ルーチンワーク
マサキは今年48歳になる。一流国立大学を卒業後一流家電メーカーのエンジニアとして課長まで出世し、社内結婚して子供にも恵まれ、都心にマンションを購入して、人並み以上の幸せを謳歌していた。それが、会社が一年前に債務超過して、リストラの嵐に巻き込まれ、使命解雇となり、プータローになってしまい、プライドの高い妻は子供と一緒に割増の退職金を手切れ金として、持参して実家に戻ってしまい、残されたマサキは、住宅ローンを半年払えず、とうとう追い出され、身一つで、ホームレス寸前に陥った。その間、就職活動したが、どこも採用されなかったのだ。結局、いくつかの派遣会社に登録し、今の仕事を紹介されて半年が経っていた。決め手は、給料カードを渡され、一晩の日当約一万円のうち八割の八千円を日払い受け取れるので、その日暮らしのマサキには他の選択眼はなかった。今は、南千住の三畳部屋のホテルに月極の契約で塒としていた。部屋にはエアコン、21インチの液晶テレビとミニ冷蔵庫もあり、また大浴場もあり、結構馴染んでいまた。
毎晩7時のバスで東京駅に向かい、乗りついで東京ベイには何時も8時半には到着した。6時に終えると30分かけて歩き、つぎの職場に向かった。10時に終えて、近くのコンビニで缶ビールと摘みを買い、仲間と一杯やって帰宅は昼。そこから5時間寝て、風呂につかい、夕食を取り、そして出勤がルーチンワークであった。