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251 ビッグバンドが聞こえる

 しがない歌い手の俺に敵は多いけれど、俺を支えてくれた人はそれ以上にいる。

 俺にギターを教えてくれた人、俺に生き方を教えてくれた人、でもそんな先輩たちは、この世界から消えていった。

 それはカラオケという技術が街に進出してきた頃。最先端の技術に驚き誇りに思いながらも、一方でバンドマンの先輩たちは職を失くした事実がある。


「さあ、始めようか」

 俺の後ろで聞こえる声は、もうあのしゃがれた声のバンドマスターではない。カラオケを操作する店のマスターだけだ。

 それでも俺は歌い続ける。うまいバンドマンだった先輩たちではなく、しがない歌い手から始まった俺にはまだ職があるという皮肉さ。

 でも俺には聞こえるんだ。カラオケの向こうに聞こえる、ビッグバンドの重い音色が。

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