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人形姫ローズ  作者: ブリガンティア
スズキノヤマ編

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191/811

191. トルバタ王国 陰謀(1)

ライラ姫の侍女が死んだ。しかもローズの衣服と装身具を身に付けたままの姿で発見された。


ローズが耳を疑ったけれど、エフェルガンはこのことについてかなり不快に思っている。その不機嫌な顔をしながら、エフェルガンは顔を洗って、すぐに着替えた。


「ローズ、念のため、着替えてくれ。その侍女が身に付けた衣服はローズの物かどうか確認する必要があると思う」

「はい」


ローズも顔を洗って着替えた。本当はまだ眠たいけど、自分の衣服が殺人現場にある時点で一大事だ。


エフェルガンはケルゼックとオレファとともに現場に向かった。リンカは部屋に入ってローズの身支度を手伝った。緊急なことでもちゃんとした身支度をしないといけないのは貴族の掟だ。ローズは、そのことを面倒だ、と思った。着替え終えて、外に出て行くと、外でハインズとエファインが待機している。ガレーはもうすでにエフェルガンと一緒に出かけた。


「アッシュ、おいで」


ローズは部屋の前にいるアッシュを呼んで、抱きしめた。兵士や警備隊はもうすでに外で集まって、ローズたちと一緒に現場へ向かった。





「ローズ、この布は見覚えがあるか?」


エフェルガンは横たわったライラ姫の侍女を示した。首に布がある。どうやら後ろから首を絞められたようだ。


「はい、これか里の母上が送ってくれた絹の肩掛け布で、・・ここに百合姉上が刺繍を入れた所もある。間違いなく私の布です」

「この髪飾りは?」

「はい、これも私の髪飾りです。以前あなたがくれた髪飾りの一つです」

「だな・・僕も見覚えがある。ただ確信が欲しかった」


エフェルガンはうなずいた。


「なんで私の物をこの侍女が持っていたの?」

「それはこれからの調査で分かる」

「アッシュで犯人捜しはダメなの?」

「そうさせたいのが山々だが、ここはトルバタだ。彼らはこの調査を仕切っている」

「うむ」


ローズはアッシュを抱きしめた。悔しい、と彼女は思った。せっかく良い気分でトルバタに来たのに、まさか初日でこんな問題に見舞われるとは・・。


「ローズは宿舎(しゅくしゃ)へ戻ってくれ。貨物輸送隊長モカベも宿舎へ。聞きたいことがある」


エフェルガンが命じた。ローズ達はそれに従い、宿舎へ戻った。ローズが宿舎へ戻ると、宿舎はすでに物々しい雰囲気になった。兵士らは至る所にいて、落ち着かなかった。しばらくして、エフェルガンは戻ってきた。彼はとても不機嫌な顔をしている。ともに来たのがトルバタの警備隊長、この事件を担当者だ。


