目的は未定
俺と【パラサの集い】の6人でサルコスの町に向かうことにした。
一番前をダイアス、今はまだ目を覚さないクンスさんの担架をタイルとロンが運びその後ろに俺、最後にベックの順で並び歩いている。荷物はダイアスとベックがカバンに詰め込み担いでいる。
俺は持っていた棒とクンスさんの武器だという弓と矢筒を持って申し訳程度に荷物持ちをしている。
ちなみにベックに呼び捨てでと言われてからダイアス、タイル、ロンも俺たちもそうしてくれと言われたので敬称をつけるのをやめた。クンスさんは目を覚ましてないのでそのままだ。
「ジンはサルコスの町に何をしに行くんだい?」
歩きながらロンが聞いてきた。
そう言われると困る。これから何をするかということをまだ決めかねているのだ。
「何をって言われるとまだしっかりと決めてないというか…。とりあえず冒険者ギルドに登録して冒険者になろうとは思ってるよ」
「そうなのか?あれだけの回復魔法が使えるなら食いっぱぐれることはないと思うが、治療士としても充分稼いでいけるだろ?」
「治療士ってのは医者とは違うのか?」
「そりゃ違うだろ、治療士ってのは魔法や魔術で怪我を治すが厄介な病気は回復魔法だけじゃ治らねえことも多い。で、医者は病気治すために薬を煎じたりする。まあ医者になるやつは回復魔法もある程度使えるやつも多いがそれでも専門の治療士ほどじゃないってのが常識だろ?」
なるほど、治療士が外科、医者が内科みたいになってるのか。
「そんなのも知らないってお前さんどんなとこ住んでたんだよ?」
「それに冒険者になるってジン今いくつ何だ?」
年齢か。女神様は若返ったりはさせてやれないって言ってたしな。
「今年で23だな」
「23?まあまあいい歳じゃねえか⁉︎」
む?そうかな?高校出てすぐに就職したから社会人5年目だったのだが。まあ確かに俺も学生の頃は20過ぎたらいい大人ってイメージはあったな。実際中身全く学生の頃と変わんないけど。
「そういうみんなはいくつなんだ?」
見た感じ俺よりちょっと年上って感じなんだが。
「ダイアスとベックが21で俺が19、タイルとクンスが18だな。」
全員年下だったのか。外国人は大人びて見えるってことかー
「本当に23なのか?そうは見えねえんだけどなー。それに黒い髪なんて見たことないんだがそれ地毛なのか?」
珍しいくらいならともかく見たことないときたか、転生したなんて言いふらすことじゃないしなんか設定考えるべきだな。
「23歳だよ。髪は確かに俺の住んでたとこでも珍しかったかな?住んでたのはちょっと田舎の方でな、あんまり都会の方のことはわからないんだ。」
うん、このくらいが無難な説明かな。
「都会って、今から行く町は王都みたいにめちゃくちゃでかいわけじゃねぇぞ。」
「まあそれでも俺が住んでたとこよりは都会だと思うよ。」
実際ほんとに住んでたのも田舎だしな、田畑に囲まれたいいところだ。
まあそれでも文明の違いは大きいだろうけど。
「止まれ」
しばらく歩きながら談笑していると先頭を歩いていたダイアスが停止命令を出す。
「この先の岩陰に何かいる、俺が様子を見てくるからお前たちはいつでも動けるようにしておけ」
「1人で大丈夫か?」
「ああ、何かあったら援護を頼む」
どうやら何かがいるらしいのだが俺には全くわからなかった。
ダイアスは背負っていた荷物を置き、槍を構え慎重に進んでいく。
そして岩陰に向かって槍を突き刺した。
「キシャァ!」
すると耳障りな鳴き声とともに子どもを丸呑みにできそうなほどの大きさのヘビが現れた。
「くそ、浅かったか!」
ダイアスも槍はヘビの胴体に当たったらしいが致命傷にはならなかったようだ。
そして別の岩陰からさらに2匹のヘビがスルスルと近寄ってくる。
「タイル、ロン、ここは任せた!」
そういうとベックは剣を抜き去りダイアスの援護に向かう。
そして戦闘が始まった。
次回ヘビ戦です。




