365/371
365 大丈夫
大丈夫
そう言った彼女の肩は 小刻みに震えていました
重病を宣告された 僕を抱きしめながら
必死に僕に勇気づけようとしてくれている彼女に
僕のほうが不安でいっぱいだったというのに
しっかりしなければ と思った
そして彼女を守りたい
いつもより そう強く感じる
大丈夫
そう言った瞬間
僕は僕の中心から なにか大きなものに支えられるような
そんな錯覚を起こした
うん 大丈夫だ
一人にはさせないから
一緒にがんばろう
僕たちは 更に固い絆で
心から結ばれたように思う