チュートリアル無しって本当ですか、神様
チュートリアルの章は主人公が世界を生きるための最低限を知る章の為、独白で進みます。
あと、一つ二つでチュートリアルの章は終わるためもう少しお付き合いください!
一先ず、なによりも現状の把握が急務なことは間違いないだろう。
なんせ手足が無いどころか、頭なのか体なのかさえ判別出来ない言葉通りのまん丸体型のスライムになったのだから・・・・ん?
どうして私は自身の体型と種族を当たり前のように把握出来ているんだ?
【スライム】と言えば大抵が丸い体型を創造するのだろうが、実際は作品によって様々な形があるのに、なぜ私は見てもいない自分自身の形と知りもしない種族を当てられ・・当たっていると思ってるんだ?
あたかも産まれてから17年間、ずっとこの姿であったかのような自信が私の中にスッと?ポッと?まぁ、言い方はとにかくとして湧いて出てきた感覚に違和感を感じていながら、違和感と認識していない矛盾・・
なんともモヤモヤした、とても気分が良いとは言えない気持ちになる・・
まるで人として生きていた17年の方が夢幻だったんだと前振りも、フラグも無く突き付けられ・・いや、押し付けられたようで実に腹立たしい ・・
此処で【天の声】やら、なんやらが一言『感覚の誤差と認識の違いを修正致しました』的な事を告げてくれたなら納得は出来なくとも、受け入れられはした・・が、それすら無いときた。
しかし、愚痴を言っていてもしょうがないのが現状なのは足掻いた所で変わらないのは事実だ。
こうなる前に【転生もの】に抵抗を無くしていて本当に良かった。
友人には感謝しなければな・・
いまだ混乱は治まらないが、【転生もの】を知っていただけに、ある程度正常で居られる。
2度目になるが、本当に友人に感謝だ。
自身が置かれている状況を嫌々、強引に、やむなくなっとくした私がすべき事は知ることだ。
優先度的には現状、環境、モンスターの順で把握していくのがベストだろう・・
ただのファンタジーではなく、そこに少しでもゲーム的要素があるならばステータスは確認出来るはずだ。
ステータス確認!
ん?
まさか、ゲーム要素が無いなんて事はないよな?
も、もう一度!
ステータス確認!!
は?
糞だろ・・クソすぎるだろ・・コマンドの1つも出ないって、どういうことだ?
これじゃ開始早々詰みゲーも良いとこじゃないか・・
望んでも居ない人間勝手に異世界に連れてきて、数ある転生候補から冒険者にとって冒険のスタート地点とも呼べる、数多の作品のスライム達には申し訳ないが世界観的に最弱のモンスターに転生させといて何のヒントも取っ掛かりも無しって中々どうして・・ゲームならクソゲー通り越して屑ゲーも真っ青な屑っぷりである。
【ステータス】じゃなくても【調べる】とか【アイテム】とか、なんだったら【ヘルプ】でも良いからコマンド的な何か位出せと言いたくなる気持ちを分かって欲しい。
《コマンド》が選択されました
・ステータス
・アイテム
・ヘルプ
なんか出た・・
RPGのようにコマンド画面が目の前にと言うわけではなく、自身の頭の中?的な部分に突然現れた。
しかも、選択肢の【ステータス】や【アイテム】は分かるが【ヘルプ】ってなんだ?
