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曜日替わり能力  作者: 向風
35/125

まかない

俺はイオルと冒険者パーティを組むことにした。

そのことをユーンさんに伝える。

「ではパーティの登録をさせていただきます。一応の確認ですがよろしいのですね?」

「はい」

「大丈夫よ」

「わかりました。では登録させていただきます。パーティの名前はどうされますか?」

パーティの名前か。【パラサの集い】みたいなやつだよね。

「うーん、どうしようか?何か案ある?」

「あー考えてなかったわね…。」

正直急なパーティ結成だから何も考えてなかった。

「雑につけるのは嫌だしな…」

「そうね、少なくとも半年間は名乗るわけだし、せっかくならカッコいい名前がいいわねー」

「でしたらパーティ名は【未定】としておきます。ただあまり長くお待ちすることはできないので決まりましたらお教えください。」

ユーンさんが気を利かせてくれた。

「ありがとうございます」

「いえいえ、では依頼の方を作成させていただきます。」

「おう、頼むよ」

依頼の作成となったので俺とイオルは下がり、ゲンさんとカイさんが依頼に必要な情報を話し始めた。


依頼の作成を待つ。

「あとは依頼を受けてくれる冒険者がいるかどうかだよね」

「そうねー。盗賊の討伐ってなるとCランク以上のパーティになると思うよ。でも今はリストの森の対応で上位のパーティは出払ってるかもだから。すぐ見つかるといいんだけど…。」

「そうだな…」

そこでギルドの壁に掛けてある時計を見る。文字盤はなく短針と長針のみの時計だが大体昼の1時くらいのようだ。

「あーもうこんな時間か、少し空腹だと思ったんだ。」

「あ、ジンさんはお昼にご飯食べる派なのね」

「ん?そうだね、できるだけ3食きっちり食べるようにしてるよ」

「わー、贅沢ねー。やっぱり貴族?…。」

イオルが少し不安そうに見てくる。

「いや違うって。え、3食食べるのって珍しいの?」

「うん、大体朝と夕方だけだと思うわよ。3食食べるってなると貴族の人くらいだと思う。」

マジ?あ、そう言われるとたしかに昼時なのにギルドの食堂に全然客がいない。

「あー、えっと。俺の地元だと3食食べるのが基本だったんだよ。その方が体にもいいって言われてて。毎食豪華にってわけじゃなくて普通の食事をするだけだから。もちろん貴族とかではないよ。」

「本当に?」

「本当だって。ほら、人を見る目には自信あるんだろ?」

「それはあるけどー。」

煮え切らないな。そんなに貴族って嫌われてるのかな?

「貴族、そんなに嫌いなの?」

イオルに近寄って小声で聞いてみる。

「私はそんなにでもないけどお父さんが貴族大っ嫌いだから…。もし貴族の人とパーティ組んだってなると冒険者辞めさせられるかもだし。ただでさえお父さんは私が冒険者になるの反対してたから…。」

なるほどなぁ。しかも俺はイオルのお父さんに嫌われてるようなものだしそれで俺が貴族だったら…。うん、やばいな。

「まあ俺は貴族じゃないから安心して。ちょっと遠くから来たからここら辺の常識とは違う習慣があるかもだけどちゃんと平民だからね」

よし、これで大丈夫だろう。ちゃんとした平民って何かは知らんけど。

「…うん、わかった。私の直感とジンさんを信じる」

納得してくれたらしい。よかった。

「よし、じゃあお昼ご飯を食べよう。」

「あ、ご飯は食べるんだね。」

そう簡単に習慣は治らないからね。仕方ないね。


ガラガラの食堂でお昼ご飯を食べることにした。

イオルも付き合ってくれるようだ。

「いらっしゃいませ。何になさいますか?」

「おすすめの料理って何があります?」

「料理ですか?。えっと、そうですね。今の時間はあまり仕込みが出来ておりませんのでお酒のおつまみになるものか私たちの賄いと同じようなものくらいしかお出しできませんがよろしいでしょうか?」

イオルの言うように昼ごはんを食べる人は少ないのだろう。定員さんも少し困ったような顔をして聞いてきた。

「はい、大丈夫です。」

「では少々お待ち下さい。」

そう言って厨房に引っ込む。

「やっぱり昼ごはん食べる人がいないからあんまり用意はしてないみたいだね。」

「そうよー、この時間に食堂に来る人は飲み物だけの人や朝からお酒飲んでる人くらいだと思うわよ?」

「お昼、お腹空かないの?」

「たまにはお昼に屋台で買うこともあるけどそんなにガッツリ食べるってことはないわね。」

「そうなのか。」

この世界の常識かー。でも腹は減るし仕方ないよな?

しばらくすると料理が出てきた。

「今お出しできるのはこちらになります。私たちの朝の賄い料理と同じものなので見た目は悪いですが味は保証しますよ。」

出てきたのはまさしく賄い料理というような丼物だった。炒り豆付きだ。

「おお、これは美味しそうですね。ありがとうございます。」

そう言って一口食べる。

「うん、これは美味い!」

「お口にあってよかったです。美味しいので私たちの中では人気なんですが普段はお店に出すわけにもいかないので。あ、ごゆっくりしてくださいね。」

そう言って厨房に帰っていった。心なしか嬉しそうだ。

「むう、こんな美味しいのにお店には出せないのか。」

「多分普段は捨てちゃう食材とかで作ってるんじゃない?具材もまばらだし茎とかも入れてるみたいだし。」

「なるほど、ザ・賄い丼って感じだな。」

「あ、炒り豆少しちょうだい。」

「どうぞどうぞ。」

そんなやりとりをしながらお昼ご飯を食べた。




謎のご飯回。

次回はちゃんと依頼受けます。

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