レベル72 清算
チャリンチャリン
お金が地面に落ちる音がしてコインが消えて行く…
ウォオオオ!
敵の遠吠えが聞こえてキラキラのエフェクトが現れ消えて逝った。
「やったか…」
リスティナ
「やったわね!」
ジッジーナ
「ギリギリじゃったがな」
そう言って二人が駆け寄ってくる。
リスティナ
「ワーカー最後のあれはなに?」
「あ、あれはですね精霊の力を使った魔法なんですが」
ジッジーナ
「ほ~」
リスティナ
「とんだ隠し玉を持っていたのね…でもなんですぐに使わなかったの?そうすればもっと楽に」
リスティナさんが詰よって来た
「いや、その事情がありまして」
リスティナ
「事情?」
ジッジーナ
「答えはさっき大量に舞った金だな」
「ええ、あの技は自分の持ち金を力に変えるものでして」
リスティナ
「え?じゃ さっき放った金色のコインは」
「俺の全財産です」
リスティナ
「ああ、それはダメだわ…いくら使ったの?」
「6,000Gほど」
「でも!ドロップが出れば帳消しに出来るはず!」
リスティナ
「ドロップは!」
辺りを探すと目の前に宝箱が
ジッジーナ、リスティナ、俺
「あったーーー!」
ドロップアイテム
強狼の爪
主に薬の材料として使われるが市場に出回らない為 高価なモノらしい!
「よっしゃーーー!賭けに勝ったぞ!」
リスティナ
「賭けに勝った!これなら首位も夢じゃないわ」
皆で喜んだが…
ジッジーナ
「いかん!時間がない急げ!」
ジッジーナさんの言葉に我に返り眠りについたリズンを俺がおぶって急ぎゴールへと急ぐ!
そこからは敵もあまり出なかったため順調に進むことができた。
リスティナ
「街が見えて来たわ!」
ジッジーナ
「ゴールはこの町をちょっと行った所じゃ!この町でドロップ品を売ろう」
「え?ここで売るんですか」
ジッジーナ
「ああ、ドロップ品のままでもゴールで課金してくれるが その際は最低値になってしまうここなら若干ではあるが高く売れるはずじゃ」
町についてみると小さな街に関わらず行商人がたくさん居た。
リスティナ
「恒例とはいえ凄い人ね」
ジッジーナ
「ああ、行商人も最低値近くでモノを仕入ることが出来るからな」
「時間も無いし急ぎましょう」
俺達は何人かの行商人を回って一番高いところでドロップ品を売ったが…
リスティナ
「困ったわね」
「ですね」
ジッジーナ
「ふ~む」
問題が起こったそれは…一番値の張るはずの強狼の爪がどこも引き取ってくれないのである。
ジッジーナ
「これだけ高い商品になると…行商人レベルでは無理か…仕方ない最低値でも上位は確実だこのままゴールへ行こう」
「ですね」
そう諦めていた時…
???
「あのすみません、その強狼の爪買わせて頂けませんか」
!
そこには爽やかな青年商人がにこやかにほほ笑んでいる」
ジッジーナ
「御幾らで買うつもりかな?」
???
「そうですね、最低値は13万でしたから14万で如何でしょう?」
リスティナ
「これなら売ったほうがいいんじゃない?」
ジッジーナ
「う~ん 確かにその方が…」
俺達は協議した結果その商人売ることにした。
???
「ありがとうございます、これはお金です」
ずっしと重い麻袋が渡される。
リスティナ
「ふふふ、まいど~」
???
「いえいえ、こちらも助かりました でわ」
そういって男は行ってしまった。
「よし!行けるコレで首位獲っちゃうかも」
リスティナ
「獲っちゃうじゃなくて!獲るのよ!ふふふ」
ジッジーナ
「うむ~」
「どうしたんですか?」
ジッジーナ
「いや~う~ん なんでもない先を急ごう」
俺達は精算を終えゴールへと走る!
途中リズンが目を覚ました。
リズン
「あ!どうなった?!勝てた」
リスティナ
「お!ヒロインの御目覚めかな!勝てたわよ!あんたのおかげ」
リズン
「え!私のそうなのかな~エヘヘ」
リスティナ
「そうよ!しかもドロップまで出たからこのまま行けば首位よ」
リズン
「ほんと!」
ジッジーナ
「うむ」
「リズン大手柄だ!」
リズン
「えへへへ」
勝利に酔いながら俺達はリクル洞窟で銀の鉱石を採り、帰りは安全な道で採取が復活しているモノを探しながらゴールへ戻った。
ゴール地点で道中の収支を書いた用紙を渡し確認を受ける、
ジッジーナさんに聞いたところ監査役の人もチェックしており後で照合して差異は減点になるらしい。
審査方法は 最初の持ち金(アイテム等はお金に換算)-ゴール後の持ち金=差額
差額の多さがポイントなる。
審査結果は3日後になるということで 今回はさすがに疲れたので一旦解散、打ち上げ等は審査後にしようという話になった。
リスティナ
「それじゃ3日後に!打ち上げはパーッとやりましょう」
ジッジーナ
「じゃあな」
各自が帰って行く中、
リズンが近くまでやってきて…
リズン
「ワーカーありがとね!」
そういってジャンプしてほっぺにキスされた。
「え?!」
リズン
「ご褒美よ!また3日後」
俺は驚きに固まっていた。




