93. スズキノヤマ帝国 ガリカ(6)
暖かい朝日が窓の隙間から顔に当たっている。ローズが目を開けると、ガレーは隣にいて、回復魔法をかけている。黒猫のリンカはローズの隣でグルーミング中だ。
「おはようございます、ローズ様」
「おはよう、ガレー。おはよう、リンカ」
ローズが挨拶した。
「おはよう、気分はどう?」
「うーん、頭が重い。でもおなかが空いた」
「まだ熱が高いです。昨日と比べたら下がりましたが・・」
ローズが答えると、リンカが彼女を見ている。
「今日もゆっくりと休んだ方が良い」
リンカとガレーが昨日からずっと看病してくれている。
ぐ~~~~~~~~~~
「ははは、見事な音ですな、ローズ様」
「うむ。恥ずかしい」
「いやいや、それは元気に向かう証しですよ。少しお待ち下さいね、厨房に朝餉の準備を頼んで参りますので」
「うん。お願いします」
ガレーが微笑んで、退室した。外で人の会話が聞こえていて、そしてしばらく静かになった。
「エフェルガン達は?」
「もう町長の所に出かけたよ」
「私がそんなに寝坊したの?」
「病人だからゆっくりと休まないといけないから、起こさなかった。エフェルガン達もずっと静かにしてくれたよ」
「そうなんだ。せっかくの温泉なのにもっと楽しんでいれば良いのに」
「大丈夫よ。皆温泉に入ったよ。だってこの宿のすべての風呂場は温泉だから」
「あはは、そうだね」
「ローズも元気になったらまた一緒に入ろう」
「うん」
「まだしばらくこの町に滞在することになると思う。事件の調査と裁判があるからだ」
「そうか」
「エフェルガンは領主と宮殿に警備隊と暗部の応援要請を送ったと昨日ケルゼックに言われた」
「そうなんだ」
ローズがリンカを見ている。なんだか、エフェルガンたちがとても大変そうだ、と彼女が思った。
「この事件は謀反の可能性があるとにらんだらしい」
「大変だ」
「偽ローズについてまだ調査中だけどね」
「うん。偽ローズと言っても、私と全然似てないよ」
「そうね。ローズの方がかわいいよ」
リンカは猫の冷たい鼻でキスした。本当にかわいい黒猫だ。
「お待たせしました」
ガレーが宿の人たちと一緒に寝室に入った。数々の料理を持ってきた。
「良い匂いがする」
「はい、まず美味しい薬膳スープからにしましょう」
「うん。頂きます」
ガレーはローズを起こして、まくらで支えながらスープが入っている茶碗を持って、スプーンで少しずつ口に入れた。とても暖かくて美味しい、とローズが思った。スープを全部飲み終わって、今度はお粥を食べさせた。お粥もやはり薬膳のスープと似た香りがするけれど、卵や茹でた肉も入って、とても美味しい。ローズはガレーが用意したお粥をすべて食べ尽くした。
「食欲があって良かった」
「うん。とても美味しかった」
「もっと食べたいと顔に描いてあるようですが、少し我慢しましょう。昼餉にまた美味しい料理を作らせるから、楽しみにして下さいね」
「うん」
「薬を飲みましょう」
ガレーが薬を差しだした。苦かった、とローズが舌を出していると、それを見たガレーが笑いながら、小さな茶碗を取り、ふたをあけた。
「はい、甘い物ですよ」
「わーい」
ハチミツがかかっているプリンみたいなデザートだ。とても優しい味がして、甘くて、薬で苦くなった口の中を口直しにした、とローズは思った。
「これらの料理はガレーが提案したの?」
「はい」
「すごく美味しかった」
「良かったです」
「医療師はこれらの料理も勉強するの?」
「ある程度、勉強するんですよ。やはり美味しい食事で体を癒やした方が患者にとっても良いことです」
「すごいな。私も勉強したい」
ローズがガレーを見ている。
「お元気になれば、少しお教えしますよ」
