レベル49 二重計上
「遠い所すまんな」
恰幅の良いおじさんが俺達を出迎えてくれた。
「すみません、遅くなりまして」
「いやいや、別にかまわんよ 私はマジコ 今日は疲れているだろうから部屋を用意しているから休みなさい」
「すみません」
「えっとそっちで寝てるのがキララ君かな?」
「はい・・・」
「そうか」
結局あの後キララさんは酔いつぶれて寝てしまった…
俺はキララさんをベッドに運んで、自分の部屋へ行きログアウトした。
~リアルの職場~
「ういっすお疲れ~」
「おう!お前GWどうすんだ?」
「特に予定ないっすね、今年はGW休み短いっすから」
「だよな~」
俺は今年はゲームにどっぷりのインドアライフの予定だ!
「まあ、休み前に大欠品とか問題が起きないことを願うだけだな」
「まったくです」
俺は早々に帰宅して再びゲームへ!
~ゲームの自室~
俺がゲームにログインすると部屋の机の上に手紙が置いてあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワーカー君この前はありがとうね!
追伸 変なことしてないでしょうね!
キララ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
してません!
などと手紙にツッコミながら身支度をして仕事場へいくと…
マジコ
「おう!おはよう」
「あ、マジコ店長おはようございます」
お店に行くと新しいマップのお店を見にきたのだろうか沢山のプレイヤー達が店内にいる。
「すごい人ですね」
「ああ、ここ最近急に増えてね 嬉しいことなんだが…」
「何か問題があるんですか_」
「ああ、なぜだか売上が全然あがらないどころか若干赤なんだ」
「え?」
「盗まれているわけでもなさそうだし、会計が間違ってるわけでもないのだが…」
「なるほど~ちょっと俺もいろいろ調べてみますね」
何が原因だろうか…俺は店内で盗みをしているものがいないか、不正をしてるものがいないか、
隈なく探したがおかしい所はなかった。
しかし…その答えは意外なところにあった。
その日の夜…お店が忙しくなり俺も店番をすることになった。
俺
「鉄の鎖鎌と回復薬80 以上で宜しいですか?4000Gになります」
プレイヤー
「あ、一旦キャンセルで」
俺
「はい」
プレイヤー
「これ、お願いします」
ん?
「鉄の鎖鎌2と回復薬160 以上で宜しいですか?8000Gになります?」
同じものを2倍にして出してきた。
プレイヤー
「え?4000Gじゃないの?」
俺
「え?どうみても4000Gじゃないでしょ」
プレイヤー
「え?あ!お前プレイヤーじゃないか」
「ええ、プレイヤーの店員ですが?」
プレイヤー
「なんでプレイヤーが、くっそNPCの店員は」
そういうとNPCの店員ムッコさんのことへ行ってしまった。
何か変だな?
俺はそのプレイヤーの会計を見に行くと…
NPCムッコ
「鉄の鎖鎌と回復薬80 以上で宜しいですか?4000Gになります」
プレイヤー
「あ、一旦キャンセルで」
NPCムッコ
「はい」
プレイヤー
「これ、お願いします」
NPCムッコ
「鉄の鎖鎌2と回復薬160 以上で宜しいですか?4000Gになります?」
ん!?
物が倍になってるのに金額が一緒になってる!
こういう時は…
「おい 金の精霊」
ぽん
「人を便利グッズみたいに呼ばないで下さいよ」
現れたのは俺が教育係を任されたゴーゴー。
「おい!あれ見てみろ」
!?
ゴーゴーが状況を見て目を見開いてる!
「あああ、これはまさか…」
俺
「バグだな」
ゴーゴー
「まずいっす!先輩に怒られるっす!」
俺
「だな」
ゴーゴー
「すぐ!修正入れるっす!」
そう言って消えた。
しかし、これはバグの嵐の始まりでしかなかった…