165. スズキノヤマ帝国 エグバドール奪還戦争(4)
暗殺者の襲撃でローズが暴走してしまったため、エフェルガンとファリズはベースキャンプであるテメルド島へ戻ることになった。
エグバドール国奪還作戦の指揮がドイパ国の第二王子のジャタユ王子がとることになった。ジャタユ王子の補佐としてスズキノヤマ国の将軍フェルカサが勤めることになった。ジャタユ王子の指示で、敵に首を刎ねられたエグバドールの国王とその王子達の埋葬式が速やかに行われた。まだ行方が分からない王妃と王女達の捜索も行われるけれど、首都エスタバールにはモルグ人以外の住民が姿がない。その代わり、大量の魔石が発見された。けれど、今解放する術がないため、それらの魔石は厳重に保管されている。また袋詰めされていた子ども達を保護し、暖かい食事も配られた、と騎士団の者はエフェルガンに報告した。
ローズ自身は、今頭のたんこぶの治療を受けている。ガレーにかなり怒られて、ファリズに怒られて、ハインズに怒られて、エフェルガンにも怒られた。リンカは何も言わずに、猫になって隣に座っているだけだった。ちなみに皇帝をバカ呼ばわりしたことで、皇帝もかなりすねた。けれど、ローズの謝罪を受け取っていた。
ガレーの治療が終わって、今度はローズがガレーとトダと他の医療師とともに怪我をした兵士達の治療を行う番だ。ちなみに捕らえられた暗殺者はローズが見えた途端に叫びだして急に口から泡を出して、気を失った。恐怖のあまりで失神したのではないか、とガレーは言った。ガレーの言葉を聞いたローズは彼らが本当に失礼だ、と思った。こんなかわいらしい研修医は戦場の花だとローズは思ったけれど・・、そのように思われていないことが分かった時に、悲しかった。
治療の仕事が終わって、エフェルガンは将軍達と会議でなかなかテントに戻らないから、ローズはテントの近くにある焚き火の前に座って、拾ってきた枝と遊んでいる。この体のサイズだと、多分ファリズが助けた子どもたちとそんなに変わらないでしょう。120センチしかないローズはどうみても子どもだ。子どもは戦場にうろうろすべきではないと思うけれど、ローズのサイズでも大人だという種族がいる国だから、彼女を大人として認識されている。この世界で生を受けてから5年間、ローズは自分が5歳児なのか、小さな大人なのか、分からない。自分のことが分からないから、他人に理解を求めるのも難しい話だ。なぜなら、5歳児としては、体が大人の女性だ。サイズが小さいけれど、ちゃんとした大人の女性の体そのものである。けれども、年齢を聞かれるとやはり5歳・・でも5年の方が正しいかもしれない。そんな自分自身のことを考えながら焚き火と遊んでいる自分がきっと小さな子どものように見えるのでしょう、と改めてローズは思った。本当に、自分って得体の知れない生きものだ。
「そこで何をしているんだ?」
芋をもってきたファリズが隣に座って、次々と芋を火に投げ込んだ。
「遊んでる」
「ふむ」
ファリズは枝をとって、芋を丁寧に焼いている。ファリズが隣にいて、座って並ぶと、その二人の体の大きさの差がはっきりと分かる。
「喰うか?」
「いらない」
「美味しいのに・・」
「今は良い」
「すねてるの?」
「うん」
ファリズは笑いながら芋をひっくり返す。
「怒られたから?」
「それもあるけど・・」
「他には?」
「痛かった。頭がたんこぶ二つもできてしまって、ガレーに怒られた」
「すまん、つい力が入ってしまった。殴ってから気づいて、死ななくて良かった」
「こう見えても、私が頑丈だよ」
「だね。さすが俺の妹だ」
「うむ」
