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012 チビとのんちゃん

 チビは雑種の子犬。

 小っちゃいから、チビ。安易だけど、みんなに愛されている。

 チビが遠藤家にやってきたのは、冬も終わりかけの、まだ寒い日だった。


「駄目、のんちゃん! 野良犬は噛むかもしれないから、触っちゃ駄目よ」

 まだチビが公園で暮らしていた頃、のんちゃんはママに叱られても、チビに近付くのをやめなかった。

「犬ならパパにお願いしてみよう。近くにペットショップあるし、飼ってもらえるかもしれないよ?」

「やだ! この子がいい!」

「わがまま言わないの。駄目なものは駄目!」

 無理やり抱きかかえられ、のんちゃんはチビから引き離された。


 数日後、同じ公園に行っても、チビの姿はなかった。

 のんちゃんは、チビに会えるのを楽しみにしていたので、残念で仕方がない。

「あ、チビ!」

 だが帰りかけの公園、のんちゃんは近所の小学生にいじめられている、チビを発見した。

「やめろー!」

 一目散に駆け出したのんちゃんは、倍以上大きい体の小学生に、体当たりをする。

「チビ、逃げて!」

 そう言うのんちゃんに、チビは逃げようとしない。

 今度はのんちゃんの周りで吠え始め、小学生を威嚇した。

「チビ……」

 やがて、一瞬見失っていたママが、のんちゃんを助けに来た。

 のんちゃんはチビを抱きしめ、ママを見つめる。

「絶対面倒みるから、チビを飼って。このままじゃチビ、また苛められちゃうよ! それにチビ、のんちゃんを守ってくれたよ」

 のんちゃんの熱意に負け、ママは小さく頷いた。


 その日から、遠藤家にはチビがいる。

 のんちゃんとは、片時も離れない相棒。

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