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49番目の後継者  作者: ペンギンMAX
第一章 呼び出された魂と黒竜の願い
6/41

第六話 天使の暴走

なんとか10話で終わらせて旅立たせたいです。

まとめるのって以外に苦労しますよね


10/7 再更新

 あの後、ルビさんに、イシュタルさんが魔眼に掛かった事を打ち明けた。


 イシュタルさんの名前を聞いたとき、ルビさんは、少し表情が翳ったように思うが、気のせいだろうか?


 だって竜の表情わかるわ無いじゃな~い。

 もちろん大きなリアクションなら、竜と言えども喜怒哀楽は理解しやすい、けど微妙な変化ってのは雰囲気からしか察する事しか出来ない。


 そして、あれだけ出会いが最悪だったルビさんとも、イシュタルさんの事や魔眼の切欠からか、ずいぶんと仲良くなっていた。

 

 それからは、ルビ「さんと仲良くなりすぎて、今では訪問理由の全てが、お悩み相談になっている。

 何処で間違えたのだろうか?今だに、ルビさんの願い事を叶える為に、何も出来ていない。

 此処に来る目的を再確認しながらも、何時ものようにお悩み相談だ。



「助けて、ルビえも~~ん。」


「なんだい気色悪い、トシ坊。」



 言ってみたかったんだーこの言葉w

 地球の知識が無い人達の世界で、しかも竜にはこの言葉を理解できないだろう。

 だから恥しくも無く叫んでいるのである。

 地球の日常でこんな事言ってたら、白い目で見られて通報物である。ビバ異世界♪


 いやいや、今はそんな、やってみたかったシリーズの一端に満足していてはいけない、早速本題である。



「また、イシュタルが何かやらかしたのかえ?」


「ええ、今回はかくかくしかじかで。」


「まったく、飽きないね~トシ坊は。」



 毎回こんな感じで相談し始めると、決まってルビさんは俺を見ながら微笑んでいる。俺が勝手にそう感じてるだけだが。

 ルビさんの様子は、いつもお婆ちゃんが孫を見てるような雰囲気を醸し出している。


 思い返せばルビさんに最初、魔眼に掛かったイシュタルさんの事を話した時、魔眼の効果についてレクチャーを受けた。

 『魅惑の魔眼』とは主神(見たことも無い偉いさんらしい)が神族のある天使に惚れた事から生まれた魔眼であるらしい。


 つまり、気に入った天使を落とすために生まれた、主神肝いりの特殊付属アイテムということだ。

 何してくれちゃってんの、主神さんよー

 馬鹿なの?死ぬの?・・・死なないか主神だし。


 それと、竜族は原初からの存在であるらしく、魅惑事態が効かない性質を持っているのに加え、竜族はこの魔眼すらレジスト出来るらしい。


 それに対して神族(主に天使)は、ただの神力を持った人間みたいな存在な為、魔眼に掛かると効果抜群なのだそうだ。


 もし、魔眼に掛かった場合は、掛けた人物が、掛かった相手を目を見詰めながら魔眼の効果を薄めると良いらしい。

 でも薄めれるだけで効果は無くならないのが厭らしい造りである。


 そして現在、本来なら魔眼の効果が強すぎる事と、主神の欲望が炸裂しただけのアイテムという問題から、主神は神族一同からの突き上げに屈し、主神自ら親族の怒りを納めるために、神界の王宮置く深くに魔眼を封印していた・・・はずだったのに、俺の右目に金色の輝きを持って宿ってる。


 魔眼の扱いも習った。まずは右目(特に魔眼の存在)を意識する。

 魔眼の存在を感じたら、意識を集中していくと、強弱が付けれるようになる。

 これは感覚なので口では説明しがたいのだが・・・


 魔眼の効果を最高に意識すれば出力が上がる、逆に最小を意識すれば魔眼自体を効果0にする事も出来た。


 おっと、ちなみにこういった、スキルや扱いに関する時は『熟練度飛躍』を有効にしていると便利である。

 数回の試行で確実に魔眼を物に出来たのだから。


 ただし、この『熟練度飛躍』は常に有効にしておくと、トンでもない結果になってしまうので普段は無効にしている。


 トンでもないってのは、例えば食べる時、噛み締める行為が妙に無駄のない動きになるとか、立つとか座るとかがめっちゃ絵になってしまうとか、何でもかんでも洗練されてしまうので、今後何時か問題が起こっては遅いからだ。


 俺としては日常生活をごく普通に、俺らしく過ごせる様にと考えた結果、普段は無効にしてある。


 何時もの悩み相談も終わり、帰ることにした。

 この帰るっていうのも、最初は難儀したんですよ、だって、帰り方が解らないんだから。


 毎回死に戻りしてたから、普通に帰還する方法を聞いていなかった。

 良く考えれば、イシュタルさんが最初に教えてくれていても良い事なのに、教えてくれなかったんだも、あのダメ天使・・・


 でも流石は黒竜のルビさん、俺の不安を察知して『ゲート』の古代魔法を直ぐに教えてくれた。

 お陰で、教会らしきあの場所へ帰ることが出来たのだ。


 この『ゲート』は空間や世界(異世界の中の地上界とか天上界とかだけで次元は越えれない)の壁を越えることの出来る古代魔法で、異世界で稀に発現する『ワープ』とは別物らしい。

 『ワープ』は空間だけに作用するスキルとのこと。

 世界を越えれるなら、地球にも行けるかと思ったが、そうは問屋が卸さない、異世界内限定の移動しか出来ないとのことだった。


 さて、ルビさんのお悩み相談も終わって帰路に付いてからのイシュタルさんだが、実に予想通りの展開だった。


 帰った瞬間、ほんとうに瞬間ですよ瞬間。

 『ゲート』から降り立ったと思ったらもう抱きしめられてやんの、イシュタルさんに。


 驚いて固まってると、イシュタルさんはエスカレートしていき、俺の思考を完全に吹っ飛ばす事の出来るあの最終兵器、爆乳メロンに俺の頭を抱え込むんですよ!