「薔薇皇太子妃殿下、確認したいことがあります。任務なので、敬語を使いません。どうぞご了承下さい」

「はい。どうぞ」


エフェルガンはローズの隣に座り、目の前にいる警備隊長を見つめている。


「昨日の夕餉のあと、どこで、何をしていたか教えて下さい」

「昨日の夜、夕餉のあと、宿舎へ戻り、中庭で少し休んでから、部屋に戻り寝ました」

「その時、誰と一緒にいたのか?」

「宿舎へ戻る途中はエフェルガン殿下と護衛官の四人と一緒にいた。中庭だと護衛官二人と一緒にいた。部屋に戻って寝たときはエフェルガン殿下と一緒にいた」

「その時は誰かに侍女を殺しに命じなかったのか?」

「ん?どういうこと?」

「質問通り、侍女を殺す命令をしなかったのか?」

「しないよ。なんでわざわざ他人の侍女を殺さなければいけないんだ?」

「嫉妬という理由だと聞いたが」

「誰に?」

「ライラ姫は妃殿下が自分の侍女を殺したと訴えた」

「私はなんで嫉妬しなければならないんだ?理解できない」

「殺害に使われたのはあなたの衣服の一部だから、犯人はあなたのまわりの人だと思われる」

「そんなことはない!私の回りの人々はとても誠実で、むやみに人を殺したりはしない」


ローズは反論すると、警備隊長が顔色を変えずに記録を取っている。


「警備隊長殿、我が妃は人殺しを命じなかった。そしてここにいるスズキノヤマの者全員、この問題に関わる者がいないと保証する」


エフェルガンは鋭い視線で話した。


「お言葉ですが、殿下、犯人はお妃殿下の衣服を使って人殺しをした。ではなぜここにあるはずのものが殺人現場のところにある?」

「それもこちらだって知りたい」


エフェルガンは不機嫌な顔で警備隊長を見つめながら言った。


「モカベ、ローズの衣服が入った箱はなぜ盗まれた?」


エフェルガンは荷物輸送の警備隊長モカベに聞いた。このモカベは昔アルハトロスにも行った。とても誠実な人で信用できるとエフェルガンが言ったことがある。


「昨日の午後、殿下方が夕餉のために衣服を整えるために貨物保管場所から箱2つ取り出しました。殿下の衣服が入っている箱とローズ様の衣服が入っている箱を一つずつ運んで部屋へ持ってきました。夕餉の身支度が終わって、殿下とローズ様は出かけたあと、我々はその箱を再び保管場所へ運び戻しました。その時兵士四人と私がちゃんとその部屋の中に入り、きちんと置いて、扉を閉めて鍵をかけました。鍵は私が持っています」


