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249 移りゆく季節

 花見シーズンが終了し、街には葉桜が目立ってきた。

「なんだか嫌な感じね。あれだけ綺麗だった桜が、地面に落ちて汚らしいし」

 そう嘆く若い母親の横で、小さな少女は桜の木を指差す。

「でも、お母さん。黄緑色が綺麗だよ。桜ってすごいね。ピンクから緑になった。どっちも綺麗」

 まるで大人の醜さが浮き彫りになったように、若い母親は少し自分を恥じた。

 そして立ち止まり、葉桜となった並木通りを見つめる。

 春の暖かでさわやかな風が吹き抜けた。

「そうね……これから新緑でもっと綺麗になるわね」

「もっと綺麗に?」

「うん。花びらが全部落ちたら、もうすぐ新緑の季節ね」

 急に、街が輝いて見えた。

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