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もしも友達なら 2

 自分の席につき、程なくして授業が始まったが、先生もマリィがここにいる事より、マリィと、マリィのななめ前にいるロベリアが大人しいことに対して怪訝な顔をした。

 そこからは静かなものだった。ドアをぶつけてしまったことをもう一度ちゃんと謝ろうかと何度か試みたのだけど、上手くいかなかった。授業は静かに過ぎ、昼食の時間になると、外に出て、毎日学校へ販売に来ているパン屋さんでサンドイッチを買った。

 お昼時は建物内より外の方が賑やかだ。

 先生や子供達の手によって花壇や椅子が整えられた大きな庭は、日当たりも良く、毎日がピクニック状態。

 マリィが花壇の側に座り込むと、同じクラスの子達に囲まれた。

「あら、マリィ様が一人なんて珍しい」

 マリィの隣に陣取ったサラがマリィの顔を覗き込みながら言う。手にはマリィと同じサンドイッチの包みを持っている。

「いつもそうよ」

 言って、ため息をつきながらサンドイッチをくわえた。

 わかってる。原因はわかってる。いつもなら、私の生活はもっと騒がしい。ロベリアがいるから。

 授業中には、マリィに対抗して突っかかってくる。昼食の間も横でチョロチョロしては何か言ってくるものだから、マリィもいちいち対抗してしまう。でも、今思えば、対抗というより楽しいから相手をしていたのだ。

 私、ロベリアとおしゃべりするの楽しかったんだ……。

 面白くない事実に気付いてしまい、またひとつため息が出た。

 周りを見渡すと、むすっとした顔でクリームパンを頬ばるロベリアが見える。……そんなに痛かったのかしら。

 帰宅の時間になると、のんびりと帰る支度をした。さすがに今日学校へ来てしまったことが気まずくて元気よく屋敷へ帰る気になれない。

 一番最後に教室を出ると、門の横に、ロベリアが一人立っているのが見えた。

 どうしようかと思案したあげく、おずおずと声をかける。

「ロベリ……」

「あなた、どうしたのよ」

 マリィの言葉を遮って、ロベリアがマリィの瞳を見つめた。

 どうしたなんて、こっちが聞きたいことだ。

「おかしいのはロベリアのほうじゃない」

「だってそれじゃ……!」

 ロベリアが、不満を吐露するように言う。

「朝からそんな湿っぽい顔して学校なんか来て……!あなた、婚約したんじゃなかったの……!?」

 ああ、やっぱり知ってたんだ、という気持ちと、なんで怒っているんだろうという気持ちで呆然としてしまう。どうやらドアをぶつけたことで怒っているわけではないらしい。

「う、うん」

「それなら……!それならもっと嬉しそうにしてよ……!!あんなにずっと、好きだって言ってた人でしょう!?」

「なぁっ……!言ってない!」

 あまりのことにビックリする。友達にだってそんなこと言ったことがない。

「顔が言ってるのよ」

 ロベリアの声に呆れた気持ちが見え隠れした。昨日のエルリックといい、感情が顔に出過ぎなのだろうか。

「それが……どうしたの」

「そんな顔してたら……あたしが……、お、お、おめで……」

 声はどんどん小さくなるし、ロベリアの顔はどんどん赤く染まっていく。

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