080 ケータイがないっ!
((((;゜;Д;゜;)))) カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
「ヤバイ! ケータイ忘れた!」
亜美は真っ青になる。
すでに駅まで来てしまい、家に戻れば遅刻は確実。今日は彼氏とのデートだというのに、携帯がないということだけで冷や汗が伝う。
(。´Д⊂) ウワァァァン!
「ううっ。ダ、ダイジョーブだよネ。昔の人は携帯なんかなかったっていうし……」
ちらりと目に入る公衆電話。もはや掛け方すらわからない。というより、彼氏の電話番号もうろ覚え。
亜美はちょっとした冒険にでも出かけるように、腹を括って電車へと乗り込んだ。
カカッテコイ! щ(゜Д゜щ) ゴルァ!!
「よっしゃ、もう行くしかない。電子マネーもあるし、一応小銭もちゃんとある。目指すは五駅先。行ける、よね……?」
携帯電話がないだけ。それだけで不安ばかりが募るのは、もはや携帯世代のサガである。電話やメールだけでなく、携帯マネーにテレビや音楽、携帯なしなど考えられない。
ふと、バッグの中には携帯電話の電池式充電器が入っていた。
「電池あるのに本体ないなんて、サイアクだお……orz」
それでもなんとか待ち合わせの駅に着き、待ち合わせ場所を見回す。もともと彼氏が時間通りに来た試しはないので待たされるのには慣れているのだが、今日は勝手が違う。
コネ━━━━(゜д゜;)━━━━!!
「もぉ、どーしよ。ドタキャンもたまにあるし、今日携帯にメールあってもわかんないよ。親に代わりに部屋にある携帯見てもらう……? イヤイヤ、ぜってー無理。つーか……時間もわかんねぇー!」
((((((((⊂( ・ω・)⊃ブーン
「亜美!」
彼氏の声に、亜美は涙目になった。
ウァーン・゜・(ノД`)ヽ(゜Д゜ )ナクナ
「なによ、どした?」
意味もわからず宥める彼氏に、亜美は携帯を忘れたことを説明する。
(*´∀`*)
「なんだよ、何事かと思った。でも、怖かったんだな。よしよし」
「うわぁぁぁぁぁん!」
チュッ * ^)(。・_・。) ポッ
「もう大丈夫だよ」
「うん、よかった。会えて……」
二人は手を繋ぐと、静かに歩き始めた。
ァレゝ∪τるょ.:*゜..:。:.(´+・ω・人・ω・+`).:*゜:.。:。
二人の絆は、今日でより深まったのかもしれない。