「うん」
「では、もう少しゆっくりと休みましょう」
ローズはうなずいた。と、部屋の中にあるものに気づいた。それは数多くの花束だ。花瓶に飾られている花々が多く、普通の草花にも、リボンがきれいに束ねられたものもあった。
「その花々は?」
「町の人々からの贈り物ですよ。早く元気になるようにと、助けて下さったことの御礼の花束です。手紙もたくさんありますよ」
「うわー」
「果物は隣の部屋に置いておきます。元気になったら少しずつ食べましょう」
「はい」
「金品の贈り物ですが、殿下の命令により禁止されました」
ガレーが微笑みながら言うと、ローズが笑った。
「あはは、エフェルガンらしい。でも助かった。金品の贈り物をもらっても困る」
「さよう。ですが、焼き菓子の贈り物は歓迎されましたよ・・ははは」
「あらら」
「あとで皆で食べようと殿下が言いましたよ」
「うん。私も食べたい。早く元気にならないといけないな」
「はい。では、昼餉の時間にまた来ますね」
「ありがとう、ガレー」
ガレーは頭を下げて、退室した。とても優しいガレーは医療師であって、暗部隊員でもあるのだ。彼の暗部の顔は知らないが、ローズに見せたガレーの顔はとても優しい顔ばかりだ。
食べたばかりので、すぐに横になってはいけないけれど、しばらくリンカと一緒に過ごす。薬が効いてしまうと眠くなるので、眠くなる前に町の人々からもらった手紙を読み始めた。皆が心を込めて書いてくれたんだ、とローズが感動しながらそれらの手紙を読んだ。とても暖かい気持ちになった、と彼女は思った。
一つの手紙を読んで思わず涙がが流れてしまった。ある母親からの手紙だった。息子は魔石にされて死んでしまったと書かれていた。助けることができなかったあの若い男性だったんだ、とローズは思い出した。魔石から出した時に、もう彼の意識がなかった。多分無理に魔力を引き出されて、体が耐えられなかったのでしょう。回復魔法をかけていても反応がなかった。ガレーに死亡確認をされて、家に帰すために町の人々に運んでもらった。母親はガリカの町はずれにある村に住んでいるため、無事だった。その男性の母親は、息子が家に帰ってきたことで家族に見守られて葬儀ができたことに感謝したと丁寧に書いた。とても悲しいことだ。子どもを失った母親の悲しみが計り知れないことだ。泣いてしまったローズを見ると、リンカがごろごろしながら体を寄せている。猫らしいの慰め方だ。
数枚の手紙を読み終わって、眠くなってきた。薬が効いているんだ。まだ一束の手紙があるが、もう目を開けるのもきつくなってしまって、ローズはおとなしく寝ることにした。どのぐらい寝ていたか分からないけれど、起きていたら、もう夕餉の時間となった。お昼の一食分が食べられず、損した気分だ、とローズが思った。
「今朝よりもかなり熱が下がりましたよ」
ガレーが熱を確認してくれた。普通の食事はできるけれど、油が多い食べ物がまだダメだと言われた。そして夕餉の前に、リンカに温泉の湯で濡らしたタオルで体を拭いてもらった。とても気分が良くて、すっきりした。服を着替えて、夕餉が用意されたリビングに足を運んだ。
まだふらふらしているが、なんとか自力で歩けるようになった。リビングに行くと、ローズは数々の果物や焼き菓子の箱が並んでいることに気づいた。それらはローズとエフェルガンへの贈り物だそうだ。エファインに果物を食べても良いと言ったら、すごく嬉しそうだった。早く食べないと悪くなるから、エファインに手伝ってもらった方が良い、とローズは思った。ちなみにハインズは元気を取り戻したようだ。食欲も普段通りに戻ったとガレーに言われた。
