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189 七夕の少女
私たちは、織姫と彦星みたい。
こんなにも惹かれあっているのに、なぜ離れなければならないのか。
今の時代に、身分も何もないはずなのに。
それでもあなたは、私と会うことを禁じられ、会えないまま。
せめて今日くらい星が輝く日は、あなたの温もりに抱かれたい。
早く大人になれば、あなたと結ばれることは出来るでしょうか。
それとも、あなたに素敵な人が出来てしまうかもしれない。
そう考えると、私は気が気ではありません。
ああ、なんて綺麗な夜でしょう。
織姫と彦星は、今年も無事に会えたかしら。
私の彦星は――。