魔法ランク評価
しばらくすると女性が戻って来た。
「お待たせしました。申し訳ありませんがリストの森の担当者がちょうど席を外しているようなので少しお待ちいただけますか?」
「ああ、いいぞ適当に待たせてもらう。」
「ありがとうございます。ではこちらの方のギルド登録を先に行いましょう。」
「はい、お願いします。」
「はい、よろしくお願いします。私、担当させていただきます、ユーンと申します。」
「あ、ジンです。よろしくお願いします。」
「ジンさんですね、ではこちらの魔道具に手を乗せていただけますか?右でも左でも構いません。」
そういうとカウンターに、免許証ほどの大きさのカードが置かれ、さらにその上に20センチほどの正方形の透明な板が乗せられる。これは水晶みたいだな。
「こうですか?」
とりあえず言われた通り、板の上に手を乗せる。
「はい、しばらくそのままでお願いします」
そう言われて少し待つと水晶が淡く光り始めた。
「今はジンさんの能力を調べております。終わりましたら先に置いたカードにお名前と登録したギルド名と現在の冒険者ランク、登録されたばかりなのでGランクですね。そしてジンさんの能力名が記載されます。」
「なるほど」
「そしてもし魔法の素質がある場合はどの程度の魔法が使えるかもランク表示されます。こちらは10段階評価で表示され、例を挙げますとランク3で有用とされる生活魔法程度の魔法使いと言われております。」
説明を受け終わるとちょうど光が収まった。
「終わったようですね。手を下ろしていただいていいですよ。」
そう言われたので手を下ろす。
「では確認致します。ジン シラギさん。おや、姓をお持ちだったのですね。登録ギルドはサルコス。冒険者ランクG。あー、能力は魔法強化ですか。では肝心の魔法ランクはー、え⁉︎ランク4!!」
「どうかしたのか?」
急にユーンさんが声を上げたため少し離れていたダイアスたちが近寄って来た。
「ああいや、なんか魔法ランクが4ってとこで驚かれたみたいだ」
生活魔法がランク3らしいからそのひとつ上、女神は生活魔法が限界と言っていたが俺にちょっとだけ才能があったりしたのかな?でもランク4ってそんなに驚くほどのことなのか?
「おお、やっぱり生活魔法よりは上だったんだな。でもあれほどの回復魔法を使うんだからもしかしたらランク5の戦闘魔法レベルなのかと思ったりしてたんだがな。」
ダイアスの反応を見るとやっぱり魔法ランク4ってのはそこまで驚くほどのことでも無さそうだ。
「あ、ごめんなさい、急に大きな声を出してしまいまして…。あ、えっとジンさんはパラサの集いに加入されるのですか?その場合パーティランクがだいぶ下がってしまいますが。」
「あ、いやそういうわけじゃないよ、縁があって道中で知り合ってこのギルドまで案内してくれたんだ。」
「むしろ俺たちの方が世話になったんだけどな」
「でしたらその、あまり能力が知れ渡るのも良くはないので少し離れてお待ちいただけますでしょうか?いえ、私が急に大きな声を出したのがいけなかったのですが…。」
「気にしないでくれ、じゃあ離れて待ってるからよ。」
「ん、いや聞いててもらっていいよ、ダイアスたちのことは信頼してるし、俺も助言がある方が助かると思うしさ。」
「ジンさんがそれで良いのでしたら構いませんが…」
「いいのか?」
「ああ、調査報告の担当の人が来るまででいいから助言を頼む。」
「おっしゃ、了解した。」
俺はまだこの世界について知らないことが多すぎるのでダイアスたちの助言があるととても助かるのだ。
説明パートが続きます。