モカベがはっきりと答えた。


「鍵をかけたなら、なぜ盗まれた?」

「分かりません。我々が昨夜見回って確認したら、扉の鍵が開いていました。中を確認したらローズ様の衣服が入っている箱がなくなったことに気づきました」

「鍵を提供したのは誰だ?」

「この宿舎の支配人、エンドレッサという者です」

「そのエンドレッサは他の鍵を持っているのか?」

「恐らく持っているのでしょう。普通は支配人は複数の鍵を持っているのですが、ここはトルバタなので、我々の常識と同じかどうか、分かりません」


モカベはエフェルガンにはっきりと答えた。


「だそうだ、警備隊長殿。その支配人エンドレッサと面会要求する」


エフェルガンがいうと、警備隊長が首を横に振った。


「その要求を叶えることができません。エンドレッサは先ほど遺体で見つかった。毒を飲んで自害した。近くに遺書があるから間違いなく自害だと思われる」

「なぜ自害した?」

「調査中のため、申し上げられません」


エフェルガンはますます不機嫌になった。国賓である彼らに、このような扱いにとても不愉快だ。


「モカベ、その鍵はおまえがずっと持っているのか?」

「はい、当然です。お風呂も、寝ても、肌に離さず、持っています」

「分かった」


エフェルガンは考え込んでいる。この事件は明らかにローズを狙っているのだ。


「あとでライラ姫と面会をしたいが、可能か?」


エフェルガンが言うと警備隊長が首を振った。


「申し訳ありません、今のところ私からは何も申し上げられません。しかし、こちらから上の方に殿下のご要望をお伝えします」

「ああ、そうしてくれ」

「とても言いにくいが、お妃殿下について、調査のため、しばらくここから出ないようにお願いします」

「我々はこれからトルバタの首都へ向かう予定だぞ?」

「ですが、死人が出た以上、調査をしなければなりません。法律なんですが、ご了承下さい」

「いつまで調査をするのか?」

「分かりません。早く解決できるように努力します」


エフェルガンの顔に曇り空が見える。ローズも頭が痛くなった。なんで・・と何度も思っても、答えが出ない。


しばらくしてから、警備隊長が退室した。大使トリモと護衛官達が部屋に入り、状況を確認した。エフェルガンは状況を簡単にまとめて彼らに伝えた。


「ローズ様がわざわざとご自分の衣服を使わせて、その侍女を殺害することを命じたなど、そのようなばかげたことを誰か納得するものですか」


ハインズが吐き捨てたかのような言い方で言うと、エフェルガンはうなずいた。


「これは重大な外交問題だ。一国の要人に対する侮辱と見なされてもおかしくありません」


大使トリモがまじめな顔で言った。全員がうなずいた。


「だが、あの姫はローズが犯人だと言ってる。その理由は嫉妬だ、と・・」


エフェルガンが言うと、全員は耳を疑ったような様子だった。


「何に対する嫉妬ですか?ローズ様はあの姫に何一つも不満などがありません」


ハインズはまた不機嫌の様子で言った。


「おまえの言う通りだ、ハインズ。僕も不思議で理解できない」


エフェルガンはハインズを見ながら言った。


「多分姫は、ローズ様のことを草花精霊種族と言ったことでローズ様が怒って、報復したのではないか、と思っておられるのでしょう」


ケルゼックは言葉を選んで、ゆっくりと意見を述べた。エフェルガンはうなずいた。


「僕もそう思う」

「ですが、ローズ様は草花種族ではありませんし、怒ってもしませんでした」

「だな。これは明らかにローズの評判を落とそうとした意図がある」

「しかし、何のために?」

「それが分かればこんなに悩まない」

「そうですね・・」


エフェルガンはハティが持ってきたハーブ茶を飲んで、ため息づいた。ガレーは部屋に入り、ローズにもお茶を持って差し出した。


「自害したエンドレッサは毒を飲んだとされたが、私が見たところで毒を飲んだのではなく、飲まされたのです」


ガレーは小さな声でエフェルガンに言った。


「本当か?」

