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273 酒の飲み方

 大学を出て二年。運良く入った会社だけど、未だ仕事をこなすのが精一杯の俺は、毎日飲んでストレス発散をするくらいしか遊ぶことがない。

「井上。キャバクラ行くか」

 先輩がそう誘ってくれた。飲み屋ばかりで、そっち系で飲んだことがない。

「え、僕初めてです」

「そうか、そうか。じゃあ一緒に行こうぜ」

 眩いばかりの店内の女性は、本当に輝いて見えた。

「井上。誰にする?」

「僕、そういうのわかんないですよ」

「またまた。ウブなふりすんだもんな。じゃあ、この子とこの子で」

 先輩は慣れた様子で、女性を指名していく。こういう店は高いと聞いていたから、僕は内心ひやひやしていた。

「いらっしゃいませー」

 やってきた女性は、綺麗なドレスに身を包み、猫なで声で僕に笑いかける。

 でも、なんだかいろんな気遣いが心地いいし、悩み相談なんかも聞いてくれて、僕はすっかりこの店の虜となってしまっていた。


「どうよ、井上。初キャバは」

「いやあ、いいっすね。やっぱ可愛い女の子に囲まれて飲む酒は格別っていうか、なんていうか……最近の憧れの職業っていうのも頷けますし」

「だろ。でもおまえ、ハマるなよ」

「大丈夫ですって。安月給ですし。居酒屋で十分です」

 そうは言ったものの、その後の僕は、居酒屋よりキャバクラに行くことのほうが増えていった。お気に入りの女性も出来た。

 一人でカウンターで手酌もいいけど、周りにはいないくらいの綺麗な女性と酒を飲むのも楽しいじゃないか。


「よう、新人。キャバクラ行くか」

 僕は会社の後輩にそう持ちかけ、渡り歩いた繁華街へと連れていく。この後輩もまた、夜の虜になるかもしれないが、ビジネスマンにも息抜きは必要だろ?

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