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十月二日
何気なく家でテレビを観ながら隣で横になっていた彼女の足の裏を揉むと彼女は目をキラキラさせながら一言。
「靴下履いてこよっか」
彼女は足の裏をマッサージされるのが好きだ、そしてその時は裏にもふもふの付いた靴下を履くのが暗黙のルールとなっている。
彼女は僕の返事も聞かずにいそいそと靴下を履き、布団の上にうつ伏せに寝転んだ。
「はい、どうぞ」
僕はバラエティ番組を観ながらゆっくりと足の裏を押す。あまり強く押さずに左右に揺れながらぐっぐっと。
程なくして彼女の呼吸が寝息に変わる。相変わらずこのマッサージをすると直ぐに眠ってしまうようだ。
だが僕がマッサージを止めると足をバタバタさせ起きてるよアピールをする。
僕はそれを見てまたマッサージを続けた。それを四、五回した辺りで彼女は深い眠りに付いたようでマッサージを止めても起きてるアピールをしなくなった。
仕事も休みで病院も無い、こんな日はこうやってまったりと過ごす。




