表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/371

042 友達以上、恋人未満

 会いたくない、会いたくない、会いたい……。

 次、会う時が、別れの時――。


 私と俊哉は、幼馴染み。時に友達、時に恋人。そんな中途半端な関係のまま大人になり、気がつけば、俊哉は大学の同級生とデキ婚。私たちは、永遠に友達の関係になった。

 それなのに――。


 ある日、私は中学の同窓会で、久々に俊哉と再会した。

「おう、遥」

 私の名前を呼ぶ俊哉。変わらない笑顔。変わらない声。

 その夜、私たちは恋人同士に戻った。


 なぜそうなってしまったのか。いや、お互いにそうなりたかった感情が、その時むき出しになったに違いない。

 罪悪感がなかったというわけではないが、その時はもう無我夢中で、自分たちのことしか考えていなった。


 それからまた、私たちは中途半端な関係。友達以上、恋人未満。

 どうして私たちが結ばれなかったの? 運命に問い質してみたくもなるけど、現実からは逃れられない。


「妻に気付かれたみたいだ……」

 ある日、俊哉が暗い顔でそう言った。

「……私たち、別れるの?」

 私はそう尋ねる。

「嫌だよ。おまえは俺と別れたいの?」

「でも……」

 私たちに、答えはない。ただ好き合っているのに、許されない関係――。


 それから、私は一人でいろいろ考えた。

 きっと俊哉は、家族と別れられないだろう。でも私とも別れれば、もう友達にすら戻れないかもしれない。きっと俊哉は選べない。でもきっと、俊哉は今までも、そんな恋愛を経験してる。出会いと別れを経験してる。


 私は一人、決意した。

 次、会う時が、別れの時――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