ますますゲームチックじゃないか・・
何はともあれコマンドは出た。
まずはステータスの確認から始めるとしよう。
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ステータス
種:スライム《?》
LV:1
H:15
M:10
攻:5
守:3
質:4
ランク:《?》
スキル:現在使えるスキルはありません
図鑑説明
魔力を帯びた水が集まった球体状のモンスター
跳ねて移動する姿が愛らしいと人気
適応力が高く、住む場所に応じて特性が変わる
現在追加はありません。
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ふむ・・【質】やランクと属性脇の【?】という新たな謎が浮かびはしたが、思ったより【ステータス】のコマンドは有能なようだ。
優先度にこそ入れなかったが、私の知りたかった事の大部分を解決してくれた。
まず【属性】と【スキル】があると分かったの大きい。
これらが有るのと無いのでは今後の生活、特に戦闘の際の選択肢が大きく変わってくる。
次に【図鑑説明】だ。
【モンスター説明】ではなく、【図鑑説明】というなんとも言えないネーミングこそが重大なのだ。
【モンスター説明】であったなら、おそらく私のことのみ、謂わばプロフィールで終わってしまうが、【図鑑説明】ということは、今後遭遇するであろうモンスターの情報もなにかしらの手段で確認出来る可能性が大いあると言うわけだ。
ただし、疑問が無いわけではない。
まずこの【図鑑】の存在が現在この世界を生きる者全ての共有物なのか、個々で有るのか・・
共有物であったなら今後のモンスター情報に苦労はしないが情報には価値がなく、個々であったなら情報収集に苦労はすらが一人一人が持つ情報には大きな価値が生まれる・・まぁ、どちらにしてもメリットとデメリットが存在することには違いない。
ただ、私の予想としては【図鑑】の情報は恐らく共有はしてないと思う。
何故なら冒険のスタートとも呼べるモンスターである【スライム】の項目であるにも関わらず、『現在追加はありません』だ・・これは新たな発見があったなら随時追加していくと言う事だろう。
あとは、これで図鑑の見方なんかが分かれば最高なんだが、一先ず【図鑑】については置いておこう。
世界に慣れてない私が、サポートシステムの範囲をいくら考察したところで所詮憶測の域を出ることはないのだから。
ならば次のコマンド、【アイテム】に行こう
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現在、アイテムを持って居ません。
5個の空きスペースがあります。
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どこに収納するつもりかは知らないが、一先ず私は5個アイテムを持てるらしい。
これ以上、見る必要は無さそうだから次にいこう。
さぁ、一番怪しいコマンドの番が来てしまった・・
こうなったら当たって砕けろ、一か八かってやつだろうなぁ・・いざ、【ヘルプ】!!
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ヘルプ
・属性
・階級
・スキル
・アイテム
・ステータス
・進化と転生
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普通にヘルプだ・・
誰もがゲーム内で一度は開くヘルプと変わらない・・のか?
そもそも世界にヘルプって可笑しくないか?
いや、こんなあり得ない事が起こってる時点で可笑しくはないのか?
まぁ、良い・・順番に見ていこう。
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属性
属性の種類
火、水、土、木、風、毒、善、悪、光、闇、混
属性よる相性
全て使用者の技術次第です。
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どこの下手くそが作ったゲームだこれは・・・・
馬鹿みたいに属性の数はあるくせに、属性の相性は無いとか可笑しいだろ・・
もし、仮に説明どおりの世界なら中々凄い世界だ。
冒険のお友達である《焚き火》例にするなら、魔法なりアイテムなりを使用して焚き火を起こすことは簡単だが、消すのには技術がいるということになる。
魔力の量なのか、アイテムの質なのか、はたまた水を掛ける時の角度や適度な量の事なのか、詳しくはやって来たばかりの私には分からないが、それが事実ならなんと面倒くさい世界だろう。
はぁー、次に行こう・・
【階級】を選択っと
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階級
生きとし生ける者全てに与えられた7つの階級
階級名は職業・種族によって異なります。
階級には上級・中級・下級の3つのランクがあり、段階や階級に差があればあるほど力量差も大きくなります。
階級は特定の条件を満たすことで上がります。
ランクは15レベル毎に上がります。
階級が上がる事によってのステータスボーナスはありません。
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階級やランクが有るのはお約束という奴なのだろうが、階級名に統一性がないとは随分曖昧だな・・
なんだかヘルプのくせに謎ばかり増やすヘルプだな・・
感想やアドバイスどしどし募集しています!
アドバイスはこだわりで使っている表現でもない限りは読みやすくなるよう、なるべく採用したいと思いますのでよろしくお願いします!