「はい。不自然な点が多く、遺体を確認したところで被害者の体の何カ所か指で押さえられた跡がありました」

「良く見つけてくれたな。それでトルバタ側はなんという?」

「何も・・。そもそもその遺体をなかなか見せてくれませんでしたから、見はりの兵士にお金を渡して、扉を開けて中へ入れてもらいました」

「ふむ。トルバタはローズに何の恨みを持つのか思いつかない」


エフェルガンとガレーの会話を聞いた大使トリモは考え込んだ。


「しかし、明日か明後日に首都へ出発しないと三日後の会談に間に合いませんね」

「だな。ここから首都までほぼ一日かかるからだ」


エフェルガンが考え込んだ。


「こちらからライラ姫との面会をお願いしても、あちらの返答次第だ」

「ライラ姫は侍女が殺されたことに大変怒っていらっしゃったようです」

「それは分かるが、犯人はローズではないぞ?」

「分かっておりますが・・」

「ローズの衣服の箱がどこにあるか見つかれば良いが・・」


大使トリモの言葉を聞いたエフェルガンはローズを見つめている。ローズの足下で座っているアッシュを見つめる。


「アッシュ・・」


エフェルガンはアッシュをみて、何かを思いついた。


「そうだ、アッシュ。ローズの衣服の箱を見つけることができるかもしれない」

「どうやって?」


ローズが聞くと、エフェルガンは立ち上がって、寝室に入った。しばらくしたら彼はローズの装身具が入った箱を持ってきた。


「アッシュ。この箱、この箱と同じ匂いの箱を探してくれ」


アッシュはくんくんとにおいを嗅いだ。


「できるか?」

「ワン!」

「良い子だ。さぁ、探してくれ。ローズはこの部屋にいてくれ。僕たちがアッシュと一緒に探しに行く」


エフェルガンはケルゼックとオレファを連れてアッシュの後ろを付いて行った。どこへも行けないローズは、ハインズ達とともにおとなしく待っている。


「困ったな」


ローズが言うと、ハインズはうなずいた。


「まったくだ。不愉快極まりない」

「ハインズ殿、言葉を慎んで下され・・お妃殿下の前ですぞ?」


ガレーがハインズを注意した。


「申し訳ありませんでした」

「分かれば宜しい」


ガレーは厳しい。そして今、ローズ達の前に、大使トリモがいるからだ。


「大丈夫ですよ、ガレー。ハインズは私の気持ちを代弁してくれたの」

「ですが・・」

「私もとても気分が良くない。眠いのに、こんな問題に巻き込まれて、やったこともないことを言われ放題だ。本当に、不愉快極まりないことです」

「お気持ちは分かるが・・」

「ガレー、私と喧嘩したい奴はこの国にいると思う?」

「愚かな者なら居るでしょう」

「あの姫に・・私が怒って復讐したいなら、侍女や支配人の命など必要ありません。この国を祟り、滅びを与えれば、済むことです」


何気なく言ったら、ガレーは苦笑いした。逆に大使はぎょっとした顔になった。


「ローズ様、そう簡単に祟らないで下さい。殿下がまた悲しんでしまいます」

「だって腹が立つもの・・」

「困りましたね」


ローズはハーブティーを飲み干した。


「大使、外交で話し合いはできないのですか?」

「と言いますと?」

「私は直接ライラ姫と会って話し合いたい。外交官の交渉権限で姫の回りの者と交渉して下さい。無理なら首都へ行って、トルバタ国王陛下と相談しなさい」

「殿下はこのことについて許可をなさいますか?」

「知りません。心配なら殿下のもとへ行き、確かめて下さい。多分まだそこら辺にいると思うわ」

「分かりました」

「そうだ、大使・・さっき私が口にした祟りや滅ぼすのことは外交の切り札として使っても良い」

「・・・それは脅迫になりますが・・」

「構いません。不愉快です。私の大切な衣服を人殺しの道具に使った時点で気に入らない」

「はい」

「私はねぇ、草花種族のちびや、変な顔や、疫病神等々とひどい言われをされても、まだ耐えられるんですよ。ですが、私を貶めるために、大切な人から頂いた物をそのように使われてしまうと、とても悲しくて、気分が悪い」

