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自宅システムを中心に、ステレオってなあに? を紹介してみます。

作者: 雨天紅雨


■そもそも、ステレオって?■


 サラウンドシステムと言えば、そういえば聞いたことがある、という人もそれなりにいるのではないでしょうか。

 5.1ch、7.1ch。

 出始めの頃は確か、単純に2.1chだったかと。有名なのだと、クリエイティブって会社から、PC用のサウンドカードも含め、販売されていますね。

 じゃあこれって、どういうことなの? ――と、なります。

 個人的には、単純にスピーカーの数、プラス1、と捉えていただければ間違いはないかと思います。

 このプラス1というのは、いわゆるサブウーファーと呼ばれるものです。

 これが一つつくと、低音だけを出す部分が追加されているため、普通のスピーカーよりも低い音が出やすいんですね。

 今どきのゲームや映画などは、基本的にサラウンドシステムを前提とした音が収録されていて、そういうのを目にした人もいるのではないでしょうか。

 障害物の少ない一つの部屋に、反響を考えて接地した五つ、ないし七つのスピーカーと、サブウーファーによって、より臨場感のある音が聞こえるようになります。

 ――しかし。

 そう、しかしです。

 サラウンドシステム自体を使ったことがない筆者から問いたい。


 ――え? それ、普通の音楽聴くのにいるの?

(……え? じゃあ普通の音楽聴くのにステレオいるの……?)


 えー、そう、では、ステレオとはどういうものか。


 ステレオと一般的に呼ばれるシステムは、基本的にスピーカーが二つだけです。ただ、人によっては、スーパーウーファーと呼ばれるものもつけるので、先の言葉に倣えば、2chおよび2.1chとなります。

 スピーカーの数が少ないよ? いやしかし、その音に引けは取っておりません。個人的意見だけども。


 ――では次項より、ちょっと専門用語も含めての詳しい説明に入りましょう。



■スピーカーの仕組み■


 スピーカーと単純に言うけど、どういう仕組みになっているの?


 基本的にステレオとは、左右一つずつ、それぞれ同じものが設置されます。

 同じ間隔、同じ位置、そして中央で左右から出た音を聞くのが、基本スタイルとなるのでしょう。

 知り合いとの会話では、単純に箱と呼ぶ、スピーカーについて。

 箱にもいろいろと種類があるのですが、どんなユニットが組み込まれているのかで、違いが出ます。

 なのでまず、ユニットの説明でしょうか。


■ウーファー

 これは低音を出すユニットです。約800hz以下。

■スーパーウーファー

 これは低音を出すユニットです。約80hz以下。

■ドライバー

 これは中音を出すユニットです。約800hz~8000hz。

■スコーカー

 これは中音を出すユニットです。約800hz~8000hz。

■ツイーター

 これは高音を出すユニットです。約8000hz以上。

■フルレンジ

 これは全音域を出すユニットです。


 ヘッドホン、あるいは小型のスピーカーなどで使われているのは、ほとんどがフルレンジユニットです。しかし、全域を一つでカバーするわけですから、高音に強くすれば、低音が出にくくなったりと、やはり限界があります。

 それを解決するため、ウーファーとスコーカーをつけ、中音をメインにするスコーカーにも高音を任せたスピーカーが、2Wayと呼ばれる仕組みとなり、より良い音を出せるようにしたスピーカーになります。

 そして、3Wayとは、ウーファー、スコーカー、ツイーターの三種をつけたものになります。


 ……ん? ドライバーとスコーカーの違いってなに?


 ドライバーとは、いわゆるホーンをつけることを前提としたユニットであり、だいたいは箱の上に置いて、ホーンと呼ばれるラッパ(みたいなもの)を設置して、ようやく音が出る代物です。

 これに関してはまた、詳しく後述できればと思います。


 ――では次項より、箱を鳴らすために必要なものの紹介をします。


■ステレオを鳴らすには?■


 市販のものにせよ、ステレオの場合、スピーカーを買ってすぐ、鳴らせるわけではありません。

 今ですと、たとえばPC用となれば、イヤホンジャックに差し込んだり、USBからの電源供給などがありますね。しかし、ステレオはそうではないのです。


 じゃあ、何が必要なの?

