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十月二十日
布団の上で目を瞑りウトウトとしていると不意に頭に掌が置かれた。
「……ん?」
「ただ頭撫でたくなっただけ」
僕が不思議そうに見上げると彼女はそう呟きまた頭の上に手を置いた。
規則正しく髪に触れる指先が心地よく、まどろみの中に落ちていく。
「今日はシチュー作ってあげるね」
シチューは僕の大好物だ。眠くて声が出ない代わりに僕は喜びの表現しようと身体をゆすった。
「うわ、おしり振っとる」
数時間ほどし目が覚めるとシチューが出来上がっていた。
こんな日常がずっと続けば良いのに。僕は心から思った。




