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レベル65 わからないことをわからないまま進むのは危険だよ

 リスティナ

「まいったわね~」


 俺

「ですね…」


 ジッジーナ

「…」


 出遅れがかなり響いていてドロップ品、採取品とも根こそぎ取られている。


 リズン

「どうなってるのよ!これじゃ合格できないじゃない!」


 原因の本人は愚痴ばかり…


 リスティナ

「まったく…」


 ジッジーナ

「…」


う~ん このままではまずいぞ…

まずいと分かっていながら進むのは一番の愚行だ。

分からないことに対して立ち止まってしまうのも問題だが、

問題に対してなんの解決も無しに時が進んでしまうのもまた大きな問題である。


「このルート以外の道ってあります?」


 リスティナ

「そうね…このまま進んでても不合格は確定だから賭けに出るのも手ね」


 ジッジーナ

「ふむ、ならばかなり時間は掛るが難易度の高い山岳ルートか」


 そういうとジッジーナさんはMAPを出してルートを指さす。


「なるほど、結構険しい道ですがこのまま不合格を待つより良いか」


 リスティナ

「そうね、このルートだと採取、ドロップはどんなものがありそうなのかしら」


 ジッジーナ

「出没モンスターのドロップは ワイバーンからの竜の爪、ストーンゴーレムの磨き石、ダンスファイヤー草の火の草、採取は木の実系、キノコ、野草、鉱石」


 リスティナ

「敵は結構高レベルだから時間的なことを考えて最低限の戦闘にして、採取品をメインに稼ぐ方針でどうかしら?」


 さすが商人 事前の下調べとそこからどうすれば最適に物事を進めるかの計算が速い…


「そうですね、それがベストかと」


 だが…


 リズン

「いやじゃ!山岳なんてひどい道そうだし」


 ああ、まったくこの子は…


 リスティナ

「いいかげんにしない!あなたも商人の端くれでしょ!現状を考えなさい」


 ジッジーナ

「いやならお前さんだけでゴールへ行って待ってろ」


 リズン

「ううう」


 ああ、泣きそうっていうか泣いてるな…

 しょうがないな。


「ほら、泣くんじゃない 今は仕事中なんだよ 仕事で泣いても誰も助けてくれないどころかみんなから悪いイメージがついちゃうんだ、子供ならしかたないけど君は子供かな?」


 リズン

「な 泣いてないもん 子供じゃないもん」


「そうか、じゃあ大人なら泣かないで自分で選択するんだ、一緒に来るのか 一人でゴールを目指すのか それとも他に良い案があるのか」


 リズン

「一緒に行く…」


「よし、自分で決めたんだから文句言っちゃダメだぞ」


 リズン

「…」


 まあ、この言い方は半ば強制的な感じだから好きじゃないけど…


 リスティナ

「甘いわね…」


 ジッジーナ

「まったくじゃ」


 そこから最短ルートから外れて川沿いのルートへと移行した。

 すると…


 ブーン!


 リスティナ

「なにか来るわ!」


 目の前に4匹のハチの様なモンスターが現れた。


 キラビー レベル45

 HP250

 MP100

 スキル 針攻撃、高速移動、拘束


 リスティナ

「敵よ!」


 各自が武器をもち迎撃に備える。


 リスティナさんは鞭

 ジッジーナさんはショートソード

 リズンは…怯えている


 これはフォローしないとダメだな。


 ジッジーナ

「相手はさほど強く無い」


 そういってジッジーナさんが1匹の敵を斬りつける。


 リスティナ

「そうね、さっさと終わらすわよ!ダンシングウィップ!」


 リスティナさんの鞭スキルが発動し1匹のハチに多段ヒット

 さて こうなると俺が2体相手にしないとダメか…

 まずは注意をこっちに集めるか…


「ほれ こっちだ!」


 俺は2体に向けて投擲を行う!2匹がこちらに来ることを確認して注意を引けたとおもったのだが、

 途中一匹が消えたようにみえた、多分スキルの高速移動を使ったのだろうか?

 俺は衝撃に備えたが何も起こらない。


「いやーーー!」


 リズンの声!

 まずい!そうあいつらのターゲットは俺でなくリズンに、

 高速移動した一匹がリズンをスキルの拘束を使いリズンを持ち上げ宙吊りにしている。

 そして、残りの一匹もリズンの方へ向かう。


 リスティナ

「もう!ほんと手の掛る!」


 ジッジーナ

「自分でなんとかできんか」


 俺も再び投擲を試みるが早すぎて当たらない…


「まずい!」


 リズンまで敵が迫ったその時!


 リズン

「嫌だっていってるでしょーーーー!」


 突然リズンの体が淡くピンクに光だし拘束を素手から出したピンクの光で敵ごと薙ぎ払い…

 向かってくる敵にも再度ピンクの光を拳ごとぶつけて倒し同時にリズンはそのままそこに倒れた。

 俺は急いでリズンの元へ駆け寄る…

 他の2人も敵を倒してこちらにやってきた。

 

リスティナ

「大丈夫そうなの?」


「ええ、なんというか寝てます」


ジッジーナ

「ふむ…これはバーサクって奴だな」


「バーサク?」


 ジッジーナ

「狂戦士ともいうスキルでレアスキルその能力は我を忘れ超攻撃力を発揮するという」


 リスティナ

「我を忘れるってことは」


 ジッジーナ

「うむ、敵味方関係なしじゃ」


 こわ!なにそれ!


「かなり過激なスキルですね」


 ジッジーナ

「うむ、なのでこのスキルを持つモノは圧倒的な攻撃力と引き換えに 人々から恐れられ、一部の職には着けないなどいろんなデメリットがある」


 リスティナ

「う~ん、この子苦労してそうには見えないけど」


 ジッジーナ

「その辺りはわからんが、あまり怒らせない方がよさそうじゃ」


 リスティナ

「そうね…任せた!」


 そういって俺の肩を叩くリスティナさん。


「えええ!」


 ジッジーナ

「うむ、適任じゃな」


 波乱含みの試験はまだ始まったばかりなのに…問題山積。


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