 CDで音楽を聴く場合における例が、以下になります。


■プレイヤー

 CDプレイヤーです。音楽を読み込みます。

■プリメインアンプ

 読み込んだ音楽を制御、増幅してスピーカーに送ります。


 はい、実はこれだけで済みます。

 CDプレイヤーとプリメインアンプを、まず白と赤のジャックがついているコードで繋ぎ、そこからスピーカーへ、ケーブルを使って繋げば、あとは電源を入れて再生するだけで済みます。

 パソコンは?

 はい、これも可能です。

 ただし、白と赤のジャックがパソコンには標準装備されていません。今ですと、専用のサウンドカードや、それほどこだわりがなければ、イヤホンジャック(ステレオミニジャック)から、白と赤のジャックへ変更する小さいコードみたいなのが売っているので、それで代用も可能です。


 だがしかし!

 プリメインアンプは、本来、二つに分割されているものです。


■プリアンプ

 あるいはコントロールアンプ。ボリューム調整がついている。

■パワーアンプ

 音の増幅部分。


 いちいちわける必要ない?

 フルレンジユニットがあるスピーカーと、プリメインだけでいいんじゃね?


 いやいや、良い音を出すには、できるだけ細かく、専門にする機器を使ってやった方が、複合機器よりも性能が良く、違いが出てくるものなんですよ。


 ――さて次項は、うちのシステム紹介をば。



■うちのシステム紹介■


 細かい説明はとりあえず後にして、まず列挙しておきます。


■CDプレイヤー

 Denon S-10

■プリアンプ

 Mcintosh C-22

■パワーアンプ

 McIntosh Mc240三台

 McIntosh Mc275

■チャンネルデバイダー

 Accuphase F-15

■電源

 ステップアップトランス使用


■ウーファー

 JBL-2205

■ドライバー

 JBL-2440

■ホーン

 JBL-HL90

■ツイーター

 JBL-2405


 はいっ、以上となりますが、わけがわかりませんね!

 とりあえず同じメーカーで揃えてんなー、くらいわかっていただければ。


 ちなみに、うちのスピーカーは、市販の完成品ではなく、それぞれユニットを個別に買い、四角の箱を購入して、そこにそれぞれのユニットを設置して、スピーカーを作っています。

 この場合、市販品とは違うオリジナルの音が出るぜ! ということもありますが、何より、自分が好む音を作りやすく、また、たとえば中音だけ違うユニットに変えてみよう、なんてことができるため、汎用性が高くなっています。

 さて、では軽く説明をば。


 JBL-2205について。

 はい、こちらウーファーユニットとなります。とはいえ、どんなのだよって思うかと思いますが、先の説明の通り、低音を担う部分ですね。

 うちは、スピーカーの箱に専用のネジ(ツメともいう)で留めてあります。だいたい500Hz以下の音を出す部分ですね。

 サイズは十五インチ、38センチとなります。

 実は、サブウーファーどうなの? って疑問は、ここに由来します。そもそもステレオの場合、サブとして、スーパーウーファーなんてものをつけて、低音を出そうとした時、そのサイズは最低でも46センチ以上! はっきり言って、46ならサブじゃなくメインで使う人だっています。

 つまり、それだけの大きな容量を持って作ることができるわけです。ステレオのメリットですねー。

 ……すげー場所取るけどね。


 ホーンについて。

 JBLで組もうとすると、ほぼ必ずといって良いほど、このホーンが必要になります。

 一体なんなの?

 ラッパとは言いえて妙で、音を広げて飛ばすような部分なんですね。形状はさまざまで、本当にトランペットのラッパみたいな形状のものもあります。画像検索など便利ですので、調べていただければわかるとも思いますが。

 何が違うのか?

