拾った棒の使い道
サルコスの町に到着した俺たちはまず診療所に向かう。
ほぼ日が沈み、だいぶ暗くなって来た。
「ここだ、ちょっと待っててくれ。まだ診てもらえるか聞いて来る」
と言うとダイアスが一人で建物の中へ入って行った。
「あー疲れた」
「やっと着いたな」
ここまでクンスさんを運んできたタイルとロンが担架を下ろして一息付く。
「二人ともお疲れさん。やっぱ途中で交代した方が良かったんじゃないか?」
ベックが二人を労う。途中何度か休憩を挟んだ時にダイアスとベックは交代を提案したのだが二人は受け入れなかった。
「何度も言ったけど警戒はリーダーに任せた方がいいし、何かあった時にリーダーと一番連携が取れるのはベックだ、適材適所ってやつだよ。」
「まあ結局ジンに俺たちの武器まで持って貰ったからな。ありがとな、だいぶ楽だったぜ。」
重い武器を担いだまま担架を運ぶのが大変そうだったから途中で預かったのだ。
そのため俺はクンスさんの弓と矢筒とタイルの大剣を背負い、左手でロンの剣を持ち、右手に拾った棒を持つという全身武装状態なのだ。
「役に立てたならよかったよ、ちょうどいい支えもあったし俺も大して負担じゃ無かったよ」
そう、この拾った棒はちょうど良い杖になったのだ。
「それゴブリンが持ってた棒だろ?もしかしたら良いもんかもしれねえぞ?」
「そうなのか?」
「ああ、ゴブリンは結構収集癖があってな、ちょっとでも珍しそうなもんがあったら拾うんだ。大体はガラクタだが冒険者が落とした武器やら貴金属を拾ってることもあるんだ。」
「なるほど」
「まあいいもんかどうかもわかんねえもんわざわざ持ち帰るなんて普通はやらんし実際ハズレのが多いからな、知っといて損はない程度に思っとけよ」
「まだ診てくれるらしいぞ。」
少し話していたらダイアスが呼びに来た。
診療所の扉はあまり大きくないからロンがクンスさんを担いで中に入る。
外で待ってようかと思ったが俺も中に入るよう促された。
「患者を台に寝かせてください」
初老の男性医者に言われてクンスさんを寝かせる。
「お腹を三箇所ナイフで刺されてそれを回復魔法で塞いだがまだ目が覚めないと言うことですね?」
ダイアスが簡単に説明していたのだろう。医者が確認をとって来る。
「ああ、そうです」
「とりあえず診てみましょう」
それから触診や目視、魔法?で容体を確認していった。
「うむ、少し跡は残っているが見事に治療されています。内臓も問題ないでしょう。ただやはり血を流しすぎて貧血状態になっているようです。今日はここで寝かせるといいでしょう。目が覚めれば増血剤を処方しますので。」
診断を聞いてほっとした。正直なところ不安だったのだ。
それから入院の手続きを済ませて診療所を出た。
「ジン、改めて礼を言わせてくれ、ありがとな。」
ダイアスがそう言うとみんなで頭を下げてきた。
「いやいいって、頭あげてくれ」
俺が慌てたように言うと顔をあげて笑いかけて来る。
「俺たちはこれから一度冒険者ギルドに行こうと思う。森の調査依頼の報告と盗賊が村に入り込んでたことも伝えておきたいしな。ジンはどうする?」
「そうだな、今日中にギルドに登録しておきたいんだけど。」
「よし、じゃあ一緒に行こうぜ。」
「そうしてくれると助かるよ、ギルドの場所も分からないし」
そうして5人で冒険者ギルドに向けて歩き始めた。
ほぼ進展ないな?ここの描写必要だったか?と書き終えて思いましたまる




