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018 スター誕生

 顔はまあまあ、体系も普通。

 得意なことといえば、声がデカイこと、態度がデカイこと、とりあえず慕ってくれる仲間が多く、カリスマ性はあることくらい――。

「はい、もう一度最初から! ファイブ、シックス、セブン、ハイ!」

 なぜかダンスのレッスン中。

 なんとなくスカウトされた事務所で、なんとなくのユニットを組まされた。

 調子に乗って、知り合いに言いまくってしまったため、ここでユニットから降ろされるわけにはいかない。

「オイ、君!」

 キタ! 俺は委縮して、ダンスの先生の前に立つ。

「ハイ!」

「君、全然駄目。ダンスやったことないにしても、もう少し覚えられるでしょ」

「ハイ! すみません!」

 俺は持ち前の大きな声で、そう返事をする。いい返事くらいしか、今の俺に取り柄はない。

「あのね、君。返事ばかり良くても駄目なんだよ」

「ハイ!」

「だからね……」

「ハイ! 頑張ります!」

「ああ、そう……まあいいや。頑張って」

 ダンスの先生が、諦めたように背を向ける。

 今日のレッスン終了後、俺はもう一度、先生に呼ばれた。

「君はね、光るものはあるんだけど、どうもダンスは出来ないらしい。もう君は踊らなくてよろしい」

「え!」

 ショックで他に言葉も出ない。

 だが俺は、すぐに拍子抜けすることになる。

「君はソロでデビューしなさい。今一緒にやっている子たちは、バックダンサーで付けることに決めたから」

 俺という、スター誕生の瞬間――。

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