表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/29

寝るんじゃない

 「おい、寝るんじゃないよ。」

いきなり、マサキは頭を叩かれた。

 「勤務態度悪いと首だからな!」

SVと呼ばれたスーパーバイザ-は、すぐ怒鳴る事で有名な男だ。エリアマネージャーと称する女性キャリアも、すぐに駆けつけ、「おまえ、また寝たね」と大声で周囲に聞こえるようにわめき散らす。マサキは確かに眠気に誘われたが、完全に眠った訳ではない。

 ここは、東京ベイの一画のビル街で、新日本電力の原子力発電所の放射能事故の損害賠償の補償業務を派遣会社が請け負い、マサキはその一員として、夜9時~朝6時までの夜勤仕事を日々勤めていた。被害者から請求書が届き、その内容に不備が無いかを審査する業務である。農業や中小法人や、一般人等細かく細分化されて、それぞれの審査グループがある。請求書の数は大変な量ではあるが、タイミング的に全く審査の無い日々も時折あったのだ。まさに、そんな夜は、何もすることないのだが、SVやエリアマネージャーの役割は、眠ってるスタッフを見つけて血祭りにすることであった。そういう仕事のルールを守った者が、この閉鎖的空間では、所謂出世してゆく。要するに時給が上がって行く訳である。だから、上司たちは、血祭りゲームに夢中になる。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