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256 焚き火
「わーい。焼きいも!」
学校から帰るなり、子供たちは庭で落ち葉焚きをしていた私を見つけ、駆け寄ってきた。そうか、今日は午前授業で終わることをすっかり忘れていた。
私は内心、舌打ちをして、子供たちに笑いかける。
「駄目。先に宿題やってからよ」
「えー」
「早く終わらせて、焼きいもしましょ。宿題終わったら、台所からおいもとアルミホイル持ってきて」
「はーい」
ちょうどさつまいもがあってよかった。
子供たちは素直に従って、家の中へと入っていく。
私は長い枝で火加減を見て、落ち葉を足してゆく。落ち葉の隙間から、古い写真が見えたが、すぐに灰となった。
子供たちが帰ってくる前に、早く燃やしてしまわなければ――。
焚き火は女の秘密。話しかけないで――。