 息が苦しいのに幸せが込上げてくる。正に桃源郷か酒池肉林か、思わず揉みしだきたい衝動に駆られ、手がイシュタルさんの胸に行きそうだったのを、必死に堪えながら、イシュタルさんの爆乳から脱出して話し出す。



「と、取り敢えず冷静になろう、ね。」


「ええ、私はいたって冷静ですよ俊哉・・・私、ずっと疑問でしたの、天使がこんな感情を持つということが・・・でも、もう抑え切れません!俊哉の事を思うと胸がドキドキして止まらないの!!」


「いやいや、その気持ちは嬉しいですけど、まずは落ち着いて話し合いましょう?っね?」



 イシュタルさんは是が非でも抱き付こうと飛び掛ってくるっし、俺は必死に押し止めて話そうとする。

 何度かの攻防の末、イシュタルさんが気迫を纏って俺を睨みつけてきた。


い・・・いかーーん、くる!ヤバイヤバイヤバイ!!



「・・・そういえば俊哉、ルビさんところに行ってから随分お帰りが遅かったですよね?ふーん、そうですか、へー、俊哉はルビさんと一緒の方が良かったようですね。」


「良いも悪いもルビさんには会わなきゃいけないし・・・」


「!!ルビさん・・・・ですか、いつの間にそんな風に呼び合える中になったんですか!!私の気も知らないで!よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!!」


「あ・・あの・・・落ち着いて・・・」


「・・・あ、そうですよ!そうだ、俊哉をルビさんの所に行かせなければ独り占めできるじゃない、何て素敵な思いつきなのかしら♪・・・手足を縛ってでも?いえ折る??・・・そうよ、そう、独り占めするのよぉぉお!!俊哉は私だけで良いんですぅー!!」



 あ、詰んだなこれ、暴走MAXだぁー

 叫びながら、俺の胸倉を掴み前後に激しく揺する姿は、狂気に支配されている女性そのものであった。

 天使なのに・・・負の感情全開だなオイ。


 何とかこの状況を脱して、せめて最小限の魔眼効果まで落として今後を乗り切らないと、死んでしまう。

 ここは強引にイシュタルさんの目を見て魔眼を発動しなければ。

 ルビさんに教えてもらった事を思い出して、成功させる為にも、落ち着けー俺、ここは正念場だ。


 今も尚、胸倉を掴んで暴れるイシュタルさんの両肩を、同じく両手でがっしりと掴み俺の目の前まで顔を引き寄せるように近づける。



「と・・・・としゅあ しゃん」



 あーやっぱり気が動転しててもアクシデントに弱いな~顔真っ赤だし。

 よし、ここはイケメンになりきっていかねば!


「イシュタル」


「ひゃ、ひゃい!」



 触れる位まで引き寄せたイシュタルさんの顔は、俺の心を鷲掴みにしそうな程美しい・・・取り込まれそうだ。

 それでも心を奮い立たせてイシュタルさんの目をじっと見詰める。


 そして思いっきり歯の浮いたセリフを述べる。

 キャラじゃないんだけどな・・・



「俺はどんな事があっても、イシュタルの事が気に入っている。だから落ち着いて欲しい。美しい君が、そんな風に取り乱さないで。ほら、いつもの笑顔を俺に見せてごらん?君の一番の笑顔を。」


「・・・・・・・・・ふぁひぃ・・・」



 顔を真っ赤にして、今にも倒れそうなイシュタルさんは、それでも俺から目を離さない。

 それにしても、童貞には堪える・・・は・恥しくて死にそう。

 言ってる自分でも胸焼けしそうだ。


 だが、い・・・いまだ!今しかない!この瞬間に魔眼を発動!!

 イシュタルさんへの効果を最小限まで落とす様に全力で集中する。

 見つめ過ぎて俺まで顔が赤くなったのは内緒だ・・・って内緒にならないわなー実際顔赤いし・・


効 果が最小限になったことを確認して、そっとイシュタルさんを放して行く。

 もう暴れない、逆に猫を借りてきたように大人しい。

 たぶん照れてるんだろうと憶測して、優しく声を掛ける。



「大丈夫ですか?イシュタルさん?」



 俯いているのでハッキリとは解らないが、顔を真っ赤にして小さく頷いたと思う。

 よし、事態は収拾した!俺の安堵と共に額の汗を、服の袖で拭う。


 こうして魔眼騒動は終わりを告げたが、この後、今みたいな暴走は無いにしても、態度の変化したイシュタルさんに戸惑う事態が起こるのである。


 その事を毎回ルビさんに相談しているうちに、騒がしいけど平凡で、ワクワクしたりドキドキしたりと、生きていた時よりも充実していた時間が崩れる時が来た。



さて後2話ほどで纏め上げねば。

まとまるんだろうか?

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