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094 禁止!

「コノヤロー!」

 ある日の放課後、同部活の生徒同士のいさかいが起こった。

 どちらの言い分も食い違い、どちらも悪い。

「みんな大会前で忙しい時に……」

 教師はそう言って、二人の生徒の間に入る。

「でも先生、こいつから手を出してきたんだ!」

「なに言ってんだよ。おまえだろ!」

 なおも続きそうな喧嘩に、教師は腕時計を見る。

 今はどの部活も大会前で忙しく、受け持ちの部活に早く行きたかったこともある。

「落ち着け、おまえたち。もう、おまえたちはしばらく部活禁止! 少しは他の生徒を見習え。じゃあ、先生は受け持ちの部活に行かなきゃならないから。これ以上騒ぎを起こすなよ!」

 ぽつんと残された二人の生徒は、互いに顔を見合わせる。

「部活禁止って……俺たち、帰宅部だぜ?」

「帰っちゃいけないってこと?」

 乾いた笑いが、二人を包んだ。

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