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伯爵様、成長したグランに隠し事される。

話が進むのははやいです。

 それからグランはすくすくと成長していった。少しずつ身長も伸びて行って美しい美少年が、どんどん美青年へと成長してく過程をこうして合法にまじまじと見れるだなんてやっぱりグランを引き取ってよかったとそんな思いにかられて仕方がなかった。だって本当に涎たれそうなほどの成長過程なんだよ。

 あ、もちろん、大天使であるサーラ様の成長もニマニマしながら見ていたの。はぁあああ、サーラ様本当に女神のごとき美しさになられて。私はグランとサーラ様の事をこうして生で成長を見届けられる立場で本当にうれしいよ。本当に幸せだよー。もうー、やばいね。私は幸せだよー。

 でさ、グランもそろそろお相手見つけて結婚しても良い年頃なんだよね。正直私の引き取った子供ってことで、あとグラン自身の見た目の美しさと強さも含めて縁談は沢山来ているんだよね。

 だけどグランってば全部断ってなんていうの。

 なんでかわからないけれども、私はグランがそれを望むならってことで縁談は全部蹴ったのだけれども、好きな人でもいるの? って聞いたらいるってグランは言うんだけど私にはさっぱり誰の事だかわからなくて、困ってしまったわ。だって、わかっているならどんな手伝いだってできるのにってそう思って。

 私ね、恋のキューピット的な役割したことないんだよねー。

 なんだろう、そもそも《炎剣帝》なんてたいそうな通り名をつけられていることもあって、私って敬遠される対象であるらしいの。

 それに私って思い込んだら一直線で、結構色々やらかしてしまうのよね。

 お父様、お母様、お兄様にもそういわれた。私は何をやらかすかわからないからあまりそういう情報を与えたくないって。幾ら本当の事だったとしてもひどいよね。私だけ仲間はずれってさー。

 しかも、グランの好きな人に対しても私だけ仲間外れっぽいんだよ!

 皆知っています的な顔していて、私がいくら問いかけても教えてくれないの。教えてくれたっていいじゃない。というか、私が領主で一番偉いのになんで教えてくれないんだろうって思って仕方がなかった。

 「ねぇ、イサーク、なんで私だけ仲間はずれなのー!! 私だってグランの好きな人とか知りたいんだよ。なのになんで私にだけ教えてくれないの。私ってばいつの間にかグランに嫌われたっていうか、グランにまで知られたら何かやらかすとでも言われているのかしら。なんていう、それなら本当に悲しすぎるわ」

 「……お前の思考は相変わらずぶっ飛んでるな」

 そんな風にコメントをするイサークは、もう結婚して子供までいるんだよ! イサークに似て見ていて幸せになるような見目をしていて、見るたびにニヤニヤして、「そんなニヤニヤする危険人物に俺の子供はあわせられん」とかいって中々会わせてくれなくなったんだよー。わー、ひどい。

 ちなみにここしばらく、ってか、私がここの領主になってから今のところ戦争はないんだよ。平和なのは良い事だよね。あとサーラ様は、私の大天使様は、もう既に結婚しているよ。この国の公爵とね。あー、サーラ様、可愛い。天使。女神。公爵領と私の領地近いから昔より会えるようになっていて私本当にうれしい。幸せ。

 「なんでそんなこというの? 私は普通よ」

 「お前が普通なら異常者はいない」

 「なにそれ、ひどい」

 それじゃあ私がまるでほかに例がないほどの異常者みたいじゃないか。全く、なんでこの戦友はこうも私に厳しいのか。もっと優しくしてくれたっていいじゃないか。

 そんな気持ちを込めて、イサークを睨むが、軽くあしらわれた。《炎剣帝》なんて恐ろしい名前で知られている私にそういう態度する存在は貴重だし、正直私みたいなある意味化け物に対して笑いかけてくれる友人が存在することは嬉しいけど、もう少し優しくしてくれたっていいのにとは思う。

 「それよりさ、グランの好きな人ってだれー。私だけ仲間外れはんたーい」

 「………あぁ、そうか。そんなくだらない話をするために俺は呼び出されたのか」

 「そうだよ! まぁ、別の話もあるけど」

 そうそう、イサークは私が呼び出した。イサークのお嫁さんはねー、いい子だよー。私とイサークの男女の友情認めてくれてて、仲良くしてても文句いってくるとかないんだ。

 まぁ、私とイサークの間に男女の関係とかそんなものありえないしね!

 「グランの好きな奴についてはそのうちわかるだろうから、ほうっておけ」

 「えー」

 「えーじゃねぇよ。全く、いつまでたってもお前は……」

 呆れたような目でこちらを見るイサーク。うーん、イサークって口堅いからこんな調子じゃ絶対グランの好きな人教えてくれないなーって思った私は別件の話をすることになった。

 「イサーク、別件なんだけど」

 「ああ、なんだ。くだらない事ならぶっ飛ばすぞ」

 「女に対してひどいなー。別件はね、なんかもうすぐ戦争起こるかもーってこと」

 軽い調子でいった。そう、戦争が起こるかもしれない。

 戦争が終結して、私が伯爵位を受け取ってから時間が過ぎた。隣国は、ガンラ帝国はまたこちらに戦争をしかけてこようとしている。

 「……そう、か」

 「うん、だから私もイサークも……そして今回はグランも戦争に出なきゃかも」

 私はこの国が好きだから、私はサーラ様の、美しいあの方の望みをかなえたいから。

 戦争が始まれば、私は敵を殺す《炎剣帝》とまたなろう。





 

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