現場検証
イオルとの自己紹介をし終えるとカイさんが戻ってきた。
「とりあえずギルドに使いを出した。俺たちはもう一度この辺りを探してみよう。」
「了解です。」
「金庫に入ってた金貨って結構な量なんでしょ?もしかしたらまだ近くにいるかも知れないものね。」
そう言って3人で捜索を開始した。
とりあえず湖周辺を回ってみることにする。
こうして歩くとなかなか大きな湖だと思う。
この世界くらいの文明だと汚水なんかも垂れ流しなんじゃないかと思うが水も綺麗だ。
もしかしたら別に川が流れててそっちに流してるのかも知れない。
そういえば宿のトイレは水洗だった。
水洗といっても上から自分でバケツに溜めてある水を入れて流すものだったが。
「しかし大きな湖ですね。一周するのにも相当時間かかりそうです。」
「そうだな、別に雨が多いとかもねぇんだがここらは水が豊富でな。昔から日照りでやられたこともないらしい。」
「ぐるっと一周すると大体4時間くらい走んないといけないんだって。」
(4時間か、フルマラソンが4時間半から5時間が平均だったよな?ってことは一周ざっくりで40キロくらいか?まあ、この世界の人は能力持ちもいるからあんまり物差しにはならないか。)
「それは広いな、探すのも大変だ。」
「ああ、それに向こうにはホイルのおっさんがいる。長年この湖で漁師やってた人だからな、地の利は向こうにもあるってことだ。」
うーん、そうなると闇雲に探してもダメか。何か探すヒントでもあればいいんだけど。
「あーそういえば壊された金庫があったのってどこなんですか?」
「ああ、そこの建物の中だ。見てみるか?」
「そうね、切られた金庫ってのも気になるし見てみたいわ。」
「じゃあ入ってみるか。建物の鍵も壊されたままだからそのまま入れる。」
金庫のある建物に中に入ると大きな鉄の扉の金庫の片方の扉が外れ、床に倒れていた。
「これは…」
「本当に壊されてるのね…」
壊されているが扉が真っ二つにされているようには見えない。
「斬られたってのは扉の軸と鍵の方だ。」
そう言われて見てみるとたしかに扉の蝶番の部分と鍵には刃物で斬られたようになっていた。
「なるほど、確かに斬られたように見える。」
「でも金庫を斬られたなんて聞いたからもっと真っ二つになってるものだと思ってたわ。」
イオルも俺と同じように思っていたようだ。
「流石にそりゃ無理だろ。ただ鉄を斬るだけでとんでもねえことだ。」
言われてみるとそうか。この世界に金庫破り用の工具なんてないだろうし。
「そうですね、じゃあこれはなんらかの能力を使って斬られたものってことですか?」
「そうだろうな。それでも鉄をこんな綺麗に斬るなんてどんな能力なのか想像もつかねえが。」
能力か。それじゃあ俺も使って見るか。
「ここはもういいだろう?捜索に戻ろう。」
「そうね、それじゃあとりあえず湖の周りを探して見ましょうか。」
そう言って2人が出て行こうとする。
「あ、ちょっと待ってください。」
「ん?どうした?なんか気になることでもあったか?」
「そうですね、少しだけ調べさせてもらってもいいですか?そんなに時間は取らないので。」
「そんなら構わねえけど俺たちもここは調べたぞ?」
「まあすぐ終わりますから。」
「調べてもらったらいいんじゃない?見方が変われば分かることもあるかもだよ?」
「そんなに言うならいいが」
「ありがとうございます。」
それじゃあ能力の検証も兼ねて調べてみよう。
二つ目の能力解禁です。




