自律神経
流石に一年も夜勤生活を続けると身体は変調する。まして、体を動かす仕事なら昼夜逆転の生活を維持出来るかもしれないが、一晩中パソコン眺めて座っている姿勢は、目は何時も充血し、常に腰痛と頭痛に苛まれた。
突然、マサキは両足首の下側が麻痺して歩けなくなった。
仕事も終わり、立ち上がった瞬間、しびれと激痛が全身を走り、思わずうずくまってしまっていた。心配した、やはりダブルウワーク仲間の丸ちゃんや清田君が、駆けつけて、二人係りで身体を支えてくれて、何とかエレベーターに乗り、ビルの外にあるベンチに腰掛けられた。「君達は掃除行ってきなさい。僕はここで一休みするから」マサキは掃除のリーダーに電話して休む事を告げて、いつの間にか爆睡してしまった。
一時間ほど、寝てただろうか。気付けば、目の前に下條がいた。「大丈夫かい」心配して、見守ってくれていたようだ。
やはり、足首下側は痛くて、本当に、ゆったりと歩くしか出来なかった。「多分、自律神経がいかれちゃったかな?」
下條は自身心筋梗塞で半年以上入院した経由があり、医療や薬剤、食品の栄養素など、専門家も驚くほどの知識の宝庫を
身に付けていた。
下條の手引きでタクシーを呼び、マサキは下條行き着けの東京駅近くのとある接骨院に到着した。
やはり、院長の診断も、自律神経がやられている、との事だった。院長自ら背中中心に、脹ら脛から足首まで丁寧に一時間ほど、マッサージ治療して、更に電気マッサージ、温熱治療して、マサキはようやく、歩けるようになった。しばらくは通院するように、そして、なるべく歩かないように、院長に命じられた。
マサキは下條のおかげで、ピンチを脱した。
マサキは今後下條について行こうと心に決めた。