昔々あるところに_007
昔々あるところにモグさんという貧しい青年がおりました。
モグさんは黒猫堂という骨董品屋で、とある財布をみかけました。
本牛皮の長財布で、色は茶
<お金がどんどん増える魔法の財布(本物)>
とありました。
モグさんはそれを見たとたん、電撃に打たれたように飛びつきました。
カウンターに持って行って
「この、お金が増える魔法の財布(本物)というのは本当ですか?」
と店主に聞きました。
「本当ダニャ、お金が増えるニャ」店主は黒猫でした。
「売ってください。買います」
もぐさんは10万円出してその財布を手に入れました。
家に持って帰ってテーブルの上に置きました。
一万円札を二枚と千円札を三枚入れて見ました。
財布は、ぷくううううとふくらんで、
「ふえた、ふえた」と言いました。
モグさんが確認すると、一万円札が千円札10枚に、
千円札が百円玉10個に倍増していました。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