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レベル31 飲み会は時に絶対命令

「ワーカーとりあえず達成出来てよかったね」


 キララ先輩が笑いながら言ってくる。


「うむ、川に流されたときはその…焦ったが良かった、この女が居なければ私が素早く助けられたのだが」


「なんですって!そもそもあんたが声かけるのが遅いのが悪いんでしょ、それこそあんたが居なければ私が完璧なエスコートしてたよ!」


 また 始まった…


「ワーカー…その何だ、お前もかなりの苦労人だな…」


「あい(涙)」


 街の近くまで来ると…


「ワーカー私はココで待っているから、手斧とあと出来れば顔を隠せる上半身装備を頼む」


 するとキララさんが…


「どうして一緒にこないの?お店に来ればサービスするよ」


 何そのどこぞの飲み屋みたいな誘い方!


「いや、ちょっと前に一回トラブルがあって」


「大丈夫よ!私が守ってあげるから」


 アイナさんが胸を叩くが…

 うん、レベル的にも実力的にもあんたは守れる方だ。


 キララ先輩が

「この子はどうかと思うけど、私が何かあったら叩きのめすから!せっかくだから一緒に飲みましょう」


 手加減してくださいね…

 そういうと二人はハルルさんを引っ張って村へと引きずり入れて行く。


「いや ちょっと!キララさんちょっと力強すぎ!やめて~」


 若干涙目のハルルさんは後半キララ先輩に振り回されながら村へと入って行った。


 ~酒場~


「今日は私のおごりだから!じゃんじゃん飲んでね」


 お店での買い物をして早々に帰ろうと考えていたハルルさんだったが結果はこれである。


 買い物しようとしたらキララさんが今日は飲みに行って明日買い物しようと提案

 ↓

 ハルルさん逃げようとする

 ↓

 キララ先輩に捕まる

 ↓

 振り回される

 ↓

 飲み屋


「ワーカー私何か悪いことした?!」


 行き成り呼び捨てにされたことよりも、ハルルさんの涙目で必死に訴えかけてくる姿を見て。


「ハルルさん…上司の飲み会は時に絶対命令に等しいんです…」


「そんな~~~!」


 それから暫く涙目で俺に訴えかけてきたが、

 暫くして観念したようだ…


「なあ、ダイン」


「どうしました?ハルルさん」


「キララさんってNPCなの?!」


「ええ、そうですよ」


「やっぱりそうなのか、ステみたら表記がNPCだったけど…こんなに普通にしゃべってくるものなの?アップデートとかして変わったのか?」


「俺にとってコレが普通だったのでなんとも」


 ハルルさんもそう感じるのか~

 アイナさんはそんなこと言ってなかったけど…この人はそういうこと気にしない感じだから…

 それからはキララ先輩が一方的にハルルさんをいじり、

 アイナさんと途中でバトルを始めるなどある意味盛り上がった。


 そんな時に…


「お!可愛いキャラじゃん、フレにならない?」


 3人組の男のプレイヤーが俺達を囲む…


「やっぱりか…」


 ハルルさんの顔が曇る。


 その時…


「ちょっとあんた達!楽しく飲んでるとこに水を差すのやめてくれない?」


 キララさんが間に入る。


「え?キララさん?NPCの」


「何よ!文句あるの?あなた旅の人よね?」


 鋭い眼光…


「え?あ?」


 おどおどするプレイヤー達…


「この町で静かにすごしたいなら、邪魔しないでくれる?」


 おっと!キララさんって昔もしかしてやんちゃしてましたかな…


「すみませんでした!」


 プレイヤー達はそのまま撤収して行った。


 後に掲示板でキララさんのキレキャラを一生懸命書き込む人が居たらしいが

 日頃のキララさんから想像できないとスルーされ続けたことは又のちの話である。


「それじゃ!気分直して飲みましょうか!」


「はい!」


 なぜか直立で返事をする俺とハルルさん、

 今の出来事などまったく気にしないでバトルを続けるアイナさん…

 アイナさんある意味大物だな。


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