数々の料理が運ばれてきた。ガレーは料理のチェックをして、食べて良いものを選んでくれた。食べ合わせによって、薬の効果が発揮できないこともあるという。もちろんローズのための薬膳スープもある。このスープは最初に食べなければいけないとガレーに言われた。ゆっくりとスープを飲んでから他の料理に手を伸ばす。エファインとハインズも相変わらずの料理の奪い合っている。リンカは呆れた顔で彼らを見ている。
ガレーはローズの食事を確認しながら、隣で静かに食事をしている。やはりこうやって仲間と一緒に食事すると楽しい。エフェルガン達もきっと今どこかで食事をしているのでしょう。彼は昨日から遅くまで町長の執務室で忙しく仕事をやっている。
美味しい夕餉を食べて、また薬を飲んだ。やはり苦いだ。でも苦い薬のあと、甘い焼き菓子を食べても良いと言われた。一つの箱をあけると、この地方の焼き菓子だそうで、たくさんの木の実が入っている。ハチミツで甘みを付けて、とても美味しい。アルハトロスの焼き菓子とは違う感じの焼き菓子だけれど、このような木の実の使い方があるんだと初めて知った。リンカも味わいながら食べている。味の分析もしているのでしょう。
ガレーの薬による眠気が出てくる前に、ローズは少しハインズとエファインと会話した。ハインズに気遣いながら、具合を尋ねたら、笑いながら元気だと答えてくれた。ローズは安堵した様子で、安心したと言った。もう大丈夫だね。良かった、と。
ローズがエファインにミミズクフクロウの民族の歌のことを聞くと、エファインは快く教えてくれた。覚えやすい簡単な歌を教えてもらって、その場にいる皆で歌ってみた。楽器があればもっとすてきな歌になるだろうとローズは思ったけれど、こうやって数人で歌うと意外とすてきなメロディーになる。面白い、とローズは微笑みながら思った。
しかし、ローズはアルハトロスの歌が分からない。一度も歌の勉強もしたことがないからだ。歌を歌ったことすらなかった。リンカに教えてもらって、少し歌えるようになった。自国のことが知らなさすぎる自分が情けないとローズは思った。今度もっと勉強をしなければいけないと自覚した。
ローズは目蓋が重くなり始めた、と感じた。どうやら、ガレーの薬が効いたようで、ハインズとエファインにお休みの挨拶をしてから、ガレーとリンカと一緒に寝室に入った。また脈と熱をチェックされて、回復魔法をかけられた。そしていつの間に彼女は眠った。
夜中にやはりエフェルガンの気配で起きた。エフェルガンは帰りが遅くても必ずローズの部屋を訪れて、具合を確認している。彼の手がローズの頭や首を触った時に目が覚めた。
「また起こしてしまったか」
「お帰りなさい」
「ただいま。熱が下がったとガレーに聞いた。良かった」
「うん。皆のおかげです。ありがとう」
「明日はもう元気になりそうだ。良かった」
「うん」
「まだしばらく忙しく、ローズと遠くへ遊びに行けないが、許せ」
「ううん。大丈夫。明日は少し勉強して課題を終わらせる。また町の人々からの手紙の返事を書こうかな」
「手紙は数が多いから、あまり無理をしなくても良い」
「うん。でも住所が分かる人に返事を書きたい」
「そうか。明日紙と封筒を用意させるよ」
「ありがとう」
「そうだ。町長にフクロウのぬいぐるみのことを話したら、夫人が作ってくれたんだ。ローズに贈り物だと預かっている」
エフェルガンは持ってきた箱をローズに渡した。開けるととてもかわいいミミズクフクロウのぬいぐるみが入っている。町長夫人の手作りのぬいぐるみだが、とても上手にできていて、かわいい。ふわふわな布でできている。小さなぬいぐるみだが、抱き心地が良い。
「かわいい」
「気に入ったか?」
「うん。とても。ありがとう」
「良かった」
「御礼を言わないといけない」