少しひんやりしたから、体育座りのような座り方にしたら少し暖かくなった。でも体がますます小さくみえる。近くに護衛してくれているハインズとエファインが無言でローズを見守っているだけだった。
「うんざりしたのか?」
しばらく沈黙の後、ファリズは芋を突きながら声をかけた。
「何に?」
「この状況だ。戦争や暗殺や権力の絡み合いなどに、すべてに対する気持ちが、うんざりしたのかと聞いている」
「うん」
「ローズはまだ若いからな」
「若いよ。この世界に来て、この体をもらって、まだ5年しか経ってないよ。事実上私は5歳児だ」
「だな」
「でも子どもらしいことも体験しなかったし・・幸せな子ども時代と言っても、ダルガさんとモイと過ごした一年間だけだった」
「そうだったのか」
「毎日の修業で大変だったけど、親子の感覚で楽しかった。毎朝牛乳を買いに行ったり、飴玉を買ってもらったり、だっこして買い物したりした」
「懐かしいのか?」
「うん」
「ここに来た理由は留学だと聞いたが」
「うん。薬学を勉強したの。早く終わったから、暇なので今救急医療学を勉強しているの」
「ローズは頭が良いからな。うらやましい」
ファリズは芋を確認して、また火に入れた。
「本当は、普通に学校へ行って勉強したかった」
「弟と結婚してしまったから普通じゃなくなったか」
「ううん、その前に、色々あってね」
「色々って?」
「権力争いに巻き込まれたの。私をものにできる人は神の加護が下るという変な噂があって、大変だったの」
「そうだったのか」
「私は、この世界で唯一の・・龍神の娘だから」
「想像が付く」
ファリズはうなずいた。
「あとモルグ王国は私の首に賞金をかけているの。生きたまま捕獲できる人には大金の数倍も下ると言う話をロッコから聞いたんだ」
「ロッコ・・もうしかすると、青い鱗のやつか?」
「うん。知ってるの?」
「知ってる。あれは父上の片腕と呼ばれる奴だ」
「うん。ロッコは私の友人なの。とても仲良くしてくれているんだ」
「ほう。珍しいことを聞いてしまったな」
「珍しいって?」
「あいつは群がらない人だ。名前だって色々あるさ、どれが本物か誰一人も知らない。暗部だからという理由もあるが、本当の名前を知ったのが父上だけだ」
「私も知っているんだ」
「ほう、なぜ?」
「友達だから。それに・・」
「それに?」
「私のことをとても大切に思ってくれている人です。今も世界のどこかで、私のために、一人で戦っている」
「ロッコがそんなことを・・」
「うん。時には思うんだけど・・私がこの世界に来たことによって、大切な人たちが傷つけてしまう。私という存在のためだけで命を落とす者もいて・・嫌になった」
「そう思ってるのか」
「うん。こんな疫病神みたいな存在に・・」
「それを口にしたら、弟が悲しむぜ。そこの配下の二人もな」
ファリズは芋を突くための枝でハインズとエファインを示した。
「ごめん・・」
ローズが謝ると、ファリズはローズの頭をなでた。しかし、まだたんこぶが痛い、とローズは思った。触られると、もっと痛くなった。
「死にたくないと思ってるから、あんなに暴れたのだろう?」
「分からない」
「俺さ・・家族を失ったとき死ぬほど悲しかったが・・自分からわざと負けて死ぬことができない」
「うん」
「ずっと考えていたさ・・俺って何をしたかったのか。いつまで逃げればいいのかって」
「うん」
「手間がかかる妹と弟と出会うまで、ずっと自分の気持ちと戦っていた」
「うむ」
「俺の子は・・もし生きていたら、多分柳と同じぐらいかな。もうちょっと上かな」
「そうなんだ」
「男の子で、顔が妻に似ていて、髪の毛の色は俺に似ていた」
「名前はなんていう?」
「ファルハーンだった。妻はサリナだった」
