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曜日替わり能力  作者: 向風
112/125

至れり尽くせり


「さて、次は査定していた魔物の素材のお支払いです。」

「あ、そっか、それもあったね。」


昨日戦ったゴブリン4匹とオークの素材。ゴブリンは倒した証拠となる討伐部位だけだがオークはそれ以外にも高値で買い取ってもらえる素材をいくつか持って帰って来ることができた。どれくらいの値が付くのか楽しみなところである。


「ではこちらが買取額になります。それと昨日潰してしまったナイフの弁償代はここからすでに差し引いてありますので。」


そう言って渡されたのは大金貨が1枚に金貨が6枚、大銀貨5枚に大銅貨4枚。約16万5千400円だ。


「えっ、こんなに⁉︎」

「す、すごっ‼︎」

「オークの素材の買取となるとこれぐらいはあります。その分、首から上全てを持ち帰れなかったことが悔やまれるのですが。」


渡された金額を見て驚く俺とイオルにサラッと答えるユーンさん。


「ナイフの弁償金として大銀貨5枚を差し引いております。素材買取の内訳は鑑定した解体専門職員に聞かなくてはわかりませんがゴブリンの犬歯は1本銅貨5枚で決まっておりますので合計8本で大銅貨4枚のはずです。」

「ゴブリン安っ⁉︎」


え、ゴブリン1匹100円なの? 新人冒険者キラーみたいな扱いなのに?

てことは昨日の不良在庫のまとめ買いで安かった矢が1本辺り大銅貨1枚だから一撃で仕留めてもらったとしても利益出ないのか…。


「本当にこちらも1割をパーティのお金として貯金し残りを3人で分けるのでよろしいでしょうか? 昨日の戦闘で私は役立ったとはとても思えないのですが。」

「昨日話し合った通りだよ。ユーンさんがいなければオークを倒すことも出来てなかったし、そもそも俺たちだけじゃ剥ぎ取りの知識もなかったんだから。」

「そうですか、わかりました。ではお金は全員の口座に保管しておきます。必要な金額を言っていただければいつでも手数料なくお渡しいたしますのでご安心ください。」


一応の確認という感じで聞いてきたユーンさんに問題ないことを伝えるとしばらく必要になりそうな額だけを持って残りのお金を預けた。

これであとはどんな依頼を受けるか決めるだけだ。




「よし、それじゃ今日受けるのはどんな依頼にしようか?」

「あ、私、掲示板見て来るー」


テクテクと依頼の貼られている掲示板の方へイオルが歩いていく。


「ああ、じゃあ俺もー」

「あ、ジンさんお待ちください。」


俺もイオルを追いかけようとしたらユーンさんに呼び止められた。


「ん? まだ何かあったっけ?」

「いえ、お耳に入れておきたいことが少し。今朝の職員会議で聞いたのですが各町に出ていたリストの森の調査の依頼が今週末を持って終了となることが決まったそうです。そして早ければ来週にもオーガがリストの森に出た原因の調査とその討伐のためBランク以上の冒険者パーティや騎士団による討伐隊が組まれることになるとのこと。そのためギルドとしては怪我や傷の治療用として回復薬の材料となる薬草などを少しでも多く集めておきたいということですので行かれた先で薬草などを見つけた場合は採って来ていただけると助かります。買取額も一時的に上げるということなのでそれなりの収入にもなると思います。」

「それは嬉しい情報だけど、薬草を見分けて持ってくる自信なんてないよ?」

「はい、そんなこともあろうかと思いましてこちらに薬として使える薬草、果実、キノコと言った素材の特徴や群生地などを簡単にまとめた冊子を用意させていただきましたのでお持ちください。」


そう言ってカウンターの上に単行本サイズの冊子が置かれる。

手に取ってパラパラとめくって見ると素材の細かな特徴が細かく記載されておりとても見やすい。


「おお〜、これはわかりやすい。」

「それから素材そのままでは毒となる場合もあるので素手での採取はしないように、ギルドから小分け用の皮袋を入れた背嚢と採取道具をお貸ししますのでご利用ください。」


こちらもすでに準備してあったようでイオルの分も含めて2つの背嚢がカウンターに置かれる。


「至れり尽くせりだね、ありがとう。それじゃあこれを参考にしてどんな依頼を選ぶか考えて見るよ。」

「お役に立てたのなら幸いです。」


そう言って綺麗なお辞儀を見せてくれたユーンさんにお礼を言って、イオルが背伸びしながら見ている掲示板を見に行くことにした。



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