「僕が言った。夫人はこれだけで良いのか、と何度も尋ねられた。彼女はローズに魔石から助けられた一人だったそうだ」
「へぇ、そうだった?」
ローズはぬいぐるみを抱きながらエフェルガンを見ている。
「命の恩人にもっと良い物を贈りたいと言われたが、僕はローズが豪華な物よりもこのような手作りのぬいぐるみが好きだ、と答えたらびっくりされたんだ」
「あはは、やはり私って普通じゃなかったのね」
「いや、それこそローズの特徴だ。あの偽者とは大違いだ。調べれば調べるほど、早くあの者の首を刎ねたい。獣以下のくずだ」
「結局その人の目的はなんだったの?」
「富と名声が欲しかったらしい・・ゴロエと組んで、信者を集めていた。色々とうまくいかなかったから、各地に幻術で龍神の娘として金品を集めて、転々活動する場所を変えたらしい。そして数ヶ月間からガリカでメギケルと出会って、魔石と交換することでメギケルが協力するとゴロエが自白した」
「ふむふむ」
「町一つ襲って、気に入った人たちをあの首飾りで縛り、残りの者を魔石にすれば、より強力な魔法ができるという。当然あの首飾りは安くなかった。かなりお金を使ったらしい。首飾りで縛られている人たちは命の惜しさに下手なことをしないだろうという計算だ。身の回りの世話と奴隷として使えるし、また元々彼らの信者のための慰め相手として使える。ちなみに子ども達を生かす理由は単純に働かされていた人々の子ども達であって、人質だった」
「悪質だね」
ローズがそう言って、ため息ついた。
「そうだね。偽ローズは若い男性が好み、ゴロエは若い女性が好み、あの二人は気に入った人々を身のまわりに置いた。そしてからっぽになった町に移動しようとした矢先に僕らが現れたわけだ」
「ひどいね」
「首飾り分のお金を町から奪い取り戻そうとしていた」
「なんていう人たちだ。よりによって、私の名前でやっていただなんて」
「だな。そうだ、その女の本当の名前はプリナだ」
「そうか。そう言えばメギケルはどうなった?」
「今探索中だ。もう全国の指名手配に回した。要注意人物として生きて捕らえようと命じた。ちなみに無理ならその場で殺しても良いと書き加えた。賞金も用意した」
「うわー」
エフェルガンが大胆だ、と彼女が思った。
「このような事件はまた起きてしまったら大変だからな」
「うん。もう十分です。息子を失った母親から手紙がきたのよ。読んで、悲しかった」
「その手紙を見せて」
「うん」
ローズは起きあがって、近くに置いた手紙の束からその母親からの手紙を出して、エフェルガンに渡した。彼はその手紙を静かに読んでいる。
「本当にひどい話だったな」
「うん」
「彼女のような人のためにも僕がしっかりしないといけない。ローズのためにもね・・。これを読んで、泣いてしまったんだろう」
「うん。なんで分かった?」
「紙に・・涙のあとが多かった。水滴がぽたぽたと落ちて乾いた後だ。普通はこのようなぐちゃぐちゃ状態の紙で手紙を送らないはずだ。なぜなら身分の高いローズ宛にそのような手紙を送ったら無礼に当たるからだ」
「そうなんだ。私はまだ無礼の範囲が分からないんだ。別にこのようなぐちゃぐちゃな紙でも構わないけど」
「気持ちの問題だ。だってローズも僕にきれいな紙で手紙を書いてくれただろう?書き損じてがあった時に、きれいな紙で書き直したんだろう?」
「そうか」
ローズがうなずいた。確かに、と彼女が思った。
「だろう?で、手紙を送る相手は自分よりも身分が高い人となると、なおさらだ。だから僕が分かった。これはローズの涙だった」
エフェルガンはローズを抱きしめた。
「スズキノヤマの民のために、涙を流してくれたんだね。ありがとう」
「ううん。私の偽者が出たから、彼女の息子が巻き込まれてしまった・・」