 スコーカーは、形状がウーファーなどと同じで、丸い紙のような外観になっていますが、しかし、ドライバーは円柱状の物体に丸い穴が空いており、そこから音を出し、ホーンで拡散します。

 これ、聞くとわかりますが、ドライバー+ホーンの場合、音が柔らかくなります。簡単に言うと耳が痛くならない――と、これは個人的な意見ではありますが。

 あと外観! HL90はお化けホーンなんて俗称もありますが、なんていうか、恰好良い! それだけで充分!(説明にはなってないけど)


 プリ、パワーアンプについて。

 うちで使っているこれらは、全て管球アンプです。真空管を利用したものですね。

 なんで同じの三台あるの?

 簡単に言うと、ABCの同じ三台を使って、Aに左のウーファー、Bに右のウーファー、そしてCに両方のドライバーを担ってもらっています。

 本来パワーアンプは、一台で両方のスピーカーを鳴らせるのですが、中にはこうして、モノラル、つまり一台で一つだけ鳴らすこともできます。つまり、パワーアンプが持つ力を、分散ではなく一点集中できるわけですね。

 プリアンプは、はっきり言ってボリューム調整のための部分。いや、細かく言えばすごく大事なんだけど、だいたいそう考えていただければ間違いはないかと。


 電源について。

 ステップアップトランスとは、電圧調整みたいなものです。うちのパワーは115vとかなので、100vの普通電源よりも、こういうの一台あった方が良いって話ですかね。


 ――さて。

 チャンネルデバイダーとか何よ、という疑問もありますが、さておいて。

 次項では、じゃあ実際にステレオを買うために、どうするかを。



■さあ、ステレオを買おう!■


 ということで、購入編。

 まあ大半の、ステレオやってる人は、買ってから、あれこれ問題が出て来て頭を抱えて、その考える時間が楽しい癖に、一台三十キロもあるパワーアンプとかを、何度も繰り返し移動したり心折れそうになった私がいますよここに。


 まず、どこで買うのか、です。


 私自身も失敗したことがあるのですが、実は、ステレオ関係の市場とは、基本的に中古市場が活発化しています。

 どうして?

 何故かは、これも推測になりますが、まず一つ目は高価であるが故に、新品を買える人が少ないこと。次に、古いシステムの〝音〟が好きだったり、有名であったりすること。更には、音という聴覚頼り、個人の感覚のものであるため、細かい差を感じるのが難しいこと。

 私ならばまず、今から始める人には中古品をお勧めします。もちろん、デメリットも存在しますが、それがイコール失敗に繋がるかと問われれば、その確率は非常に低い。うちのステレオだって、全部中古です。パソコン用のは違うけど、これは一番最初に買った時のだし。


 何を買えばいいの?


 そのためには、まず、どういう使い方をするのかを考えなくてはなりません。

 たとえばうちの場合、腰を据えてゆっくりと音楽を聴くシステムは、先述したものになりますが、普段、パソコンで適当に流している音楽や、動画、映画などは、別のシステムにしています。

 こちらは、4312Mという小型スピーカーに、プリメインアンプを使っただけのもので、それほど音に拘らないけれど、多少は良い音にしようと、そういう考えが前提になっています。

 もちろん侮るなかれ、きちんとパワーアンプをつけてやれば、こんな小さいのにと思うくらい、良い音が出ます。

 ――つまり、最低限必要なのは、再生装置(パソコン、CDプレイヤー)、プリメインアンプ、スピーカー、この三つですね。

 安いものを探して揃えると、ぎりぎり十万円くらいには収まるくらいでしょうか。


 置き場を考えよう。


 小さい、大きい、こうしたものは性能もそうですが、置き場というのも重要になります。

 ではまず極論から。

 38センチのウーファーを搭載し、2インチドライバー、ホーンを含んだ一対のスピーカーを鳴らすのには、最低限、ステレオ以外何もない十畳間の部屋が必要になります。あくまで最低限で、二十畳は欲しいかもしれません。