「すてきな名前だったね」
「ああ、二人でずっと考えて付けた名前だったんだ。生まれた時に、とても嬉しくてよ・・俺は一晩中踊ったさ。戦場にいたのに、焚き火の前で一人で踊りまくって、頭がおかしい将軍だと思われた」
ファリズは笑った。
「すごい光景だったんでしょう」
「俺は構わなかった。ただ喜びを表したかっただけだ。さっさと戦争を終わらせて帰って妻子を抱きしめたかった」
「抱きしめたかった?」
「ああ・・帰ってきたら・・サリナもファルハーンも暗殺された。首が刎ねられたんだ・・俺の異母兄弟にな」
「そんな・・」
「俺は一度も、我が子の泣き声を聞いたことがなかった。サリナに子を産んでくれてありがとうと一言もまだ言わなかったさ・・どれほど心残りがあるか・・ずっと彼らの顔が頭の中から消えてなくてさ」
「うん」
「忘れたいと思って、すべてを捨ててここに来たわけだ」
「うん」
「だけど、それもできなかった。走っても走っても、ずっと妻子のことを考えてしまった。でも死のうと思っても、死ねなかったんだな。生きて、彼らの分までやらなければならないと思ってな」
「そうなんだ」
「できが悪い妹と苦労している弟と出会って、ポポを手に入れて、あのガルーダまで・・生きていて良かったと思った。やっと最近彼らのことを置いて、前に進むことができた。置いて忘れる訳ではない。俺は妻子に・・ちょっと冒険に行ってくるという感覚かな」
「そうなんだ」
できが悪い妹と苦労している弟か。確かに、その通りかもしれない、とローズは思った。ファリズは芋を突いて、焼き具合を確認した。
「芋喰うか?」
「じゃ、一つもらいます」
「ほい」
熱々の焼き芋をもらったけれど、まだ熱くて食べられない。ローズは猫舌だから、熱いものが食べられない。芋をファリズが持ってきた葉っぱの上に置いた。
「権力争いに興味がなくても、あちらから興味があるから襲ってくる・・弟の苦労も理解できるさ。巻き込まれているローズも、その気持ちを理解できる」
「うむ」
「だけど、自分を責めて、死にたいなど・・考えてはダメだ」
「うむ」
「悪いのは襲った方だからだ」
「うむ・・」
「逃げても良いけどさ、解決にならないよ。あちらはローズがどこへ逃げても追ってくるから、もっとたくさんの人々が傷つけてしまうんだ」
「うむ」
「だから立ち向かうことも大事だと思うさ。俺は、妻子を殺した兄弟を、全員この手で殺した」
「気分がすっきりになった?」
「ならねぇ。死んだ妻子は戻ってこなかったし、得たのはむなしい気持ちだけだった。が、少なくてもそんな卑怯な奴らは二度と同じ悪さができなくなったと思っただけでも気が楽になった」
「そうか」
ローズは冷めてきた芋をとり、皮を剥き、食べ始めた。
「美味しい」
「だろう?この芋はハチミツの甘みがあるんだ。俺の好物だ」
「よく見つけたね」
「野生の勘だ。ははは」
「うん。なるほど」
ファリズも芋を食べ始めた。とても美味しそうに食べている。
「ローズが弟と結婚さえしなければ、俺が旅に連れて行っても良いと思ったさ。モルグの相手ぐらいなら、俺がなんとか守れるけど・・いざというときに里に連れて行くのもありだと思ったが」
「私は荷物になりたくない」
「だろうな。あの暴走ではっきりと分かった。一人で何でも解決したいから、覇気を隠れて練習したんだろう」
「うむ」
「そのまま暴走したら、世界を滅ぼしてしまうんじゃないかと心配したぜ」
「大げさよ」
「いや、その状態で肉体を捨てたら、もう誰も止めることができなくなるぞ。俺でさえ、止めることができなくなる」
「うむ」
「父上かロッコなら止められるけどな」
「なんで」
「神殺しの武器を持ってるから」