「自分さえいなければ、と・・考えてはいけない」
「・・・」
「考えていたんだろう?」
「・・うん」
「例えローズがいなくても、あのくずどもが別の人になりすまし、悪事をするだろう」
「・・・」
「だからローズが悪くないんだ。自分を責めないでくれ」
「うん」
「もっと自分を大切にして、もっと好きにならないといけない」
「でも・・辛い」
「分かる」
「偽者がまたどこかでいるかもしれない」
「一つずつ潰すしかない」
「また犠牲者が出る」
「それは仕方がないことだ。だから僕が皇帝陛下宛に手紙を出したんだ。すべての領主に偽龍神の娘の情報を調べるようにとお願いした」
エフェルガンがローズを見つめている。
「そうか」
「皇帝陛下の命令ならば、取り締まりが全国的に行うことができるんだ」
「うん」
「それに、あまりローズを泣かせてしまうと・・ロッコ殿が何をするか想像するだけでも恐ろしい」
「うむ」
それが正しいかもしれない。ロッコがかなり警戒されているようだ。あの一瞬の一撃で化け物を退治したことで、彼が化け物以上の警戒レベルになった。
「だから、安心して。これからこのような怪しい宗教団体や偽龍神姫など、もうこの国では居場所がないと考えても良い」
「でも個人の自由もちゃんと保護しないといけない。どの神様に祭りたいのがその人の自由だよ」
「無論。陛下も必ずそれを考慮して下さる。今回の場合、死人が出たから二度と起きないように対策や法律の整備もしなければいけない」
「そうなんだ。大変だ」
ローズがいうと、エフェルガンが微笑んだ。
「そうだな。でもそれはローズの仕事ではないから安心してね。ローズはこの国で幸せに暮らせれば良い」
「あなたの苦労を私に分けて下さい」
「もう分けているんだ。僕の代わりにたくさん泣いてくれただろう?」
「・・ん?」
「僕は泣きたくても、泣けない立場なんだ。ちゃんと冷静に判断しなければいけない、中立の立場で物事を見なければいけない。時には、これがとても辛く感じる」
「そうか」
「僕の心の痛みが分かってくれたのが数少ない従者とローズだけだが、それだけでも十分だ」
エフェルガンがローズの手をにぎった。
「エフェルガン・・」
「この立場だから、僕の死を望んでいる者の方が多いんだ」
「私はあなたの無事を望んでいる」
「ありがとう。僕もローズの無事を望んでいる。お互い命が狙われている者同士だからな」
「うむ」
「そうだ。亡くなった人たちの名前と住所が分かっているから明日見せるよ。彼ら宛にお悔やみの手紙と花束を送れば良いと思う。僕も名前を書くから明日一緒に書こう」
「うん。仕事は?」
「明日は報告待ちだけだから、午後に町長の執務室に行くだけだ。裁判は明後日となる」
「そうか」
「明日、ローズとゆっくりと過ごしたい。だから今日はもう休め。また熱が上がってしまったら大変だから」
エフェルガンがローズの手を自分の顔に付けた。
「あの・・」
「何?」
「今度、歌を教えて下さい」
「喜んで」
「ありがとう」
エフェルガンはまた強くローズを抱いてくれた。そして優しく口づけをしてくれた。
「あなたたち、いつまで抱き合っているつもり?」
機嫌悪そうなリンカの声が聞こえている。外でくすくすとオレファ達の笑い声が聞こえている。
「今出るよ」
「早く出なさい」
リンカがエフェルガンを追い出した。
「お休みなさい、エフェルガン」
「お休み、ローズ」
扉を閉めた音がして、ローズはおとなしく毛布の下に潜る。明日彼と楽しく過ごすために、早く元気にならないといけないんだ。そして今日もまた一つ彼のことが分かった気がした。かわいいフクロウのぬいぐるみを抱いて、目を閉じて、眠ることにした。