転生会議
『曜日替わりですか?』
(はい、なんでも能力を同時に所持するのは身体への負荷がすごいんですよね?)
『そうです、おそらく私が作るあなたの身体では耐えられないと思います。』
(では日を跨いだら別の能力が使えるようになりその前の能力はまた1週間後に使えるみたいなのはどうでしょうか?)
『いえそれは…うーん、確かにできなくはないと思いますが』
「それは面白そうですね!」
天使様は乗り気らしい。
『でもなんの能力にするかによりますがそんなに珍しいものはつけれないと思いますよ?それにもし戦闘するにしても使い慣れた能力の方が有利なことが多いと思いますし、商人として生きていくとしても【収納】や【保管】で入れたものが一週間後じゃないと取り出せないと言ったことになってしまいますし。』
女神様は天使様から事故処理の押し付けにあってるようなものなのに俺の今後の生活までしっかり考えてくれているようだ。
(もちろん同時に使えない以上特化の方が便利だとは思います。でもせっかくの異世界なのでいろんな能力を使ってみたいのです。)
『…分りました、ではどういう能力をつけるのか、それが私が付けられるものなのか、話し合いましょう!』
それからしばらく話し合いどんな能力をどの曜日に使えるようにするかの会議が行われた。
(うん、いい感じじゃないかな)
『これで大丈夫でしょうか?』
「もうちょっとエグい能力付けましょうよー」
心配してくれる神と危険を煽る天使との会議を終える。
(でもかなりいい構成になったと思いますよ)
天使様がやばいスキル案しか出さないのでほとんど俺と女神様で決めたけど。
『そうですね、これは白木さんの人生ですから私があまり心配しすぎてもいけませんね。』
「【強奪】で他人の能力奪ったり、【催眠】で意のままに操ったり、【腐食】で触れたものを腐らせたりとか便利だと思うんですけどねー」
『同時に持てる能力増やせれないから曜日替わり能力を考えていたのでしょう!そもそも強奪も催眠も腐食なんて能力もありません!』。
「せっかく面白いことになりそうなのにー」
絶対堕天してるよねこの天使。
『これで転生の準備は整いました。転生先はサルコスの町にほど近いリストの森と呼ばれるところです。そしてあなたが亡くなってから1日経っているので今日は月曜日です。本日の予定はわかっていますね?』
(はい、森で少し能力を確認したらサルコスの町に行って冒険者ギルドに登録して身分証がわりのギルドカードを手に入れます)
『その通りです。そのあとは悠々自適に異世界ライフを満喫してください。せっかくですので長生きしてくださいね?』
最後まで俺の心配をしてくれる女神様。それに比べて…
「やっぱり【自爆】系の能力は必要だと思うのよ!」
地球、こんな天使が管理してて大丈夫なんだろうか…
『えー、では!白木迅さんの新たなる旅立ちを祝福します!良い人生を!』
(はい、女神様、いろいろありがとうございました!行ってきます!)
「え、ちょっと!私にはー⁉︎」
女神シグアーナ様と堕天使に見送られ俺は新しい世界へと旅立った。
ようやく転生できました。