫を斬った人はどうなったんだろう?あれ多分剣でやったわけじゃないと思うし能力ならこの捕まえた6人。まあホイルさんは違うかな、漁師の皆にも能力バレしてないってことはなかっただろうし。あとホイルさんと同時に捕まえた2人は町に来たことがなかったみたいだから除外。ボスがわざわざ町まで来るとも思えないしこれも除外でいいかな。つまり可能性があるのは手下A、Bのどちらか。能力だとしたらこんな縄での拘束じゃ逃げられるかもだし気をつけておかないと。…手下Bずっと気絶したままだな、やりすぎたか?)
俺の引いている荷車に乗せた盗賊たちは手下Bを除き皆目が覚めている。
こちらを睨みつけて来るもの。ゴソゴソと拘束から逃げようと足掻いているもの。猿轡をしたまま何かをしきりに叫ぼうとしているもの。諦めたように一点を見つめるものなど様々だ。
(能力といえばイオルの能力ってなんだろう?。一緒にパーティを組んだわけだし聞いてみても大丈夫かな?あ、でもそうなると俺の能力も伝えないといけないな。今は何か痕跡を探したりすることに使える能力って思われてるだろうけど本当は一週間周期で能力が毎日変わるって言って大丈夫かなぁ。)
パーティとして情報共有は必要だと思うけどどうしたものか。
(とりあえずこの依頼を終わらせてから考えるか。あれ?俺の依頼は盗賊たちのいる場所への案内だけだからもう終わってるのか?。いやいや、ちゃんと達成報告するまでが依頼だよな。)
そう思い町に向かって歩みを進めた。
平和すぎて書くことがありません!




