レベル20 給料天引き
「盾が~うううぅ」
俺は半泣き…いや全泣きのアイナさんを引きずって村に帰ってきた。
「はいはい、半分出しますから」
「結構高かったの」
「はいはい」
「もう売ってないかもしれない~~」
めんどくさ!
「えっとどこで買ったんですか?」
「あそこ」
アイナさんが指さしたのは俺の勤め先だった。
「あそこ俺の勤め先だから聞いてみますよ」
「ふえ?勤める?」
「俺の職業サラリーマンだから」
「へえ~おもしろい職業なのね」
多分良くわかってないんだろうなこの人…
「ただ今戻りました」
店に戻ると親方が居た。
「おう、依頼したモノは持ってきたか?」
「はい!」
俺は採取したモノを親方に渡すと…
職業クエスト達成
・商品引取
達成ランク「S」
うっし!今回もS!
「おっし、合格だ」
「ありがとうございます!」
「で?その泣いている子はどうした?お前が泣かしたのか」
親方の白い目
「いえいえ!違います!」
俺は事情を話すと
「そうかそうか、それは悪いことしたなお嬢ちゃん、コレ持ってけ」
そういうと親方は奥からアイナさんが前回装備したのより高そうな盾を持ってきた。
「え!良いんですか!」
わ~満面の笑顔立ち直り早!
「親方すみません」
俺がお礼を親方に言うと
「何言ってんだ?給料天引きだぞ」
「え!」
「安心しろ社割にしとくから」
「はい…」
「そういえば明日給料日だったなそこから引くからな」
「はい…あの~そっちの盾に変えてもらえないですか」
俺がワンランク下の盾を指さすと…
「わ~い盾♪新しい盾♪」
わざとなのかわからんが…聞いちゃいね~
それから親方と別れて町の広場で休んで…いや落ち込んでると…
アイナさんがやって来た。
「しかし、不思議だよね~NPCってあんな風に話してくるんだ」
「え?みんなああいう感じじゃないの?」
「う~ん、対応自体はそつ無くしてくる感じだけどあんなに感情がはっきり出てないような」
う~ん、職業と好感度が関係してるのかな…
「盾もタダでもらえたし!またいつでもついて行ってあげるからね」
「タダじゃないんですよ!俺の給料から引かれるんです」
「ははは!まあ!その安価で私みたいな優秀な騎士をレンタルできたのだ!」
「MP切れてなにもできなかった騎士さん」
「ううう!また泣くよ!」
こうして職業クエはなんとか終わった。