 ええまあ、うちは生活してる部屋だからそういうわけにもいかず、設置はできてるけど障害物も多いので、反響とか考えると、あんまり良くないわけです。


 重要な生活環境。

 これも、普通のアパートなんかだと難しい。だからステレオって敬遠されがちなんですよね。

 とかく大きい音を出す代物ですから、場所を選びます。うちは田舎で、周囲にはあまり家がないので気楽ですが、やはり夜は鳴らさないようにしています。夜の方が雑音なくて良い音なんだけど……こればかりは仕方ありません。

 そもそも。

 ステレオは大音量です。けれど雑味のない音ですので、耳が悪くなるといった弊害は、ないと断言はしませんが、イヤホンで音楽を聴き続けるよりは、よっぽど耳には良いはずです。個人的意見だけど。

 そのため、うちで鳴らしていると、窓を開けていなくとも外でも音が聞こえるくらいにはなります。なので一応、近隣住民のことは考慮しましょう。


 さて次項は、設置に関してです。これも併せて、購入基準にしてください。



■スピーカーの設置■


 十万円じゃ、ろくに良い音出ないでしょ?

 いえいえ違います。何事もやり方次第、上手くやればどうとでも。……限界はありますが。

 ここでは、主にスピーカーの設置について。


 基本的には左右に置いて、中心で聴くだけで済むのですが、実はこの配置を変えると、出てくる音が変化します。

 まず一番わかりやすいものとして、一つ。


 壁際にスピーカーを置くと、低音がよく出る。


 実はこれ、難しい反響とか何とかいろいろあるんですが、結果だけ考えれば、低い音がよく出てくるようになります。やっぱり低音が――って人は、結構多いんじゃないでしょうか。なので壁際というのは一つの手です。部屋が広くも感じられますしね。


 設置方法としては、実は結構多くあります。インシュレーターみたいな、スピーカーを設置する際に置く、円錐形の器具なども販売されているくらいで、大型スピーカーであっても、床にべた置きをするのは、実はあまり良くなかったりするらしいです。

 かくいう私なんかは、まず厚い板を床に敷き、そこにインシュレーターを置き、高さを出すために、更に厚い板を置き、四角のブロックの木を置いてから、円錐状のインシュレーターを四隅四ヶ所に設置して、その上にスピーカーを置いています。

 いや多すぎだろ、と思われるでしょうが、高さを求めた……まあ最善の結果なんでしょうかね。

 この高さというのも、実際に座って聴く際に、ちょうど中音のドライバーが耳の高さくらいがちょうど良いんですね。その錯誤の結果です。もう重いから動かしたくない。実際動かすならジャッキ使います、ええ。


 どうしてそこまでするの?


 音というのは振動ですから、接地面積が大きければ大きいほど、その振動が変に逃げるため、雑味になってしまうんです。しかしこれ、実感は乏しい。円錐状のインシュレーターをつけてみても、変わったかなあと、首を捻るくらい。

 だが損ではない。

 何故ならば、その真価は、インシュレーターを外した時にわかるからだ。

 違うんです、本当に違うんですこれ。ずっとそのまま聞いていて、インシュレーターをふいに外して置いて、音を鳴らしてみると、今までどれだけ違ったのかと痛感します。そんなものです。


 壁かけとか?


