レベル93 走れ!
「待って下さい~」
俺は全力でシルクさんを追うがもう限界だ。
シルク
「情けないな~、ぽこちゃんあんな情けないご主人より僕に乗り換えない?」
勝手に引き抜くな~!
それにしてもなんて脚力だ、生産職ってこんなにアグレッシブなの?
「ぜはぜは…シルクさん凄いですね、あれだけ走って息も切れないなんて」
シルク
「ふふふ、鍛え方が違うの♪僕の生産品の関係上いろんなところに採取しにいくからね」
「そうなんですか?」
ぽこ
わーかー しっかり こんじょうだす
く~あんなに可愛い ぽこ が届かない手で腕組みっぽいことして根性論を!
あんたはシルクさんに運んでもらっているがこちらは自力だ!
シルク
「折角だから見せてあげよう」
そういうとシルクさんは道端にあるミント色の花に触れると…
シルク
「よし、エイ!」
花びらの先がスルスルと糸状に変化する、
やがて花だけでなく葉、茎へと全てが糸になる!
シルク
「ココだと器具が無いから簡単なモノしか出来ないけど」
そういって糸を手に取り手で抱え込むこと数秒……
シルク
「はい、出来た ぽこちゃんどぞ」
そういって ぽこ の手首に綺麗な翠のグラディエーションを施したブレスレットを着けた。
「すげー」
シルク
「これが私のスキルよ!植物から糸を作り加工するの、植物のランクが上がれば上がるほど良い素材なのよ」
「そうなんですね」
シルク
「今日は折角だから!モモサクラを見に行きましょう!」
「サクラってあのピンク色の?」
シルク
「ええ、今日はオウカ高原に行くから」
桜か~田舎の爺ちゃんの裏庭にいっぱい木が有って、
お花見とか、婆ちゃんと草木染みたいなことして遊んだな~
「私もサクラは好きなので楽しみです!」
シルク
「ふふふ、サクラなんてどうでも良いのよ~レアなモモサクラが見たいのよ」
「モモサクラ?」
シルク
「そのサクラは他のサクラよりも色が濃くて煌びやかなのよ」
「そうなんですか」
シルク
「ぽこちゃんもモモサクラみたいよね」
ぽこ
さくら たのしみ
シルク
「それじゃ~!急いで行きましょう!」
また全力で走って行く~~~~
「また…走るのか~」