「神殺し・・」
ローズは瞬いた。初めて知った。そんな武器があるんだ。聖武器とは違う存在なのか。では、何かあったらエフェルガンは彼女を殺すことができない、ということになる。
「そうなる前に、僕は必ずローズを止めるから」
エフェルガンはローズの隣にきて、焚き火の前に座った。ファリズは焼いた芋をエフェルガンに差し出した。エフェルガンはそれを受け取って、食べ始めた。
「頂きます!・・これは美味だ。ハチミツの味がした」
「だろう?まだ生の芋もあるけど、増やすか?」
「ぜひ。ヒスイ城でたくさん作ろう」
「ほい」
ファリズはエフェルガンに生の芋を数本あげた。エフェルガンはそれらの芋をケルゼックに渡した。
「陛下は、ローズを苦しめたことに深く反省しているご様子だった。この戦争が終わったら、皆で旅行して気分転換するようにと命じられた」
「うむ」
「あまり嬉しくないようだな」
「また暗殺者に襲われてしまう」
「その時にまた撃退すれば良い」
「うんざりしてきたけど」
「分かるよ。僕だって生まれてからずっと暗殺者に襲われてきたのだから」
「うむ」
「慣れとは言いたくないが・・慣れるしかない」
「いやだなぁ・・」
「黒幕が分かれば、暗殺の数が減らすことができると思う」
「前の暗殺も、さっきの暗殺も、何の一つの情報が分からないんじゃない」
「分かるけど、ローズに明かすことができないんだ」
「なんで?狙われているのが私よ?分かればはっきりと聞けるんじゃない。何のつもりかと聞きたいわ」
「それだから、ダメなんだ」
エフェルガンは芋を食べながら言った。
「うむ」
「政治絡みのことになると、とても敏感な問題だ。だから解決法を考える必要があるんだ」
「面倒くさい。全部滅ぼせば良いと思う」
「そんなことをしたら、罪のない民まで滅んでしまう」
「うむ」
「ローズは、民が苦しんでしまうことを望んでいるか?」
「望んでない・・でも・・」
「だから暗殺者とその黒幕は僕たちに任せて欲しいんだ」
「うむ」
エフェルガンの言ったことは正しい。しかし、ローズが納得しなかった。顔にまた曇り空が見えていたか、ファリズは無言でローズの前に2本目の芋を置いた。
「私を殺そうとしたものに伝えて。反省しなければ、私は神の権限でその人を祟るから、本気でそう思ってる」
ローズの言葉に、ファリズもエフェルガンもかたまった。
「祟ると気分がすっきりするのか?」
「ううん。憂さ晴らしにもならないと思う」
「ならやらない方が良いと思う」
「なんで?」
「祟られる側よりも、祟る側の方が一番苦しむからだ」
エフェルガンは芋を置いてゆっくりと言った。ファリズもうなずいた。
「弟の言った通りさ。そんなことを考えない方が良いと俺も思う」
「うむ」
ファリズは芋を枝で突いて焼き具合を確認した。
「まぁ、まずあれだ。エグバドールの魔石をなんとかしなければならない。明日、俺がエスタバールに行くが、ローズはどうする?一緒に行くか?」
ファリズが聞くと、エフェルガンは驚いた顔した。
「俺がローズのそばから離れねぇから、大丈夫だ、弟。民を救うのも大事な仕事だろう?」
「そう・・そうですね」
「いざというときにヒスイ城か、ここか、里まで飛ばせるから、安心しな」
「分かりました。兄上、僕もその術が欲しいです」
「弟はまだ早い。これはとても危険な術だから、間違ったら死ぬぜ」
「そうですか」
「まず、修業を終わらせてからにしろ」
「はい」
「今夜はもう遅い。弟よ、そこにいる俺の妹をさっさと休ませろ」
「はい。では、お先に失礼します。この芋、もらってきますね。ご馳走様でした」
「ほい」
エフェルガンはうつむいたローズの手をとって、テントに連れて行った。
