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伯爵様、計画する。

 さてさて結局の所、グランとの距離はわからないから適度を保っている私です。

 付かず離れずぐらいの距離かな? 必要以上に近づくと怖がられるかもしれないし、正直ちょっと悲しい。私はあの綺麗な顔が私の事を見て悲しそうに歪むのなんて嫌だ。

 それもあってあまり近づかないようにしている。グランってば私がどういう人間なのかわからなくてびくびくしているみたいだから。そんなこんなで数か月が経過した。

 グランは私の事をどういう人間なんだろうって感じて観察していて、それで少しずつグランの方から距離をつめてはきているんだけどねー。あはは、嬉しいね。それって私がおびえなくてもいい存在だって何となく理解してくれているってことでしょう。私はそれがうれしいと思うよ。

 私のことをグランが理解しようとしてくれているってことが、うれしいんだよ。私は皆に変人って言われる。異常だっても、何度も言われた。私にはそれだけの力があって、私が簡単にできることは普通の人には決して簡単にできることではないってのも知っている。

 でも、これが私なのだ。私っていう存在はそういうものなのだ。私は自分の好きなように生きる。力があるからって利用されるのもまっぴらごめんだし、自分の力は私が使いたいように使う。

 幸いにも、陛下はそのことをちゃんと理解してくれた。そして陛下はこの国のことを思ってくださる素晴らしい方だ。サーラ様のお父上なだけあって、美しい。まぁ、天使であるサーラ様と私のグランにはかなわないけどね。ふふん、グランは美しいの!

 戦争中は陛下の命令は素直に聞いていた。だって陛下は意味のないことを私に命令はしなかった。私の意思を尊重してくれていた。何より天使の父親の意見に逆らう気はなかったし、サーラ様にも『お父様のいう事を聞いてね』って頼まれてたから喜んでうなずいた。

 そうそう、私は今、サーラ様とグランを会せようと計画中なの。

 だって私の中でも天使具合がマックスで、かわいくて綺麗な二人が二人で微笑み合っているとか、そういうの想像するだけでもう興奮するわ。鼻血でそう。

 「はぁはぁ、やばいわぁああ」

 「……何がやばいのですか?」

 「天使であり女神でもある麗しく優しいサーラ様とそのサーラ様と並べるほどの美しさを持つ私のグランが横に並び、楽しげに話すことがよ!! あぁああ、もう何想像するだけで天にも昇るような楽園! 私は楽園を実現する!」

 「……そうですか」

 ちなみに私が今はなしているのは、うちの文官筆頭であるディリートだよ。うちの領の領地経営をしてくれているの。私も意見は出すけど大体私はそういう仕事はしていない。

 私がやっているのは、この領地に隣接した森から町にやってくる魔物の退治とか、そういうのばっかだよ。というか、私はそもそも子爵家の長女で、子爵家はお兄様が継ぐことになってたし、幼いころからやらされていたのは一応淑女教育だけだよ。……一応これでも貴族令嬢だから、刺繍とか、マナーとかはかろうじて家庭教師の先生に及第点をもらえるぐらいにはできるんだよ?

 貴族の令嬢って、大体嫁いで貴族夫人として生きるのが主なんだよね。領地経営に携わっている夫人とかもいるけど、お兄様がいて子爵家を継ぐわけじゃないし、そういうのは習ってないんだよね。それに加えて私は頭を使うことより、体を動かすことのほうが好きだった。だからまかせっきりだよ?

 ちなみに私がこの領地を与えられた理由は、ここが隣国に隣接している領地だからだよー。私がいるってだけで色々と抑止力になるからだって。

 良いように使われている気がするけど、別にいいよー。天使であるサーラ様の役に立てるならね。

 「むふふふふ、サーラ様にお手紙をかかなきゃ」

 「……しょうもない理由でサーラ様に手紙を書く気ですか?」

 「しょうもなくないもん。美しい美少女と美少年の邂逅を願うっていう崇高な目的のためだよ?」

 「……そうですか。まぁ、サーラ様も貴方様の願いならかなえるでしょう」

 「サーラ様はこんな私にまで優しくしてくださり、清らかな心を持ち合わせていて、私の手紙にはすぐに返信をくれるの。ああぁああ、サーラ様、マジ天使。私の麗しい天使様だよ!」

 「サーラ様はマリアージュ様のこと慕っておられますからね」

 「もう、あんなにかわいくて美しくて優しい天使様が私のこと慕ってくれているっていうか、私の名前を親しげに呼んでくれて、『マリアージュ』って笑顔でいってくれるとか……やばいよね。もう興奮するよね」

 サーラ様は私が初対面の時に刺客から救ったのもあって恐れ多いことに私に心を許してくださっている。もうサーラ様が私の名前を呼んでくれるってだけでよだれが出るほどに興奮する。

 サーラ様とグランが二人そろって私に向かって名前を呼ぶとか、想像しただけで何その天国って感じだよね。はわわわ、将来はサーラ様とグランも相手を見つけて結婚するだろうし、そうなれば美しい二人の子供まで私は見ることができるのだろう。

 はぁあ、絶対長生きする。絶対に二人の子供を見るまで私は死なない。

 などと妄想をしながらも私はサーラ様にお手紙を書くのであった。




 そしてその返信はすぐにきて、私はグランを連れて王宮へと向かうことになる。





マリアージュは国が腐ってたり、陛下が物わかりが悪かったら、多分陛下を破滅に追いやってサーラ様を女王様にしたことでしょう。

そして国が腐ってる&サーラ様が絶世の美少女ではないという状況であれば容易に国に牙をむいたかもしれません。そういう子です。


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