 これは主に小型スピーカーの話です。

 ほかにも設置方法はあります。たとえば部屋の高い位置に横向きで置き、広い範囲で音が聞こえるようにしたり、物によっては専用の壁掛け用の器具なんかも販売しています。

 どう変えればいいのと問われると、やっぱり生活スタイルですかね。

 たとえば実家ですと、ほかに人もいるわけで、音漏れは多少気にする。となると、壁掛けにしたり、部屋全体に音を広げようとすると、あまり好ましくないし、まあ私がやってない理由は、ケーブルやコードの長さの問題だったりもしますが。


 パソコン用に使っている4312Mの話。


 うちの環境だと、パソコン机は長方形。デュアルディスプレイにしているので、実はスピーカーの置き場が凄く困ります。まず、ディスプレイを座り位置からやや話すと、スピーカーの縦置きができない。ディスプレイにぶつかるから。長方形だけあって、奥行きがちょっと狭いんですよね。

 なので横向きに設置。この時、ウーファーが中心に近いように置くといいかもです。ここらは好みでしょうか。

 しかしスピーカーが近い! そのまま鳴らすと、ちょうど良い音量、音楽がちゃんと鳴ってるような音量だと、耳が痛く感じる。

 そこで、現状だと、スピーカーの背中が私に見える形で設置した。本来、音が出る正面側が、手前ではなく奥に向けているのだ!

 音の焦点が奥になってしまうが、反響もあって、聞くぶんにはなんの問題もない。むしろ壁に向かって音を出しているせいか、低音もそれなりに出る。

 本当は反響をきちんと数字とかで考えると良いんだけど、こういう方法もあるって一例として。大型で腰を据えてじっくり聴くのならばもちろん、正面を向けた方が良いとは思います。


 ――さて次項は、どんな音楽を聴くか、です。



■どんな音楽を聴こう……?■


 スピーカーを選択するのにも、実はこれ、重要な項目になります。

 普段聴く音楽はどんなものですか?


 大型スピーカーを聴くと、顕著なまでによくわかるのですが、非常に音域の幅が大きい。普段、小型スピーカーやイヤホンなどでは、あまり聞こえていなかった低音や、高音、そうしたものがよく聞こえる。

 心地よいサックス、一音を明瞭にするピアノ、腹にパンチがあるようなドラム――それらを一気に全部解決できるシステムなんてのは、あるんでしょうか。たぶんない。そのためにちゃんと組まないと。

 けれど、それは拘りを強く持った場合であって、それほど気にしなくてもいいのかなと。


 しかし、ステレオを始めてから、私の中では音楽のジャンルが大きく変わったように思います。

 何よりもジャズを聴くようになった。

 だが、それはステレオのみであって、ほかの場面でジャズは一切聴かない。

 何故か?

 大型のステレオシステムじゃなくては、ジャズが聴けないからだ(極論だけどね)


 私はパソコンの前にいる時間は長いし、その間、何かしらの音楽が流れている生活をしている。どんな音楽をと問われれば、アニメやゲームが大半だ。しかし、それをステレオで聴くかと問われると、これまた、一度鳴らすか否か、でしかない。


 音楽の作り方なのか?


 今流行りのナンバー、なんてものは知らない私なので、偏見もあるかもですが、ざっとPOPSと呼ばれるジャンルにおいて、大型システムで鳴らす必要がある曲というのは、非常に少ないと思う。

 バラードは良い、何故って声を聴くものだからだ。これはなんの問題もなく鳴らせる。しかし、ほかの曲はというと、それほど熱心に鳴らすほどでもなかった。

 まず、低音が出ない。

 出ないのは何故か? 曲のバランスがどうのというより、そもそも、ウーファーが活躍する500hz以下の音が入っていない曲が多いのだ。これを大型スピーカーで聴いてみると、非常にバランスが悪く聴こえてしまう。

 もちろん入っていない、は言い過ぎだ。しかし、それくらいの気持ちになってしまう。

 っと、もちろん全部の曲がと言っているわけではない。私の近辺で、そういう曲が見受けられる、という程度のこと。まあ非常に残念な気持ちにはなります、ええ。

 個人的だけど、ペルソナ関係の曲は非常に良い印象。これは何度も大型の方で鳴らしてるし、あとlove solfegeってのもね。あ、宣伝ではないです。


 ジャズが好き? それとも……?