翌朝。
ローズはファリズとハインズ達とともにエスタバールへ出発した。エフェルガンはジャタユ王子とともに別の島を捜索して、海軍と空軍とともに敵の行方を捜している。将軍フェルカサと暗部達は首都エスタバールで待機して、治安維持を任せられた。
ローズとファリズは早速医療チームと陸軍の兵士とともに魔石にされた人々の救出の準備をして、開始した。リンカは台所まかないと一緒に料理をしている。皇帝は後から近衛兵達とともに上陸して、エグバドール国王の墓に花をささげた。その後、ローズたちの作業を見ている。次々と魔石に閉じこめられた人たちが解放されると、医療チームが素早く動いて被害者の健康状態を確認される。生きている者がいれば、心肺停止状態になった者もいる。小さな赤ちゃんから大人、そしてお年寄りまで、様々な人種が魔石の中に入っていた。まだたくさんあるから、終わりがみえない作業だ。
皇帝は無言で彼らを見ている。耐えられなくなってきたか、一時間ぐらいしてから、将軍フェルカサがいる宮殿に向かった。またこの島で見かけたモルグ人は念のため、全員一つの施設に集められた。持ち物はほとんど没収されてしまった。念のため、服装まですべて囚人服に替えられた。その理由は服装の中に術まで書き込まれたら怖いからだ、と将軍は言った。
昼餉の時間になると、ローズはリンカが作った食事で済ました。それはとても美味しい肉と野菜が入っているスープだった。簡単な石釜で焼いたパンと一緒に食べて、とても美味しくて、おかわりをしようと思ったけれど、周りの人の分もあるから彼女は我慢した。ローズ達が食事終えたところで、皇帝と将軍フェルカサが見えて、立ったままリンカの隣で食事した。いつも毒味役の安全宣言をもらってから食事する皇帝だったが、リンカの料理を毒味せず食べた。近衛の者が心配したら、皇帝は、もしリンカが自分を殺したいなら回りくどい毒など使わない、と答えた。どうやら一連の事件で皇帝はリンカの実力を見抜いた。皇帝がリンカに興味を示したようだけれど、リンカは相変わらず面倒くさそうな態度で皇帝と将軍達の質問に答えた。リンカは猫らしく、興味がないものに見向きもしない。
皇帝に対してまったく敬語を使わないことで将軍達はローズに小さな声でリンカに少し態度を改めて欲しいと要請した。けれど、ローズはリンカが自分の家臣ではないことを答えた。そう、リンカはローズの里にいる父上の家臣であり、その役職は家猫である。留学期間中にローズの護衛官として勤めているけれど、リンカの立場はローズの実家の猫だから、身内である。だからローズはリンカに命令ができないということだ。その説明を聞いたファリズがおなかを抱えて、笑ってしまった。
食事が終わって、リンカの周りに相変わらずの皿洗い隊が集まっている。ドイパ兵もスズキノヤマ兵も連合軍の兵も皆仲良く皿を洗っている。やはり美味しい料理を作った美女って魅力的なんでしょう、とローズは思った。ローズも料理を頑張って作れるようになりたい。さすがにレベル10までになりたいとは言わないけれど、せめてレベル5ぐらいまでしたい。しかし、あまり練習もしていないから、相変わらず下手だ、と自分も自覚している。
しばらく救出作業をしていて、悲鳴が聞こえている。どうやら医療棟からだと思った。念のため、近くにいる兵士に状況を確認してもらったところで、戻って来なかった。が、帰ってきたのは傷だらけのトダだった。
「どうしたの?!その傷は?」
「医療棟が襲われました・・」
トダが苦しそうに答えた。口から血が出ている。
「誰に?」
「ドイパ国の兵士に・・」
何かを言いかけたがトダは意識を失った。




