表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
358/371

358 いのち

 いのちはどこからくるのでせうか


 わたくしが父さまと母さまから生まれてきたならば


 わたくしにとっての神は 父さまと母さまといふことにならうか




 では 父さまと母さまをつくられたのは


 父さまの 父さまと母さま……………………


 母さまの 父さまと母さま……………………




 それでは あの野の花のいのちはどこからきたのでせうか


 花粉をつけたミツバチか それとも運んだ春風か


 それでは ミツバチのいのちはどこからきた


 あの風はどこから吹いた




 そう考えてみると なんといのちといふものは


 たくさんのいのちに助けられ 支え合って生まれたものなのか


 あなたにも知ることができませう




 その途方もない生命の連鎖を


 ただ私利私欲のためだけに 誰か人の手によって絶やすことがあれば


 いつか私たちを支えるいのちはなくなり 死ぬ




 この目の前にある食物の源に かつて魂があったことを忘れずに


 私は私が生きるために この生命を有難く食しましょう


 そして私が死んだら どうか自然に還れますように 祈る




 あなたのいのちはどこからきたのでせうか


 今日もどこかでいのちが生まれているといふのに


 今日もどこかでいのちが絶えている――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