 ジャズはよく鳴らす。ステレオの電源を入れれば、必ず一曲は鳴らす。

 しかし、私はステレオを始めるまで、ジャズなんて聞いたこともなかった。つまり、大型スピーカーをジャズよりに設定して鳴らした際の感動が強く残っている結果でもある。

 グレイトジャズトリオ、チャックマンジョーネ、アールクルー、ここらはよく聞く。ブルーノートまでは遡らないけど。


 ともかく。

 どういう音楽を聴くかによって、スピーカーの選択も変わってきます。

 小型で充分、大型じゃなきゃ、そういう思考は、最初から持つのは難しいですね。私のように、大型を作ってから、ジャズが好きになるパターンもありますから。

 ただ、やっぱり大型システムで鳴らすと、どんな曲も相応の音が出ます。



■どこで音が変わる?■


 プリアンプとパワーアンプ、それぞれ役目は違いますが、ものを変えれば当然のように出てくる音が変わります。


 以前、C20というプリアンプを使っていた時は、音が前に出過ぎて耳が痛くなることがあった。しかし、C22に変えてからは落ち着いている。

 また、プリメインを使っている小型スピーカーであっても、パワーアンプを間に入れるだけで、音の出方がすごく変化をする。


 どう変わる? どう変える?


 こればっかりは本当、試してみないと、わかりません。

 まず一つ、当然ですがスピーカーを変えれば、間違いなく出てくる音は変わります。完成された製品であっても、当然です。

 たとえばうちだと、ウーファーを130Aというものから、今使っている2205へ変えたのですが、事前に聞いていた通り、2205の方がしっかり低音が出る。印象の話になるが、130Aの方が、低音が軽かった。

 コントロールを主な役目にするプリアンプだとて、あれだけの違いがあるのです。もちろん、パワーアンプを変えれば、出てくる音も違ってきます。

 うちでは今、高音用に使っているMC275ですが、実はこれ、低音がよく出るアンプです――が、2205の場合、275を使うと、低音が出過ぎてしまうんですね。

 MC240の印象は、バランスが非常に良い。低中高、どこを任せても問題ないって感じでしょうか。しかし、単一のパワーが低いため、低音には一台ずつ二つ使うことで補っています。

 もちろん、CDプレイヤーを変えるのだって、違いが出ます。

 じゃ、CDとデジタル(取り込んだmp3など)では?

 はい、違います。どちらが良いとは、一概に言いませんが、違うんです。


 こうしてみると、音の変え方は本当にたくさんあります。それこそ、インシュレーターをアンプなどに使うことでも、変化がみられるそうで、ケーブルやコードを変えるとかも、違いがあります。聞き分け難しいけど。

 なので、安価なスピーカーだから悪い、のではありません。要は使い方と、やり方次第です。



■ユニットを選んで箱を作ろう■


 ここでは、ユニットを選んで自分でスピーカーを組み立てよう、その手順を説明しようと思います。


 どういうユニットにしようか?


 基本的に中古での購入になりますが、まず、メーカーを揃えた方が無難です。ウーファー、ツイーターなどを違うメーカーにすると、あまり良くありません。

 うちはJBLで揃えましたし、ほかのメーカーも詳しいわけでもないので、そこを中心にしての説明になってしまします。


 ウーファーは、十五インチ、38センチのものが一般的になります。JBLだけにしても、それなりの種類があり、特徴も違います。

 次にドライバーですが、まず、1インチと2インチの二種類が存在します。それぞれ対応するホーンも違いますが、大型システムならば2インチのドライバーがお勧めです。音の広がりが本当、2インチは別物に感じるくらいなので。

 ドライバーに付随するホーンです。こちらもいろんな種類、カタチがあります。やや特殊ではありますが、ホーンは別のメーカーであっても、やろうと思えばつけられます。音も大事ですが、見た目でも。

 ツイーターは、ほかユニットと比較して小さいです。こちらも種類あります。


 箱をどうしよう?


