表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/371

069 肉食系男子

 草食系男子なんか流行ってたけど、俺は断然、肉食系。

 十七歳――。せっかくの遊び時。青春を満喫しなきゃもったいない。周りの男どもだって、考えていることはみんな同じ。モテたい、ヤリたい、アソビたい。それだけだろ。


 どうせ付き合うなら、可愛い子のほうがいい。ブランドバッグを下げるように、街じゅうの男どもに見せびらかしたくなるくらい。そんなの、女だって同じだろ。


 それを手に入れるためなら、少しくらいの努力も惜しまない。筋トレだってバイトだって、まだガキと言われる年でも一人で生きてくくらいの甲斐性持たなきゃ、女なんてついてこない。ただモテたいって言ってるだけの男と一緒にするなよ。


「おまえ、また彼女変えたんだって? もったいないな、あんな可愛い子を」

 友達がそう言った。

「お古でよければ紹介するけど?」

「うわ、鬼畜。なんでおまえだけ、そんなモテんだよ」

「女だって俺みたいなやつわかって寄って来てんだよ。俺もブランドバックと同じ」

 冷めた目で、俺は煙草を吸った。煙草の味がうまいなんて思わないけど、きっと親とか社会とか、つまらない世界か何かに対するささやかな反抗なんだろうな。

「ブランドバックね。流行がコロコロ変わるってやつ」

 友達の言う通り、一通り食いまくった俺の後に、地味な友達がモテ始めた。

 それでも俺は、冷めた場所から脱せずに、また本当の恋すら出来ずに生きていくのだろう。肉食系のまま、ただ獲物を探す。

 それでもちょっとは信じてるんだ。真実ほんとうの恋ってやつをね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