ギルドマスター
ダイアスたちの案内について行き冒険者ギルドへ向かう。
診療所からしばらく道なりに歩くと大きな建物が見えて来た。
「あれがこの町の冒険者ギルドだ。」
3階建ての建物に多くの人が出入りしている。
恐らく冒険者であろう武装した人が多いようだ。
俺はちょっとワクワクしていたのだがダイアスたちはささっと中に入って行く。
俺も遅れて中に入ると賑やかな声が聞こえて来た。
「ここが冒険家ギルドかー、中で食事もできるんだな。」
「ああ、味もなかなかだぞ。ギルドが冒険家から買い取った魔物や獣の肉とかを使ってるから値段も手頃なのが多い。たまに珍しい食材が入ったりするとバカ高い特別メニューがでるときもあるがな。」
「レア食材なんかは貴族とか高級な店が買い取ったりするもんじゃないのか?」
「普通はそうだろうな、多分他の町のギルドとかだとギルドが買い取ったあとお貴族様や高級店に売りつけるんだろうぜ。」
「やっぱそうだよな。」
「ここのギルドの方針、と言うかな。レア食材が入るとギルマスが腕を振るうんだ。」
「ギルマス、ってギルドマスターだよな?。なんで冒険者ギルドのトップが料理を?」
「ギルマスは元々料理人だったんだよ。で、珍しい食材や調理法の開拓のために冒険者になったらしい」
「かなり有名な人だぞ。普段はギルマスの仕事もあるから滅多に調理場にはいないが料理は絶品だ。どんだけ高くても食いたくなる。それに高いっつってもほぼ食材の原価だけでやってくれるからな下手に高級店行くよりも安いし美味いぞ。」
「でもなんでそんな人がギルドマスターなんてやってるんだ?自分で店を開いた方が料理だけできるし良かったんじゃ」
「ああ、店を出すって話もあったらしいんだがな、周りが引き止めたんだ。」
「なんで?」
「ギルマスはな、料理人としても一流だが冒険者としても一流なんだ。言っちまうとメチャクチャ強え。」
「指導力もあるしな。それでギルドマスターになってギルドの一階に食事できるとこを作ったんだ。」
「そう言うことか、そのうち会えるかな?」
「どうだろうな、仕事してると思ったらふらっとどっか行っちまってギルドの職員とかが探し回ってることもあるからな。」
「そうか。」
「さて、ここで話し込んでてもしょうがないだろ?とりあえずギルド登録済ませちまえよ。」
「ああ、そうだな」
ここに来た目的を忘れるとこだった。
「よし、こっちだ。」
そういうと食事処を離れ、受付に向かう。
受付カウンターの向こうには数名のギルド職員が何やら魔物の素材らしきものを鑑定したり、書類整理したりしている。
受付には若い女性がいた。
「すまない、森の調査依頼の報告をしたい。それから一人、冒険者登録を頼む。」
ダイアスが女性に話しかける。
「はい、承りました。ではリストの森の調査を担当している者をお呼びします。冒険者登録の方はどなたですか?」
「あ、はい、俺です。」
「では魔道具を用意するので少々お待ちください。」
女性はそう言うと席を立ち奥に向かう。森の調査担当者を呼ぶのと魔道具とやらの準備に向かったのだろう。
「魔道具なんてあるんだな」
「そりゃああるさ、ギルドお抱えの魔道具職人が作ってるんだ。」
「その魔道具で何をしたらいいんだ?」
「手を乗っけるだけでいい。しばらくすると情報を読み込んで魔法が使えるか否か、使えるならどの程度のもんか、それから能力が表示されるらしいぞ。流石に自分の能力は知ってるよな?」
「ああ、大丈夫だよ」
「ならいい、能力の確認はその魔道具か神殿で見てもらうしかないからな。まあ【鑑定】能力なんて伝説の能力持ちなら話は別だが。」
「鑑定能力はそんな珍しいのか?」
意外だ、異世界物だと割と出て来るのだが。
「そりゃそうだ【鑑定】なんて他人の体に作用するってことだろ?そんなメチャクチャな能力御伽噺でしか聞いたことねぇよ」
(ふむ、そうか。そういえば女神様も強奪も催眠も腐食なんて能力もないと言っていたな。考えてみれば全部他人に干渉できそうな物ばかりだ。そう言う能力は基本的にはないってことだな。)
能力チェック、大丈夫だとは思うが心配だな。
久しぶりに女性キャラの登場です。




