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127 Dear. 神様

 ねえ、神様。

 あなたが本当にいるというのなら、私の願いをひとつだけ叶えてください。



 「彼と出会う前まで、時間を戻してください」



 時が戻ったら、そしたら私は、彼と出会う日は家にいて、誰の電話も取りません。


 あの日、私が彼と出会ってしまったから、彼の世界は壊れだした。


 彼には彼女がいて、それなのに私が彼を好きになった。


 奇跡的に、彼も私を好きになってくれた。


 幸せ――でも、誰かの幸せを壊して手に入れた幸せなんて、長くは続かないのかもしれない。


 私たちはささやかな幸せを望んだけれど、あなたはもう、ここにはいない。


 あの日、私の誕生日のあの日――。


 あなたは私を驚かせようとして、普段のあなたからは想像も出来ないほどの行動を……。



 私の名前入りのバースデイケーキ。

 私がずっと欲しがっていたジュエリー。

 そして、私が大好きな花の束。



 あなたはそれを両手に抱えて、私の待つ家へとやってきた。


 幸せを奪われた人の、刃を腹部に刺して――。

切ない系にするつもりが、ちょっとホラー調になってしまいました……。

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