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レベル19 同業者

「アイナさん!とりあえずこの前と同じでタンク役お願いします」


「了解!」


 俺は前回の戦いと同じように前衛アイナさん、中距離を俺という配置、

 今回アイナさんがMP切れで挑発を使えない為、意識を逸らしてからの無拍子のコンボが使えない。


「ワーカーさん!早めに倒してね」


「頑張ってます!」


 どうしても通常攻撃の為、思うようにダメージが通らない、

 敵の攻撃がHPが減るにつれて敵の攻撃も激しくなる。


 シャアアー!


 敵のスキル攻撃?が発動したのかシャワー状の水の様なモノを吹き付けてきた。


「きゃ!何これ…盾が!盾の耐久力が凄く減ってる!」


「ああ、たぶん敵のスキルの酸ってヤツですね」


「このまま耐久力減ったら盾壊れちゃう!」


「わかってますから!」


 一心不乱に攻撃を重ねてなんとか倒すことはできたが…


「私の盾があと耐久1…もう使わないから!」


「えええ!代えの盾は?」


「ない」


「タンク役が盾なかったら成り立たないでしょ!」


「これ戦ったの!」


「はあ~」


「しょうがない…逃げながらいきましょう」


そこから敵に会ってはダッシュで逃げて、また戻っての繰り返し…

めちゃめちゃ時間が掛った上に、途中ダンジョンいるNPCさんにまでかなり心配された。


「NPCさんにこんなに心配されたことなんて今までなかったですよ」


 ダメ戦士さんことアイナさんが息を切らせながら言う…


「たぶん、あれだけ悲鳴上げてれば心配すると思うよ」


 そう逃げる時にこのダメ戦士さんはものすごい悲鳴を上げながら逃げていた。

 多分そのせいだろう…


 それから数時間をかけてなんとか目的地の目の前にまで到着。


「はあはあ、なんとかついた」


「う~もう動けない~鎧とか私重いの~」


 タンクの出来ない戦士が…

 いや皆まで言うまい…


「この先が目的地みたいですから、さっさと終わらせて帰りましょう」


「早くしてね~」


 このダメ戦士!


 さっさとクエスト済ませて帰ろうと奥へ進もうとしたとき!


 キシャーー!


 俺達の進もうとした方向から…


 スピードマザーアント エリアストロングモンスター(ESM)

 レベル20

 HP100

≪スキル≫

 強酸

  スピードギア

 アイアンアタック


 でけーーー!


 見上げるほどの大きさ…先ほどの戦った敵の3倍くらいのでかさ…


「これは…まずいな」


「ワーカーなにアレ!ヤバイよ!逃げようっていうか逃げるから!」


 おおい!自称騎士目指してる方は俺の残して逃亡するな!


「置いてくな!」


 俺達はその場からすぐに逃げようとするが、

 敵の体が青いようなオーラを放ち始めて…


 ビューン!


 俺達が逃げようとした方向にすごいスピードで敵が移動した。


「なにコイツ!早すぎ」


「たぶん、アレがスピードギアってスキルかな…逃げれんな」


 すると敵がさっきの敵と同じ酸を飛ばすモーションをしてきた。


「酸が来る!」


 俺達は敵の正面から急いで回避!


 ピューー!じゅわわ


 その酸は明らかに先ほどの威力どころではなかった、 

敵が吐いた酸の地面や岩はドロドロに溶けている。


「あんなの食らったら装備なんか一発だし、下手したら即死だぞ」


「え~~!嫌よ せっかく買った鎧とか無くなるなんて!」


 アイナさんがそういって俺の後ろに隠れる。


「騎士が!それでいいのか!」


「戦略的撤退」


「このダメ戦士が!」


「う~ダメ戦士じゃないもん!」


 敵が目前まで迫りさすがにもうダメか…


 ズサン!


 何かが刺さる音がした。

 くっそ死に戻りか…デスペナってどんだっけかな?

 と思っていたが…おかしなことに気づく、

 ダメージを受けたはずなのに衝撃が一切無い!

 俺は恐る恐る目をあけると…


「敵が目の前で止まっている」


 ???


「あれ?」


 まさか!アイナさんが…


「うう!防具とか壊さないで」


 俺の背後でダメ戦士さんは震えていた。

 ですねよ…

 となると何が起こっているんだ…


 次の瞬間…


 ズアバン!


 敵が左右に裂けて光へと変わって行く…


「!?」


 スピードマザーアントを撃破!

 ???の靴を入手した


 撃破のメッセージが流れた。

 俺が呆然としてると…


「おーい、大丈夫か」


 そこにはツルハシを持ったNPCさんが立っていた。


「はい…なんとか」


「お前さんその腕章ドール親方のとこの子かい?」


「はい」


「そうかそうか、気をつけんとだめじゃぞ~」


「はい、ありがとうございます あなたは?」


「おう!俺はタゴキチここで採掘とかやってる まあお前さんの同業者だ」


「同業者!」


「おう、最近勝手にここで採取とかする不届きモノが増えてな、見た目からてっきりそいつらの仲間かともったが腕章をみたらドールさんのだったからな」


「そうなんですね、ありがとうございますタゴキチさん」


 たぶん、プレイヤー達のことだろうなら不届きモノってのは…


「いやいや、いつもはライバルかも知れんが困った時はお互い様だ」


同業者の助け合いか…たしかにいつもはライバルだが飲み会の席とか、

いざというときに横のつながりって頼りなるときがあるもんな…


「しかし、お強いんですね」


「あ?俺達はここで働いてるんだ、こんな敵いつも蹴散らしてんだ」


 それもそうか…いつもココにいるんだから自分の身を守れるのも当然か…


「自分も頑張らないと」


「お前さん新人さんかい、こっちの道はあぶないから普通は広い道を通るんだがここに来る途中でだれかに言われんかったのかい?」


 もしかして…さっきからNPCに声かけられたのって…悲鳴のせいじゃなくて…


「まあ良い、ほれコレ飲めや」


 回復ポーションをくれた。


「ありがとうございます!助かります」


「まあ 新人のうちは無茶しがちだからな、俺の若いときは…」


 そこから武勇伝を数分聞かされた。


「えっとお使いの目的地はホレあそこ黄色の線の向こうにある案内してやるよ」


 そういって案内してくれるタゴキチさん。


「助かったみたいね!じゃ 行きましょう!」


 どうやらダメ戦士さんが正気に戻ったらしい…


「ああ、お前さんはダメだ ここから先は関係者以外 立ち入り禁止だ」


「ええ!」


「そういうことみたいだから、ここで待ってて下さいね」


「私一人?!」


 俺は泣き顔のアイナさんを置いて奥へ行きクエストのアイテムを回収して

 クエストを達成することができた。


 ちなみにアイナさんは待ってる間にアントゴーレムに襲われていた…

 敵は俺とタゴキチさんで倒したが…アイナさんの盾は戻らぬモノに…


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