お説教
漁師さん達に嬢ちゃんと呼ばれていた女性が帰ってきた。釣具屋の店主さんを引きずりながら。
「さあ説明して、何で詳しくない人に高い道具を売りつけたりしたのか。」
女性は連れてきた店主さんを睨みつける。
「い、いや、別に無理矢理売りつけたわけじゃねえ!そいつも了承して勝ったんだよ。そうだよなぁ!?」
店主さんはしどろもどろしながらも弁明する。
「えっと、そうですね。高いとは思いましたけど一応納得して購入したので大丈夫です。」
なんかかわいそうになり店主さんの肩を持つ。
「そう、でも仕掛けの説明なんかはなかったのよね?」
「それは、まあなかったけど」
勢いに押され答えると女性はまた店主さんを責めるように睨む。
「お客さんに商品の説明しないでどうするのよ。何を釣るのか聞いたの!?」
「いやそれは聞いちゃいねえが…」
「それじゃあ使えるかどうかも分かんないもの売りつけたのと変わらないじゃない!」
「いや、だがよぉ…」
「なに?言い訳があるなら聞くわよ。」
「そいつはホイルの仲間かもしれねぇやつだし…」
「だから?長いこと売れ残ってた高級竿を売りつけても良い理由になるって?」
そういえば実家に売れ残ってる高級竿があるとか言ってたな。じゃああの釣具屋が彼女の実家か。ってことはこの人は彼女のお父さんかな?
「ッチ、分かったよ、たしかにホイルの件でイラついててあいつの関係者だと思って真面目に取り合う気が起きなくて適当に道具を選んだよ。…悪かった。」
オヤジさんが謝ってきた。
「あーいや大丈夫ですって、事情はわかってますから。」
「もう!そんな舌打ちしながらなんて。」
彼女はまだ怒っているようだ。
「まあまあ、気にしてないから」
そう言って宥めてみる。
「父がご迷惑をかけました。ごめんなさい。」
今度は彼女が頭を下げてきた。やっぱり親子だったらしい。
「いや本当に大丈夫だから!それにあの竿とアラクネの糸のおかげでダイヤトラウト?が釣れたわけだし。」
結果論ではあるが実際大物が釣れたのだ。普通の竿だったら折られていたかもしれない。
「そう言ってくれるなら良いけど…。」
なんとか頭を上げてくれた。
「おう、話はついたかい?」
「旦那もあんまりイライラすんなって、周りに当たってたってしゃーねーぞ。」
いつのまにかゲンさん、カイさん親子が来ていた。
「あ、ゲンさん、カイさん、こんにちは。」
女性がゲンさん達に挨拶する。
「おう、嬢ちゃん久しぶりだな。冒険者家業には慣れてきたかい?」
「まだなって数日だから何ともね。薬草集めくらいしかしてないわ。」
「下積みってとこか、まあやりてえ道に進んだんだ。頑張んなよ。」
「はい!」
彼女は冒険者らしい。
「それで父から連絡を受けてホイルおじさんのことは聞いたんですけど、本当なんですね。」
「ああ…、今んとこホイルがやったので間違い無いだろう。最後にホイルにあったのは嬢ちゃんの親父さんだからな。」
「…俺は昨日の朝ホイルに声を掛けたんだ。今思えば挙動不審だった。俺はあいつを止められたかもしれねんだ!なのに…。」
「その後すぐに船から煙が出てるのに気付いてみんなで消火に走ったんだ。しょうがねえよ。」
そうか、釣具屋さんがイラだっているのはもしかしたら自分はホイルさんを止められたんじゃないかと思っているからなのかもしれないな。
えー、嬢ちゃんの名前思いつかなかったので次回に持ち越します。