 実はこれ、重要な部分。

 箱とはつまり、ガワになります。ユニットを入れたり、置いたりする箱なんですが、まずは価格の問題から。

 箱自体を作ってくれるところもあります。が、やはり高い。これも中古で見かけますが、実際に自分の構想に合った箱というのが珍しい。うちは一度交換していますが、できれば変えたくはありませんよね。

 注意点としては、まず見た目。これが気に入らないと悔いが残ります。続いてサイズ。2インチのドライバーは、箱の上に乗せるもので、ホーンも含めてかなり大きなサイズになります。箱が小さいと乗せられなかったりするので、注意しましょう。

 箱にも種類があります。密閉型とか、呼び方もそれぞれ。何が違う? 音の出方が違います。こればかりは何とも言えません。

 ただ、箱のサイズ(リッター、容量)などを目安に、どのくらいの広い部屋で鳴らすのかなど、そうした考察も可能です。


 とはいえ、単純に、縦置きと横置きをした場合を考えつつ、どのくらいの面積があればこのホーンが乗るのか――そのくらいを念頭にしておけば良いのかなと。

 やっぱり問題は、中古で探すのに、それらに合ったのと上手く出逢えるかどうか、ですかね。



■ユニットを設置して繋げよう■


 箱のカタチにもよりますが、背面が開くタイプもあれば、開かないものもあります。後者の方がちょっと面倒ですので、説明をします。


 とはいえ、ウーファーの穴と、ツイーターの穴が全面に空いているので、まず小さいツイーターから設置して、内部配線を繋げます。その後、内部配線をしてから、ウーファーを取り付けます。

 どちらのユニットにも、ネジ穴があります。ドライバーだけでつけることは可能ですが、このネジ、いわゆるインチネジと呼ばれるもので、そこらに売っているものとは違います。付属しているかどうか、購入時に確認した方が良いでしょう。

 ドライバーはホーンとネジで繋いで(これもインチネジ)上に置くだけですが、きちんと箱の中央に置きましょう。

 また内部配線とは、スピーカーの背面端子への配線です。いわゆるスピーカーのケーブルをつける部分になりますね。


 さて、ここで問題です。

 それぞれ三つのユニットを設置すると、スピーカーケーブルがそれぞれ、三ヵ所から出ていることになりますね。

 ちなみにこれ、市販品ですと、内部配線で完結済みであり、繋げるのは背面端子の二ヶ所だけで済みます。


 ここで必要になるのが、ネットワークです。


 三つのユニットを一つにまとめ、パワーアンプからの配線を繋ぐためのものですね。これがないと、スピーカーは鳴りません。鳴るけど、なんというか全部鳴らないです、ええ。

 このネットワークも、種類がいくつかあります。


 クロスオーバー周波数って?


 ネットワークには必ず、たとえば800hz、7500hzといった、クロスオーバー周波数が存在します。一体なんだよと思いますが、簡単に言うと、上と下との繋ぐ周波数のことですね。

 つまり上記の例ですと、ウーファーとドライバー、低音と中音の境目を800hzにする、ということです。

 ネットワークの場合、これらは固定されており、変更は基本的にできません。ただ、出力そのものを低音寄り、高音寄りといった、ある程度の操作は可能です。


 ここでチャンネルデバイダー。


 アキュフェーズから出ているのが有名で、うちも使っていますが、これはいわゆるネットワークと同じことをします。つまり、クロスオーバー周波数があり、各ユニットを繋いで一つにする役割ですね。

