二話 魔王は王女を助けたようです。
冒険者ギルドに登録した次の日。
ギルドカードを受け取りに冒険者ギルドに向かって歩いていると、
「誰か!助けて‼︎」
という女の人の声が聞こえた。
何事かと思い、声のする方へ行くと男3人組に俺と同じくらいの歳の女の子が拉致されていた。
俺は女の子を助けるために男たちに声をかけた。
「あのー。女の子が困ってるので離してもらっていいですか?」
「なんだとガキ。俺たちはFランク級の冒険者だぞ」
「へぇーあんたら冒険者なのか。それにしては弱そうだな」
「なんだと‼︎糞ガキが!」
と言って男たちは殴りかかってきたのでとりあえず拘束しときました(魔王の覇気使って)あんな危ない人放っておけないしね。
「俺はこれから冒険者ギルドに行く。お前たちのしたことは言っておく」
と男たちに言い残し俺は女の子の手前で立ち止まり…よく見ると金色の髪か。珍しいなとか、可愛いなとか思いながら話しかけた。
「大丈夫?」
「あの。助けていただきありがとうございます」
「いえ、当たり前のことをしただけです」
「貴方はこれから冒険者ギルドに行くんですよね、なら私もついて行っていいですか?」
と聞かれこくりと頷く。
「ありがとうございます。言い遅れましたが私の名前はシャルティナです。どうぞシャルとお呼びください。今回のお礼はいつか必ずします」
「俺の名前はレグリオです。お礼なんていいですよ。それでは冒険者ギルドに行きましょう」
同い年の女の子と話した経験がなかった俺(というか同じくらいの歳の子とは話したことがない)は会話を中断して冒険者ギルドへ向かうことにした。
《サイド》シャルティナ
私の名前はシャルティナ。
シャルティナ・エクセリオン。
エクセリオン王国の第ニ王女である。
私は生まれてから5年間一度も城の外へ出たことがなかった。
だから外へ出ることに憧れを持っていた。
ある日私は冒険者ギルドにある依頼をするためお父様やお母様と一緒に外に来ていた。
初めて外に出たこともありはしゃぎすぎていた。そのため私はお父様たちに馬車で待てと言われていたのに一人で遊びに行ってしまった。
そして一人になっているところを男の人たちに捕まり、連れ去られてしまった。
「結構いい服着てんな嬢ちゃん。ちょっとおじさんたちと遊ばないか?」
私はこの人たちは危ない人だと思い、助けを呼ぶためにありったけの声で叫んだ。
「誰か!助けて‼︎」
すると私と同じくらいの歳の男の子が助けに来てくれた。私はこのままでは男の子が危ないと思ったがその心配は要らなかった。
なぜならその男の子はとても強く男の人たちを倒してくれた。
その男の子はレグリオと名乗り私を助けてくれるだけでなく冒険者ギルドまで一緒に行ってくれることになった。
私はその日初めて同じくらいの男の子に会ったこともあり嬉しかった。
私には友達と呼べる人が一人もいなかった。城の中で育ち5年間一度も外に出たことがなければ友達などできるはずがない。
だからレグリオ様は私の友達になってくれるといいなと期待を膨らませながら男の子について行った。
《サイド》レグリオ
さっき助けたシャルとともに俺は冒険者ギルドに来ていた。
そして冒険者ギルドに着くと俺は驚いた。
なぜなら冒険者ギルドの前には数人の武装した兵士と豪華に装飾された一台の馬車がいたからだ。
何があったのだろうと思っていると一台の馬車の中から王冠を被ったイケメンなおじさんと美人で髪の色がシャルと同じ金色の女性が慌てた様子で出てきて俺たちの前で立ち止まった。
「シャル無事だったのか!心配したぞ」
「シャル!怪我はない?」
と言いシャルに抱きつくイケおじと女性。この人がどんな人物か俺はすぐ知ることになる。
「君がシャルを連れてきてくれたのかね?」
「はい俺がシャルを連れてきました」
「そうか。ではシャルティナの父としてさらにこの国の王として感謝しよう」
「......は? えええええ!」
「貴方はこのエクセリオン王国の王様なんですか⁉︎」
「いかにも私はこの国の王ウルグ・エクセリオンである。そしてこちらが妻のフィルフィ・エクセリオンだ。そういえば君は名をなんという?」
「私の名前はレグリオ・ディバルと申します」
「口調を戻してくれて構わない。レグリオ殿はシャルの命の恩人だ。改めて今回の事感謝する」
「私からもシャルを助けていただきありがとうございます」
「いえ、俺は当たり前のことをしただけですよ。では俺はこれで失礼します」
「ちょっと待ってくれ」
そう言い俺は王様から紙を渡された。
「それは王城への招待状だ。今回のことでお礼をしたい。いつでも来てくれて構わない。レグリオ殿なら歓迎する」
そう言い王様達は帰っていった。
せっかく招待状貰ったし今度行こっかな。
《サイド》シェパード
先程まで俺の部屋にはこの国の王と俺がいた。
理由は王が依頼をしに来たからだ。
そしてその依頼内容に俺は驚いている。
「ギルド長よ第一王女ナタリア・エクセリオンを暗殺して欲しい。そしてこの依頼はギルド長が最も信頼できる人にして欲しい」
「なぜ第一王女を暗殺するのですか?」
「ナタリアはこの国の王位継承戦においてこの場では言いきれないほどの不正をしている。このままナタリアが王位を継承すればこの国は終わりだ」
「なら王位継承権を剥奪すればいいのでは?」
「第一王女は第二王女のシャルティナ・エクセリオンを暗殺しようとしている。シャルが殺されれば王位を継ぐのはナタリアに確定する」
「だから暗殺って訳ですか」
「そうだ。暗殺すればナタリアは王位を継ぐことなくシャルを殺されることもない。一番安全だ。そのために今日はシャルを馬車で待たせている」
「わかりました。その依頼引き受けましょう。この国のために」
「ありがとう。ギルド長」
そうして王は帰っていった。
王女の暗殺か… それならあいつしかいないな。
《サイド》レグリオ
王様達が帰ったあと俺はギルドの中に入りカウンターへ向かう。
「ギルドカードを取りに来たのですが」
「レグリオ様ですね、こちらがギルドカードになります。ギルドカードは身分証にもなるので失くさないでください。失くしてしまうと再発行に銀貨1枚かかりますのでご注意を。またギルドのランクはFから順にF E D C B A Sとなっています。またギルドの依頼をDランクまでは1カ月に5回以上受けなかった場合にはギルドカードは失効となりますのでご注意を」
「ありがとうございます」
と言いギルドカードを受け取る。
1カ月に5回受けないと駄目なのか。気をつけないとな。そう思いながら早速依頼を受けるため依頼の紙が貼られている掲示板に向かった。
「えーとFランクで受けられるのは、
・薬草採取 依頼内容 薬草を採取する薬草100gにつき銅貨10枚
・スモールラビットの討伐 スモールラビットのツノ一本につき銅貨5枚
・ゴブリンの討伐 ゴブリン一体につき銅貨8枚
・スライムの討伐 スライム10体につき銅貨8枚
......こんな感じか」
そう言い俺は薬草採取の依頼を受けることにしてカウンターへ向かった。
そして薬草を200g採取して換金した。
今日は王女を助けたことで(魔王の覇気使ったから)疲れたので休む事にした。




