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曜日替わり能力  作者: 向風
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始まりの町

休憩を終え、また俺たちは街に向かって歩き始めた。

岩ヘビとの戦闘のあとは魔物に遭遇することもなく進んだ。

「何とか暗くなる前に着けそうだな。」

「ああ、これなら診療所も開いてるだろうし、今日中にクンスを診てもらえそうだ。」

今は夕方くらいでだいぶ日が沈み始めている。前世では簡単に時間を見れたがこちらではそうもいかない。

「ジン、この丘を越えたらサルコスの町が見えるぞ」

先頭のダイアスが声をかけてくる。

「おお、遂に町に着くのか!」

そして丘を上りきり町の全貌を確認する。


「ここがサルコスの町か」

まだ少し遠いがたくさんの家が立ち並んでいるのが見える。

もちろん前世の町のように和洋さまざま、カラーバリエーションも豊富というようなことはない。

道だってある程度は舗装されているが精々石畳、場所によっては土が剥き出しの道だって多い。

それでも初めて見る異世界の町に目が釘付けになった。

「じゃあ残り少しだ、このまま行くぞ!」

ダイアスの呼びかけに止まっていた足を動かす。

少し高い位置から見ると全貌がよくわかる。

正面に見える町。全体をぐるりと壁で囲われている。家は高くても3階建てくらいのもので平家が多いようだ。

町に向かって右側には大きな湖が見える。町の端っこにくっ付くようにありきっと魚が獲れるのだろう。いくつかの木製の舟が見える。

その湖の奥には木々が生えているようだ。

「あの右に見えるのは森だよね?」

「ああ、リストの森だな。」

「…リストの森広すぎるだろ」

途中戦闘や休憩も挟んだが大方2時間以上歩いて来たのにまだ近くに森が見えるとか、それも森の端から来たってわけでもないのに…。

「だからリストの森を目印に町に行こうとするなんて無謀すぎるんだよ。下手すりゃ数日彷徨ってたぞ。」

ベックに胡乱げな目で見られる。

「その上オーガの群れがいる森の中に単身で入って行ったんだろ?無茶するよなぁ」

タイルにまで呆れた顔をされた。

ここまでの道すがら俺がベックたちと出会った村までの事を教えたのだが最初に説明していたベック以外は驚き、そして呆れられたのだ。

「そうは言っても森にオーガの群れがいて立ち入りを制限されてるなんて知らなかったしサルコスの町はリストの森の近くにあるとしか教えてもらってなかったんだからしょうがないだろ」

「それでも町に向かってんのに森の中に入るやつはそうそういないと思うぞ」

ロンが突っ込んで来るのだが町に行くために森に入ったのではなく、森の中がスタート地点だったのだがこれは説明のしようがないのだ。まさか転生したとは言えない。

「まあジンの無謀な旅はどうかと思うがそのおかげで俺たちは助かったんだ、そう攻めてやるな。」

ダイアスがフォローしてくれた。

ちなみにこの説明をしたあとゴブリンの討伐部位を聞いてみたら爪とのことだったがこれを剥ぎ取ることはほぼ無いという。ゴブリンはあまり強くは無いが群れで行動するので面倒なのだ。そして素材の使い道も無い。肉も食用にならない。

討伐部位に指定される箇所はその魔物の有用な使い道のある部分、例えば岩ヘビの牙は毒があるのだがそれを素材に同種の毒に対する薬を作れたりするらしい。

だがゴブリンは本当に使い道がないらしい。そのため遭遇しても襲ってくるので対処はするがその場に放置することが多いとのことだった。


そんな会話をしながら町の入り口に近づいていく。

壁で囲われた中に門がありそこから町へ入るようでそこそこの数の人が並んでいた。

「どうした?怪我人か?」

クンスさんを担架に乗せて運んでいたため門番をしていた警備の人が近寄って来た。

「ああ、盗賊とちょっとやり合ってな、傷はもう塞がってるんだが血を流しすぎたのか目を醒さなくてな、早めに診療所に連れて行きたいんだ」

「そうか、わかった。おーい、怪我人がいる!先に通してやってくれ!」

門番さんが声を上げると入場の手続きをしていた人たちが避けて通してくれた。

「すまない、助かる。」

「ああ、あんたたち【パラサの集い】はわかるがこっちの兄ちゃんは見た覚えがないんだが」

門番さんが俺のことを注意深く見てくる。

「ああ、こいつはジンだ。クンスや俺たちの怪我を治してもらった恩人だ。問題ない、俺が保証するよ。」

「そういうことならいいか。今回は手続きは免除でいいから早く診療所に行って休ませてやりな

。」

そう言われ、俺たちは門を潜り町に入った。



やーっと町に到着しました。

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