表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
263/371

263 二次元カノジョ

 薫は中学二年生。最近、廊下ですれ違った、三年生の男子に恋心を抱くようになった。

「川野先輩っていうらしい……」

 名前の情報を仕入れるだけで、かなりの苦労があった。

「ええ? 結構平凡な顔じゃない。どこがいいの?」

 同級生からそう言われても、自分でもわからない。ただ一目惚れのように、彼を追っている自分に気付いている。

「先輩、受験だし、話すきっかけもないよな……せめて何部に入っているのかわかれば……」

 ちょうどその時、またも廊下を歩いている意中の彼を発見し、薫は硬直した。でも、今しかない。

「か、か、川野先輩!」

 すれ違いざまにそう呼ぶと、川野は首を傾げる。

「誰だっけ?」

「あの、二年の大塚薫って言います。あの……川野先輩のことが好きです!」

「ごめん。俺、二次元にしか興味ないんだ」

 一瞬の玉砕。ためらいもなくそう言って去っていく川野に、その場にいた同級生たちは避難の嵐を浴びせるが、川野は何とも思わないようで、そのまま去って行ってしまった。

「やめなよ、あんなやつ。ただのオタクじゃん。カッコ良くもないんだしさあ」

「そうだけど……ひどいけど……でも好きなんだもん!」

 薫は半べそをかきながら、教室へと入っていく。


 その日から、薫の闘争心というものに火がついた。フラれたショックで落ち込むこともなく、恋心というものも忘れ、ただひたすらに、見返してやろうという気持ちが大きく、漫画やアニメ雑誌を買い漁る。

「やだ……結構いい話じゃん」

 レアなアニメまで見終わり、薫はアニメに涙した。

 翌日、薫はコスプレ衣装に身をまとい、再び川野へ挑戦を挑むことになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