 設置位置は、プリアンプとパワーアンプの間になります。これは詳しく、後述します。

 何が違うのかと問われれば、細かい調整が可能であること。そして、パワーアンプを二台以上使う場合は、必須とされます。

 ツイーターにはこのアンプ、ドライバーにはこのアンプと、それを変えることで音の出方も変わるので、よく使われているとは思います。

 簡単には、ネットワークそのもので、汎用性が高いと覚えておけば問題ありません。


 さて、ユニットを箱に取り付け、ネットワークに配線をすれば完成なのですが、ネットワークへの配線は、作業それ自体ではなく、繋ぎ方がやや面倒です。赤と黒のコードを、そのまま繋げるのと、逆に繋げるのとでは音の出方が違い、メーカーによっては、赤に黒を繋げろと、そう明記してあるものもあります。

 もうこうなると、音を聞きながら、逆にしたりするしかありません。基本的には、音が前へ(聞いている自分へ)出てくる方が正解、でしょうか。

 ちなみにこれ、市販のスピーカーでも同じです。試しに逆で繋げてみると……あれ? 音がちょっと変わりませんでしたか?



■アンプの設置、繋げ方■


 さあスピーカーができたのなら、あとは鳴らすだけだ!

 ――と、ちょっとお待ちよお前さん。アンプどこに繋ぐかわかってるんかい。


 コードでの配線の順番。


 どうやって音が鳴るのか? どう流れているのか?

 そう考えていただけると、非常にわかりやすいです。以下、順番です。


 CDプレイヤー(パソコンなど)→プリアンプ→チャンネルデバイダー→パワーアンプ→スピーカー。

 また、通常のネットワークを使った場合。

 CDプレイヤー(パソコンなど)→プリアンプ→パワーアンプ→ネットワーク→スピーカー。


 音を出すものから、プリアンプで制御して、音をパワーアンプに流して増幅し、スピーカーがそれを鳴らす、という流れです。

 チャンネルデバイダーを使うと、プリで制御しつつ、デバイダーが音をそれぞれユニットに分散しつつ、分散された音をパワーが増幅して、鳴らす流れになりますね。

 こう書くと、アンプ増やしてデバイダー使った方が、良い音になりそうな気がする工程ですよね。


 ちなみにこれ、実は電源を入れる順番でもあったりします。


 ステレオ機器は精密機械ですし、電源を入れる順序はきちんとした方が安全です。故障の心配もありますからね。

 まずプレイヤーの電源を入れる。それから、プリアンプの電源を入れ、デバイダーの電源を入れる。それからパワーアンプの電源を入れるわけです。


 電源を切る時もちゃんと順序を守って!


 入れる時よりも、実は、切る時の方が重要です。切るのは、入れる時と逆順序になりますが、しかし、パワーアンプを切ってからは、少し時間を置きましょう。

 何故?

 特に管球アンプなどは、真空管が温まっているため、電源を切った直後でも、まだ音が鳴る場合があります。デリケートなものなので、順序を守って切る際も、一度確認する意味も込めて、少し時間を置きましょう。


 でも入れっぱなしが一番だけどね!


 パソコンで使ってるのは、トランジスタと呼ばれるアンプで、電源は基本的に入れっぱなしです。実は、電気消費量を度外視したのならば、こういった機器は電源のオンオフがない方が、機器にとっては良いんです。

 A級アンプと呼ばれるものは違いますが、音を鳴らさなければ基本的に電源の消費そのものは低いです。なので、パソコンの電源を切ってしまえば、プリメインアンプなんかは、点けたままでも、そう問題はないわけですね。

 実際、CDプレイヤーの電源だけは絶対に切らない、という人も少なからずいます。あるいは、多いかも。切るのはパワーだけにする、とかも。

 もちろん、音楽を聴く頻度にもよりますが。


 ――さて、とりあえずは以上になります。ステレオのことが多少はわかったでしょうか。

 これを読んで一人でも多く、ステレオ好きが生まれればと思いましたがこれ、大丈夫かこの文章。むしろ好きにならないんじゃないか。面倒だしなーこれ。

 でも、一度でもステレオをきちんと聴けば、きっと興味を持つ――持って、うん、くれると嬉しいな。

 何か質問があって、答えられる範囲でなら答えます。どこからでもどうぞー。



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