「はい」

「私が悲しんでしまうと、この世界の神々が反応してしまうんです。この国はどんな神をあがめているか知りませんけれど、この世界の龍は私の心に反応してしまう」

「龍が・・」

「あのアッシュという狼・・あなたは気づいたかどうか、海龍の紋章を持っている。あれは海龍様の配下だ」

「海龍様・・」

「そしてもう分かってると思うけど、私の兄上・・あの体が大きな人で・・」

「はい、存じております」

「彼は純粋な鬼神です。妹がこんな扱いをされて怒ると、どうなるか想像したくない。多分、今もすごく怒っていると思うけど・・」

「・・・」


大使が汗を出して、うなずいた。


「だから、話がややこしくなる前に、あなたが得意としている外交で、ことをうまく解決して下さい」

「分かりました。早速殿下を探して、話をして参ります」

「頼んだよ」


大使トリモは頭をさげて、退室した。


「そんなことを言っても大丈夫ですか?」


ガレーはまたハーブティーをカップに煎れた。


「本当のことだもの。嘘を言わないし、どう思われても構わないわ」

「あのアッシュという狼もですか?」

「うん。あれは本当に海龍がくれた犬です。もとは巨大狼だよ」

「なんと・・」


ガレーが驚いてしまうと、ハインズとエファインは苦笑いした。


「本当ですよ、ガレー殿。あれが元はあの巨大狼で、神の力であんなに小さくなったのです。ローズ様と殿下の一言で元の姿に戻ることができますよ」


ハインズがいうと、ガレーはため息づいた。


「そんなことしたら、この国が滅びる」

「その通り」


ハインズがガレーの言葉を聞いて答えた。


「それは困りましたね」


ガレーが魔法瓶を机に置いて、窓の外へ見つめる。外はまだ暗いだ。


「ガレー」


ローズが彼の名前を呼ぶと、ガレーは振り向いた。


「はい」

「眠い」

「寝ても良いですよ。やることがありませんし」

「でも気になる」

「何がですか?」

「なんで私がここでも狙われているんだ?ガレーがここにいるということは、国内の掃除が終わったのでしょう?」


ローズの言葉で、ガレーは驚いた。


「ご存じでしたか」

「うん」

「はい、ほぼ掃除を終了しましたが・・はてさて、この国はあれとは関係がないと思われます」

「うーん」

「そもそもこの訪問はトルバタ王の招待で実現されたものです。エグバドールの戦いでトルバタは兵を出したが、エグバドールはここから遠いので、ドイパのような国の半分もらうということも要求できませんでした」

「うん」

「その代わり、皇帝陛下はトルバタへ御礼の品々を贈ることにした。大量の真珠や金品など、全部揃えて持ってきました」

「へぇ」

「トルバタ国王陛下はエフェルガン殿下と話し合いたいということを皇帝陛下に伝えられた、という情報を頂いています。何の話し合いか分かりませんが」

「縁談じゃないでしょうね」


ローズが言うと、ガレーは顔色を変えずにローズを見つめている。


「もし本当に縁談だとしたら、ローズ様はどうなさいますか?」

「私は・・すべて殿下に任せています。どんな判断するか・・殿下次第です」

「もし殿下はトルバタとの縁談を受け入れたら、殿下をその妃となる女性と分け合わなければなりません」

「うむ・・」

「身分からみると、ローズ様は第一妃で将来皇后陛下になります。これは変わりませんが・・」

「うむ」

「ですが、例え国のためでも、殿下はそのような縁談を受け取らないと思います」

「そうなのかな」

「はい、エフェルガン殿下の眼中にあるのは、ローズ様お一人だけです。ましてや、海龍様との契約もありますし、聖龍様との契約もありますし・・もうここで龍二体との契約があった時点で、ローズ様を悲しませるようなことはしないと思いますよ」

「そうなんだ」

「私は殿下でしたら、そうします。神の怒りなど触れたくないのです」


ガレーはローズの手を取り、立たせた。


「ハインズ殿、ローズ様をお部屋までお送りせよ。まだ夜中だから、少しお休みにならないと、お体に障ります」

「はっ!」


ハインズはガレーの手からローズの手を受け取った。


「ローズ様、トルバタのことを深く考えないで下さい。殿下をお信じなさいませ」

「はい」

「では、お休みなさいませ」

「お休み、ガレー」


ローズはハインズとエファインとともに寝室へ向かった。





翌朝。


ローズはエフェルガンの口づけで目が覚ました。


「おはようございます」

「おはよう、ぐっすり眠ったね」

「うん」

「ガレーからすべて聞いた。心配するな、僕の妃はローズ一人だけだ。何度も言ったが、それはこれからも変わらないことだ」

「はい」


エフェルガンはローズを起こした。


「それよりも、箱は見つかった」

「そう?」

「ただ中身はぐちゃぐちゃだ」

「あらま・・」

「海の中で見つかったよ」

「海の中?」

「ああ、誰かがそれを海の中に捨てたんだ。ケルゼックとオレファが潜って取ってきたよ」

「そうだったんだ・・寒いのに・・大変だったね」

「ああ、でも大丈夫だ。彼らはガレーの回復薬を飲んで休んでいる」


エフェルガンは微笑んで、うなずいた。


「服装や宝石は・・壊れちゃった?」

「いや、でも全部濡れてしまった。今リンカとハインズ達が一所懸命乾かしているところだ」

「手伝わないといけない」

「しなくても良い。大丈夫だ。それよりも、もっと大事なことがある」

「何?」

「ライラ姫は何者かに襲撃されてしまったそうだ」


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