レベル45 苦労と努力と忍耐
「おう!来たかい」
俺の部屋に戻ると金の精霊が待っていた…
俺の保存食を食べながら!
「あの…それ俺の」
「細かいことは気にしない!で?クエストの答えを持ってきたのかな?」
「これで良いですか?」
俺は集めてきたゴーテスの鉱石を見せた。
「う~ん、違うんすよね~そういう根本的なことじゃなくて、システム的なことを言ってるっすよ」
「システム?」
「ほら、配る側としても地道に稼いだりシステム考えたりしないと世界のお金のバランスがおかしくなるって上から言われてて」
「はい?」
「ぶっちゃけ、株とかネズミ算でもなんでも良いんでそういうの持ってきてくれます?」
株?ネズミ算なにこのリアルすぎる単語、最後に至っては犯罪だ。
「それはなんというか、あなたの仕事では?」
ギク!
今なんかヤバイって顔したなコイツ…
「そ、そんなことないっすよ!ほら俺は金の精霊っすからプレイヤーにそういう案を聞くのも仕事っていうか」
今こいつプレイヤーって言ったような…
そうするとコイツは…
俺の推測が正しければコイツは俺に仕事丸投げしてるな…
「ふむ、答えが解りました」
「お!さすがサラリーマンっすね!なんすか!どんなことっすか」
金の精霊が前のめりで聞いてくる。
「お金を生むモノ「苦労と努力と忍耐」です!」
「え?」
金の精霊はぽか~んとしている。
「良いですか!まず苦労 お仕事なので楽しいことより苦しいことが多い!だからってそれから逃げていたらドンドン評価が下がります!楽そうに仕事してる人ほど苦労を乗り越えている人が多い」
「いや、あの」
「努力!仕事をしていれば壁にぶち当たります、それに対してなんの対策もせずに、わからないとか、運が悪いだの言ってても何の解決にもならないどころか又その問題が自分の前に立ちはだかりぬけ出れなくなる!」
「…」
「忍耐!時には理不尽なこと、不運なことなのに自分の失敗にされるなどやるせないことなんか幾らでもある!それこそ朝挨拶が気に入らないとか意味不明なことで怒られたりすることだってある」
「それが金とどう関わりがあるんっすか!」
「あんたは金を生むモノを探していると言ったな、答えはそういった経験が金になるんだ!人に仕事丸投げしようとする奴に金を掴む資格はない!」
ビク!
「ふん!後悔してもしらないっすよ!」
そういって金の精が外へ出ようとした瞬間…
シュッ!
出ようとした精霊の前に光が降り注ぎ何かが降臨した…
「待て」
その降臨した者が精霊を止めた…
「え?先輩っすか!」
「このバカたれが今のやり取り見せてもらった、お前仕事丸投げしようとしたな」
「いや、あれはプレイヤーの意見をですね」
「バカタレ!」
「…」
シュンとなる精霊…
「いや、お恥ずかしい所をお見せしました、あなたの言う通りです!仕事なんてのは苦労と努力と忍耐ですよ 」
何か熱く語り出す。
「あの~よかったら座ります」
長くなりそうだったので椅子を進めると…
「お、これはどうも いや~あなたの言葉沁みました~あ、私カネダ じゃないカネと申します」
今カネダって言ってたような…
「立ち話もなんですから」
俺の部屋なんですが…
そういうと何か飲み物らしき瓶と良い匂いの料理が出てきた。
「まあ、一杯どうです」
「ありがとうございます」
妖精殺し ランク??
妖精が浴びるほど飲んでしまう上質な酒
クラーケンげそ ランク??
神話級のイカのげそ 味は格別
なんだろう、この居酒屋メニュー
そこからまるで居酒屋の様なトークが…
カネ
「ですからね、私も何度かこいつには言ってるんです」
金の精霊
「後は二人で」
カネ
「逃げんじゃない!」
金の精霊
「ほんとこいつはいつもこうなんですよ」
それから数時間…
この人話が長い!
酒がうまくなかったら逃げるとこだ!
「なるほどですね」
「はい」
「御苦労なさって」
「そうなんですか」
俺はこの4パターンしか言ってない!
この人のトークマシンガンが鳴りっぱなし…
そしてサラリーマンだから感じる飲み会の終わりの空気…
飲み会も終わるかな?
「いや~あなたは素晴らしい!決めました!おい!お前この人の下で修行しろ!」
「え?待ってくださいよ、ほらあの~この人もずっと俺がいたら迷惑だろうし」
「まあ、たしかに…」
俺も嫌だぞこんなの!
「だったら!時々で良いコイツを教育してくれ!」
「え?」
「え?」
2人も声がハモッた!
「じゃ そういうことだ!決定!」
そういうとカネさんは消えてしまった。
言っとくけど!部下育てるのも上司の仕事だからね~~~~~!
俺の叫びは悲しくも部屋に響くだけ~~~~~




